【相良)面白いのはロシアで、接種率が3割くらいにとどまっているようです。この前報道がありましたが、ロシアはスプートニクVという国産ワクチンをつくったのですけれども、接種が進んでいない。これは国民の政府への不信感もあるようです。ロシアの場合、ワクチンはつくるよりも打つ方が難しいという状況のようです。】
☆ 民主主義指数=3のロシア政府の政策に対して、ロシア国民の対策=不信感=の事例か>
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どのように「ワクチン・検査パッケージ」を社会実装するか
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月28日放送)にAPI主任研究員の相良祥之
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研究分野は国際公共政策、国際紛争、新型コロナ対策やワクチン外交など健康安全保障、経済安全保障、制裁、サイバー、新興技術。慶應義塾大学法学部卒、東京大学公共政策大学院修了。
これまで国連・外務省・IT企業において国際政治や危機管理の実務に携わってきた。国連ではニューヨークとスーダンで勤務しアフガニスタンやコソヴォでも短期勤務。
2005年から2011年まで株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)にて事業開発を担当。
2012年から2013年まで国際協力機構(JICA)農村開発部にて中南米カリブ地域の農村・水産開発案件を担当。
2013年から2015年まで国際移住機関(IOM)スーダンにて選挙支援担当官を務めたのち、事務所長室にて新規プロジェクト開発やドナーリレーションを担当。ダルフールなど紛争影響地域における平和構築・人道支援案件の立ち上げや実施に携わる。
2015年から2018年まで国連事務局(NY本部)政務局 政策・調停部。ナイジェリア、イラク、アフガニスタン等における国連平和活動のベストプラクティス及び教訓の分析・検証・部内広報を担当。
2018年から2020年まで外務省アジア大洋州局北東アジア第二課で北朝鮮に関する外交政策に携わる。佐藤栄作記念国連大学協賛財団第27回「佐藤栄作賞」優秀賞受賞。
著作に「危機管理としての日本のコロナ対応」『アステイオン』第94号(2021年5月)、『新型コロナ対応・民間臨時調査会(コロナ民間臨調)調査・検証報告書』(共著、2020年10月)など。
担当プロジェクト:「新型コロナ対応・民間臨時調査会」「日米軍人ステーツマンフォーラム(MSF)」
https://apinitiative.org/experts/
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が出演。新型コロナワクチンの5~11歳への接種について、承認申請に向けてファイザー社と政府が協議を進めているというニュースについて解説した。
〇5~11歳の接種、承認申請に向け協議
米ファイザー社は新型コロナウイルスワクチンを日本でも5~11歳の子どもにも接種できるよう、日本での承認申請に向けて政府と協議していることが判明した。
飯田)新型コロナに関して、ワクチンを子どもに打つ、あるいは3回目の接種についても出て来ています。どうご覧になりますか?
相良)国民の7割以上がワクチンを接種しているという、高い水準まで来ました。重症化予防、あるいは発症予防の意味でも、効果が出て来ているのだと思います。感染を抑えるためには、子どもにもワクチンを打っていただくことが必要だと思いますが、お子さんの場合ですと安全性がより気になるという問題があり、これまでの状況とは違うと思います。
〇国産ワクチンへの不信から接種が進まないロシア
飯田)アメリカでは治験等々もやっているということですが、各国を見ていると、まだワクチン接種率の伸びがそこまででもないという国は、新興国などではかなりあるようです。その辺り、どうやって国際的な枠組みでやって行くかということが言われています。他方、いろいろな国でワクチンをつくっているではないですか。しかし、つくっているワクチンが国内でどこまで打てるかということも問題になっているようですね。
相良)面白いのはロシアで、接種率が3割くらいにとどまっているようです。この前報道がありましたが、ロシアはスプートニクVという国産ワクチンをつくったのですけれども、接種が進んでいない。これは国民の政府への不信感もあるようです。ロシアの場合、ワクチンはつくるよりも打つ方が難しいという状況のようです。
飯田)かつて自国通貨のルーブルよりも、タバコのマールボロの方が信用されたという話もありました。いろいろなことを国民が経験して来ただけに。
相良)政府への信頼と、ワクチン接種のスピードが関係して来る。日本がこれだけ早く打てたというのは、政府や地方自治体、医療従事者の方々など、みんなが頑張って取り組んだ結果だと思います。
〇「ワクチン・検査パッケージ」 ~どのようにして安心安全に経済を開い=活性化して行くか
飯田)次の局面として、ワクチンが普及したなかで経済を回=活性化したり、社会生活を営む上でどうして行くかという、新しい基準や分科会のありようなども考えて行かなければならないですよね。
相良)分科会が提言している「ワクチン・検査パッケージ」を、どう社会実装して行くのか。そこがこれからの課題になると思います。どのようにして安心安全に経済を開いて=潜伏期間中の第6波新型コロナウイルスの顕在化と襲来に対して、予防と治療体制を整備した安全な社会環境下で、日々の幸せの暮らしを営んで行くかというところですよね