大腿骨骨折は、特にシニア女性にとって恐ろしいけがだ。
一瞬にして日常生活が奪われ、筋力が戻らず、そのまま寝たきりに陥る人も多い。
緊急手術を乗り越えた上皇后美智子さまはすぐに厳しいリハビリを開始されるという。
もう一度立ち上がり、日常を取り戻すために。
快復への祈りの病室を緊急レポート。
美智子さまは10月8日、東大病院(東京・文京区)で「右大腿骨上部の骨折」の手術を受けられた。
「10月6日夕方に仙洞御所内で転倒され、翌7日になっても強い痛みがあったため検査したところ、右脚の大腿骨上部の骨折が判明しました。
病院には上皇さまも駆けつけ、美智子さまとご一緒に検査結果を聞かれました。美智子さまの手術へのご不安は大きく、上皇さまは励ましの言葉をかけられたといいます」(宮内庁関係者)
折れた骨を接合する手術は早朝5時に始まり、約2時間で終了。
今後は体調を見ながらリハビリに取り組み、1〜2週間入院される見通しだ。
10月20日に、卒寿(90才)を迎えられる美智子さま。
お祝いの日は病室でお迎えになることになりそうだ。
転倒前日の10月5日、上皇ご夫妻は東京・港区のホールで、長年親交のあるピアニストの小山実稚恵さんのコンサートを鑑賞された。
「小山さんは、2009年の上皇さまの即位20年を祝う式典や、今年7月のご夫妻の卒寿を祝う音楽会で演奏するなど、ご夫妻の古くからの友人です」(皇室記者)
上皇さまが退位されてから丸5年以上が過ぎ、美智子さまはゆとりのある日々を過ごされてきた。
一方、美智子さまのご体調には、常に不安が頭をもたげていた。
「かねて、頸椎症性神経根症による肩や腕の痛みやしびれに悩まされていたうえ、4年ほど前からは原因不明の微熱が続いています。
時折、美術館やコンサートにお出かけになったり、静養のため遠方まで足を運ばれることがありましたが、歩くスピードは格段にゆっくりになられていました」(前出・皇室記者)
そうしたお体の不調が、長年の習慣をも妨げてしまったのだろうか。
「健康維持のため、美智子さまは上皇さまとご一緒に、赤坂御用地内の散策を毎朝の“健康習慣”としていらっしゃいました。ところが最近、散策をお休みになることがたびたびあったというのです」(別の宮内庁関係者)
加齢による衰えは、誰しもにやってくるもの。
長年、皇太子妃、そして皇后というお立場で自らを律し、厳しくお務めを果たされてきた美智子さまは、さらに長年のご無理もたたっていらっしゃるだろう。
90才を目前にしたタイミングでの大けがは、今後美智子さまに苛酷な日々を強いる。
湘南鎌倉人工関節センターの副院長・三原政彦医師が解説する。
「高齢者、特に70才以上の女性は骨粗しょう症になっていることも多く、大腿骨の骨折を起こしやすいといえます。
骨折の原因は転倒がほとんどですが、少し脚をひねっただけで骨折してしまうケースもあります」
国内の発生数は年間20万人ほどとされており、割合としては女性が4分の3を占めるという。
今回、美智子さまはけがをされてから2日後には手術に踏み切られた。
その“スピード感”は、高齢の患者特有のものでもあるという。
「大腿骨近位部の骨折を起こすと疼痛で歩行が困難となり、歩かないまま寝ているとすぐに筋力が低下し、そのままでは寝たきりになります。
そのため、一般的にはなるべく早期に手術を行います。
そうすることで、筋力低下はもちろん、肺炎や床ずれなどの合併症の確率を下げられます。
骨折部位や転位(ズレ)の程度によって手術の種類は異なりますが、通常は骨接合術か人工骨頭置換術、人工股関節置換術が行われます」(前出・三原氏)
一説には、1日ベッドの上で安静にしているだけで、1〜3%筋力が低下するとされる。
海外のデータでは、大腿骨骨折から1年後には、6割が移動や食事、排泄といった日常生活動作のどれかができなくなっていたという。
それを防ぐため、美智子さまが臨まれるリハビリは壮絶だ。
「一般に、手術をした病院での入院期間は2〜4週間程度で、その後は自宅で訪問リハビリなどを続けるか、リハビリ専門病院へ転院します。
リハビリ病院での入院期間は1〜3か月程度。ベッド上座位訓練、車椅子への移乗から開始し、平行棒や歩行器を使った訓練などを続けていきます。
骨折により、たった数日間でも動けない日が続くと筋力が一気に低下し、回復までにはその何倍もの時間がかかるため、根気強く取り組まなければなりません。
術後半年ぐらい経ったところである程度痛みなどの症状は落ち着きますが、
骨折する前の歩行状態にまで回復することができる人は半分以下。
多くの方は、骨折前よりも歩行機能が低下するなどの影響が残ります」(前出・三原氏)
■小室眞子さんが帰国する可能性
それでも美智子さまは、前向きにリハビリに取り組まれるに違いない。
「決して長くない“残された時間”を少しでも有意義に使われたいという思いではないでしょうか。ご夫妻と長年交流のあった同世代のご友人たちは、1人また1人と鬼籍に入っています。
ご夫妻のキューピッドとされたテニス仲間の織田和雄さんも、一昨年に87才で亡くなるなど、“お別れ”の機会が増えています。
“もう時間がない。会えるうちに会っておかないと”という焦りにも似た思いは強いでしょう」(皇室ジャーナリスト)
前述した小山さんのコンサート鑑賞も、その1つだったのかもしれない。そして、その最たる相手は、遠くニューヨークで暮らす小室眞子さんだ。
「美智子さまにとって、眞子さんは目に入れても痛くない初孫です。
眞子さんが2才を過ぎる頃まで同じ赤坂御用地で暮らされていたので、祖母と孫として過ごす時間も長く、日々の成長をつぶさにご覧になって、かわいがっていらっしゃいました」(別の皇室記者)
だがその眞子さんは、2021年に小室圭さんと結婚し渡米して以降、一度も帰国していない。
「眞子さんと秋篠宮ご夫妻は、没交渉の状態が続いています。
ただ、眞子さんの渡米から時間が経過し、その間に小室さんが弁護士資格を得て仕事を本格化させるなど変化があった。
美智子さまの苦境を受け、眞子さんが帰国する可能性はあるでしょう」(前出・別の皇室記者)
その日を美智子さまは心待ちにしている。
「眞子さんに会うまでは……というお気持ちでしょう。そのために、どんなに苦しいリハビリでも、美智子さまは必ず乗り越えられるはずです」(前出・別の皇室記者)
孫への思いを胸に、美智子さまは困難に立ち向かわれる。
※女性セブン2024年10月24・31日号
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