【】戦後日本の弱点は、スパイ法がないことです。中国のハッカー集団は、中国政府統制化の「人民解放軍」所属ハッカー集団であり、ネット上で世論操作を行う「五毛党」のほとんどが政府役人となっています。【】
★菅内閣は、次期国会に「スパイ法」(注1)提出か>
(注1)昭和二十二年法律第五号
内閣法
内閣法
第五条 内閣総理大臣は、内閣を代表して内閣提出の法律案、予算その他の議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告する。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000005
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2021.07.22
プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。
今年春、2016年から2017年にかけて中国政府が日本企業へハッキングしていた事実が発覚しましたが、数年を経て判明した実態は恐るべきものでした。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、日本に住む中国人が、人民解放軍からの司令を受けてサイバー攻撃をおこなっていた事実を紹介しながら、元留学生など一般の中国人が日本でスパイ活動を命じられている現状にもっと敏感になるべきだと警告しています。
今年4月、中国政府による日本の組織や企業へのハッキングが発覚しました。ハッキングが発覚したのは、2016年から2017年にかけてのことでしたが、いろいろ調査した結果、このタイミングでのニュースとなったのではないでしょうか。どのようなニュースかということについて、以下、産経新聞の報道を一部引用します。
「
「平成28~29年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)など国内約200の航空・防衛関連組織や大学などが狙われた大規模なサイバー攻撃があり、攻撃に使われた日本のレンタルサーバーを虚偽の情報で契約したとして、警視庁公安部は20日、私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで、中国籍で、中国国営の大手情報通信会社に勤務していたシステムエンジニアの30代の男を書類送検した。
公安部によると、男は中国共産党員。一連の攻撃は中国人民解放軍のサイバー攻撃部隊が主導した疑いがある。他国機関による日本国内への大規模サーバー攻撃が捜査で明らかになるのは異例。」
このニュースで名前が出たのは「Tick」という、中国国営のハッカー集団です。この名前、2020年のハッキングに関するニュースでも出てきました。三菱電機、NEC、神戸製鉄などが狙われた事件です。この時は、「Tick」ではなく、「BlackTech」などとも呼ばれていました。
● 三菱電機へのサイバー攻撃、VPN装置にハッキングか
国家防衛に関わる企業が相次いでハッキングされ、その手口もだいたい解明されている様子。「Tick」について分析したサイトには、「Tick」の攻撃の特徴として以下のようなものが挙げられています。
- 通信経路の暗号化
- 標的組織に合わせて攻撃インフラを変更
- 変化する攻撃手法
- 被害規模の大きさ
- 長期にわたる攻撃活動
- 日本を執拗に狙う
● 日本企業を狙うサイバー攻撃集団「Tick」とは何者か?
このハッカー集団に加えて話題になっているのが、トレンドマイクロ社の「ウイルスバスター」というセキュリティソフトです。三菱電機はトレンドマイクロのセキュリティソフトを使っていたとされ、トレンドマイクロはソフトの脆弱性を突かれたとも、情報流出を助長したともいわれ、批判を浴びました。
トレンドマイクロ社は南京に支社があり、そこでセキュリティソフトの開発を行っているという噂もあります。
ここで問題となるのは、中国の「国家情報法」です。これは、中国政府が世界中の中国人に対して情報収集活動への協力を命じた場合、これに従わなくてはならないというものです。協力の対価に報酬が与えられる場合も多いとされますが、基本的には強制的に諜報活動への協力を求めます。
今回、容疑者となった中国人の男性は、元留学生だったそうです。捜査関係者によると、この元留学生の男性は中国人民解放軍の人物から「国に貢献しろ」と工作への協力を求められたといいます。
これが国家情報法が発令されたものかどうかはわかりませんが、いずれにせよそのように命じられた場合、断れば身の危険が及ぶ可能性もあり、たいがいは受け入れてしまうのではないでしょうか。つまり、世界中の中国人がスパイになるということです。
中国の諜報活動については、このメルマガでもことあるごとに触れてきましたが、悠久の歴史とともに育まれてきた中国文化のひとつです。
2020年の三菱電機などが攻撃された際、当時の河野太郎防衛大臣は、「不正アクセス事案はやはりしっかりと公表すべきだ」として、被害を受けた企業名を公表しました。素晴らしい判断だと思います。
日本はもっと透明性を持って行政にあたるべきだと思うと同時に、中国の諜報活動にはもっと積極的に対抗すべきです。さもなくば、日本はやられ放題だからです。やはりここでも日本政府および日本人はもっと危機意識を持つべきです。
戦後日本の弱点は、スパイ法がないことです。中国のハッカー集団は、中国政府統制化の「人民解放軍」所属ハッカー集団であり、ネット上で世論操作を行う「五毛党」のほとんどが政府役人となっています。
日本の国家安全保障について、野党議員らが関心がないことは見てわかりますが、与党にしても決して褒められたものではないことは、前項のように中国に甘い態度を貫いてきたのが、ほとんど自民党政権だったことからも伺えます。
だからこそ、国民の目がしっかりとこの問題を注視して、政治家たちに喚起しなければならないのです。