A Moveable Feast

移動祝祭日。写真とムービーのたのしみ。

「チョートク、ブレッソンを語る」

2007年06月30日 | その日その日
 蒸し暑く梅雨っぽい一日。

 朝から職場で、ホワイトボードに、1時間早く早退する旨を書いて置いた。ところが、時間になってこっそり出かけようとすると、テキにからまれた。
「今日は曇り後雨だから、写真なんか撮れませんよ」
「ひとりでばかり出かけて。たまには連れてってください」
「イヤ・・・だ」
「もっとやさしく断ってあげなきゃダメじゃないですか」
「イヤ・・・です」
「どこに行くんですか。行き先も書いてください」
「おみやげ、ね」
こんなイヤミを云われながら、竹橋の国立近代美術館で開かれるチョートクさんの講演を聞きに出かけたのだった。

 1時半に着いたのだが、150席がすぐに満席になった。2時にチョートクさんが現れ、「チョートク、ブレッソンを語る」と題し、いろいろ脱線しながら、興味深い話を話された。
 田舎の銀行の副頭取のようなブレッソンが、2.5mの至近距離からライカDIIを縦位置に構えて、すれ違いざま、50mmレンズでスナップを撮るという鮮やかなイメージ。被写体は止まった人間だという指摘。レンズのヘリコイドの距離目盛りにマニュキュアで記しが付けてあり、手探りで距離を合わせるという秘密。

 写真は、わたしの左後ろの席の「着流しライカ」の人(年配の方なのだが、ライカ・コスプレなり)が、ビゾフレックス付きライカを持っているのを、目ざとく見つけて、壇上から降りてきて、それを手に取ったチョートクさん。ブレッソンは人に写真を撮られるのを嫌ったそうだが、チョートクさんは、肖像権フリーと自ら云われたのでここに掲載した。

 講演が終わって、エレベータのところで、Satoboさん、Tarningさんに会った。
「ブレッソンは嫌いだといってたくせに」といきなりつっこまれた。
「ここでそんなこといっちゃだめですよ」(阪神の応援団の中にいる巨人ファンみたいなもんなので・・・)
「ブレッソンはね、音楽でいうクラッシクなんだから」

人力の深山渓谷2

2007年06月29日 | その日その日
 70年代のある時期、よく暇つぶしに、聖橋の上から、電車が交差して走る様やプラットフォームの風景を眺めていた。電車を眺め飽きたら、次は神田の古本屋街に行き、それも飽きたら、飯田橋の佳作座へ3本立て350円の映画を見に行った。何しろ時間だけは有り余るほどあった。
 今このあたりを歩くと、青春の残骸を鼻先に突きつけられるような気がする。切り離したトカゲのしっぽが賑やかに動いているといった感じだ。
 その頃は、お茶の水の深山渓谷が全く人工的に掘削したものだとは知らなかった。神田川の両側の大学やビルが新しくきれいなものに建て変わってゆくのは結構なことかも知れないが、お茶の水駅が全面改修工事になったら、もうあまり行きたくないかもしれない。

 e-mobileのUSB接続のものをゲット。Macにも対応していて、速いし快適なり。