A Moveable Feast

移動祝祭日。写真とムービーのたのしみ。

大つごもり6

2007年12月31日 | その日その日
 晴れた冬の日は、幾何学的で単調なビルのデザインも斜光で魔法がかけられたように新鮮になり、ビル街を撮り歩くのに向いている。まして暮れで人がいないので8X10にはもってこいだ。
 というわけで8X10の装備を引いて、朝の六本木、西新宿を歩いた。「何を撮ってるの」と2度ほど声をかけられ、冠布の中のピントグラスを覗かせてあげた。「上下反対に映ってるねえ。これで分かるの?」「分かるんですよ。はなから反対だと思ってかかりゃいいんですから」暮れでみなさんゆったりした気分になっているので、知らない他人とも話をしたくなっているのに違いない。
 夜中に電話がかかって来ていたので、夕方仕事場にチェックのために顔を出し、ちょっと仕事。働くだけじゃ、つらいけど、それを必要としている人もいる。まっ、暮れ正月でも働いている人間はいるのだ。帰り際にSさんが「大丈夫です」と云ったのに対し、自分はニヤニヤしたらしい。「何ですか」というので、「イヤ、Sちゃんの、大丈夫はあてにならないって、暮れに誰某が言ってた」と憎まれ口をきいた。イケナイなあ。
 帰り際に「よいお歳を」と、若いのと古いのとで一斉に云われた。
 TVをつけると勝手に時間を吸い取られて行くので、今晩はつけないままだ。その方が、大晦日らしい時間の流れを感じて、ありがたい。
 昨日のNさんの話。クリスマスに子供にプレゼントを買ったのだけど、母子家庭で忙しいので3日前に買い置いて、当日まで開けちゃダメよと娘に言った。小学校2年生の女の子が、その箱を開けないで3日間抱いて寝たそうだ。「ママ、3日たったら、これ開けられるんだよね」、「明日は開けられるんだよね。うれしいな」と言って3日を過ごし、当日はおばあちゃんの家に行くことになっていたので、「おばあちゃんの家で開ける。ありがとう」と言って出かけたという。
 ええ子やなあ。

 明日にかけて北陸では積雪80cmの大雪という天気予報が出ている。八尾はもう積もり始めている様子。行ってみたいなあ。

暮れの一日

2007年12月30日 | その日その日
朝、晴れていたが、昼過ぎに急に暗雲が広がり、雨が降った。それも長くは続かず、夕方には、空はフレアーがかった光に満たされた。
夜新宿で遅くまで会食。驚いたのは、Nさんの話。高い所が苦手という話から、東京タワーへ昇ると揺れて怖いという話になり、東京タワー下の南極観測隊のタロ、ジロの銅像は、渋谷のハチ公の銅像を作った作者と同一人物であるという話になった。戦前戦後の名犬である。
そこでNさんが「ハチ公って、江戸時代の犬じゃなかったの」とポロリとおっしゃったのだ。みんな目がテンになった。二児の母Nさんは、この年(推定、椿四十郎)まで、ハチ公は江戸時代の忠犬と思っていたのだった。Nさんは、祖母は日本橋の出で、先祖の墓は代々谷中墓地にあって、常々「あたしは江戸っ子よ」とおっしゃっているのだった。
それにしてもどこでどう間違えて、ハチ公=江戸の忠犬という思い込みになったのだろう。そういうそそっかしいところが、この人がわわいらしく、人気のある所なのであるが。
新宿から虎ノ門のホテルまでタクシーに乗った。道がすいていて、車がすいすい走れ、非常に気持ちよし。車の少なさで実感する年の暮れ模様なり。

ソフィテル東京消滅

2007年12月30日 | その日その日
菊竹清訓の設計したメタボリズム建築のホテル、ソフィテル東京が、去年12月に営業停止し、解体が行われていた。この年末で完全に姿を消したようだ。
ありし日の姿を35mm、8X10で撮影し、消滅した後をハーフサイズで撮影したことになる。
※フィルムの巻き取り方向を考えず撮影してしまい、画面が繋がらなくなってしまった。右から左にパンして撮ったらよかったのだ。

昨夜で年末の仕事は終了したが、正月にも仕事に出るし、4日間休むだけなので、ありがたみは中くらいなり。メーカーさんで9連休などと聞くと、うらやましいより、景気が悪いんだなと思ってしまう。