H.J.Heinz社の創業者であるヘンリー・ジョン・ハインツは、1844年10月11日、アメリカのペンシルバニア州ピッツバーグで、煉瓦工場を経営する父親と、家庭菜園を営む母親の長男として生まれました。決して子供を甘やかすことのなかった母親の影響を受け、ヘンリーは幼い頃から母親の菜園で収穫した野菜を売り歩き、生涯にわたって従事した食品事業の基礎を身に付けていくのでした。
生まれながらに商才が長けていたヘンリーは、12歳になる頃には家庭菜園を拡大し、収益の一部を馬や馬車に投資することにより、家族により多くの収入をもたらしました。その後、15歳になったヘンリーは、売れ残った野菜を無駄にしないよう、瓶に詰めて保管することを考えます。
ヘンリーが暮らす西部ペンシルバニア地方は、上質のホースラディッシュ(西洋わさび)の栽培に適した環境。各家庭で余剰となったホースラディッシュは、常備食用として緑色の瓶に詰められ販売されていましたが、ヘンリーはこの「緑色の瓶」に疑問をもちます。濃い色の瓶では製品の純粋さを伝えることができない、と考えたのです。実際に、当時の瓶詰め西洋わさびは、材料として他の野菜が代用されたり、着色料・防腐剤が添加されることがありました。
ピュアな製品作りにこだわったヘンリーは、製品にごまかしが無いことを証明するため、中身が良く見える透明な瓶に西洋わさびを詰めて販売しました。当時でも自然なもの・純粋なものへの共感は大きく、ヘンリーの西洋わさびは消費者に大好評を持って受け入れられました。
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