[シンガポール/北京 1日 ロイター] - 中国の国有エネルギー巨大企業は今年、国内での掘削関連投資を2016年以来最高の水準にまで拡大し始めている。国内供給の強化を目指して一斉に動く中、焦点となっているのは新たな天然ガス田の発見だ。
習近平国家主席が昨年8月、国内エネルギー安全保障の強化を呼びかけたことに応えて、中国の石油大手3社である中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)、中国石油化工(シノペック)、中国海洋石油(CNOOC)は、数千本もの試掘井を新設している。舞台は、国内北西部の新疆ウイグル自治区に広がる人里離れた砂漠地帯の油層、南西部四川省のシェール層、そして南シナ海の深海油田だ。
各社ともこれまでよりもリスク選好を強めており、投資拡大のペースは実際の生産よりも探査分野の方が高くなっている。国有石油会社の幹部やコンサルタント会社ウッド・マッケンジーのアナリストらによれば、こうした強気の裏には中国政府の政治的な後押しや1バレル60ドル(約6600円)近い石油価格があるという。
「国内で探査・開発を拡大し攻勢に出ようという国務院の呼びかけを、私たちは断固として推進する」との王宜林ペトロチャイナ会長の言葉を12月の社内報は引用している。
海底油田を専門とするCNOOC(0883.HK)は先週、2014年以来最高となる今年の投資目標の実現に自信を持っているとし、国内探査事業に2016年の2倍の投資を行うと宣言した。
CNOOCの袁光宇最高経営責任者(CEO)は先週、「石油価格が50ドル、60ドル、70ドルであれば、まずまずの利益を上げている」と述べた。
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