A Moveable Feast

移動祝祭日。写真とムービーのたのしみ。

プリント作業終了

2009年08月30日 | 8×10を始めよう
昨日八丁堀のヒットオンで最後の(?)プリント。4時間。
今回はトータルで18時間、大全紙で120枚プリントした。
なにしろ後片付けをしなくていいというのは、すご~くありがたい。
林さんにはお世話になりました。DMはすでに届いていたが、自分の分30枚を置かせていただく。
「迫力あるよ。われわれだといろいろ覆い焼きをしたりいじるじゃない。あまりそれをやらないで、ストレートに焼いてるでしょ。それが力強くて、いいですよ」というのは、はたして褒められたんだろうか?最初からテクはないのだが・・・。
というようなプリントになっています。
今年は人生最大の納税をしなければならず、ピンチの年。そのため写真展もすべて自分でやってコスト削減といいうのがテーマであった。
「風の盆」までにプリントを終了して置くという目標はなんとか達成。
これで心置きなく八尾に行ける。

八尾地形図(8)

2009年08月28日 | 越中八尾 おわら風の盆
諏訪町<すわまち>

 鏡町から上新町と諏訪町の平行するふた筋の通りに分かれ、坂道はさらに尾根筋を登って行く。諏訪町の一直線に長く続く坂道が、八尾を代表する風景である事は否定しようがない。通りは敷石で舗装され、電柱もすべて撤去された。近年は両側の町家が公的な援助もあり、新しく美しいものに建て代わった。それは、もとからある八尾の建築様式でないとはいうものの。
 この通りは風の盆の間は、いつも人出でいっぱいで、立錐の余地もない。人ごみの中からちらっと見るのが精一杯だ。観光客はこの通りで行われるおわらこそ本物のおわらなのだと信じてやって来て、人ごみを我慢しつつ、それを一瞥してやっと安心して帰って行くのである。
 深夜には、諏訪町だけでなく、上新町や、鏡町の一行がこの通りを下って来る。あまり込まない日にあたって、沿道からそれをゆっくり眺められたり、いっそ地方の尻に付いておわらを聴きながら歩く事ができれば、それはしあわせな体験だ。
 諏訪町は、唄や三味線、胡弓の名手を生んだ町である。自分は、深夜の町流しが始まる時、坂上に人が三々五々集まって来る様子を眺めるのが好きだ。踊り手は菅笠を被らずに坂を上って行く。地方は、まるで鉢植えの花を買った人のように、三味線の胴を抱き、竿を肩に持たせかけて歩いて行く。女将が盆に酒を乗せて現れ、みんなに振る舞い、ねぎらう。古い唄い手や、地方衆が、一杯引っ掛けて、「○○さん、まだ油が足りないんじゃないの」などと冗談を交わしている。和服の女性が、団扇で地方衆に風を送っている。みんな町流しの開始の頃合いをはかっているのだ。
 どの町で夜明けの散会を迎えても、それぞれ印象深い経験になるが、諏訪町の夜明けは、坂下に月が浮かび、坂上の黒々とした山の背景が明るくなって来る。それは一度見たら忘れられない夜明けである。

八尾地形図(7)

2009年08月27日 | 越中八尾 おわら風の盆
鏡町<かがみまち>
 
 今町と鏡町は八尾の町の仕切り地をなしている。鏡町の大部分は、メインロードから井田川の方面へ一段さがった崖下の町で、唯一花町があった界隈だ。西町や東町の旦那衆が銭を掬って、この町に通い芸事に明けくれたと言われている。つまり上方の文化が流れ込み、蓄積され、おわら誕生の土壌を生んだのがこの町だったのだろう。
 曳山会館の展示に、昭和初期の鏡町繁盛図がある。それを見ると、喜良久(和泉屋)、若松、日進楼、杉下楼、牛丸楼、明光楼、林松楼、置屋、検番の他、八尾劇場(明治座)、末広亭、宮田写真館、鏡町公会堂、タクシー、小料理、菓子、大工、八百屋、アンマ、鶏肉屋、夜なきそば、木地屋、仕立屋、薬、化粧品、釣り堀、魚屋、煙草、左官、玉突、蚕種屋、蚕具、隔離所、よもぎ製造、倉庫、製糸場、繭乾燥場、ボイラー、石炭カス捨場、綿打工場などの名が見られる。劇場まであったことが、今では想像しにくいが、非常に賑わった町だったことが分かる。
 今残っている現役の料亭は、北吉だけだが、他に昔料亭だった杉風荘に入ることができる。花街というのは、消える時には、ほとんど痕跡も残らないように消え去るものだと思う。路地だけがそのにおいを残す。
 おたや階段の下は、崖下の広場になっている。正面に昔の会所を残し、周囲は町家に囲まれているので、野外劇場のような構造になっている。風の盆の本番では、広場がぎっしり人で埋まり、おたや階段と町家の二階からも見下ろす形になるので、シェイクスピアのグローブ座のようなものだと思った。大人気なのは言うまでもない。
 崖上にあった「おたや(御旅屋)」は、よく分からないが、聞名寺に参詣する旅人の宿の案内をしていた所だろうか。違うかもしれない。博学の方の教えを請いたいところである。
 1976年のNHKの新日本紀行に「風の盆」の回があり、それが鏡町を扱っていた。当時16mmで撮影されているが、デジタル化したアーカイブズを、埼玉県西川口のNHKの施設で見ることができる。70年代の八尾の町や、まだあまり込み合わない風の盆の様子が見られるし、女性の髪型や服装も懐かしい。
 鏡町の女性の衣装は、大人っぽい紫の雲の絵柄。胡弓の名手の町だ。深夜の鏡町の路地を、「よーい、よーい、よーい」と流す時は、ちょっと怖い。崖下の独特な雰囲気とも相まって、冥界に引きずり込まれる感じがする。諏訪町の通りまで町流しが遠征するので、これもたのしみにしている。

ARRI Standard Mount-M 4/3

2009年08月27日 | デジタル
arrifrex 16stで使っていたプライムレンズが4本ある。
カール・ツアイスの、Distagon 8mm/F2、24mm/F2、Sonnar 85mm/F2と、シュナイダーのCinegon 10mm/F1.8。
Cマウントレンズがマイクロフォーサーズのデジカメにアダプターで着くというので調べていたら、映画用のアリ・スタンダード・マウント、PLマウントなどあらゆるレンズにマウントアダプターが発売されている。便利な世の中になったものだ。
16mmシネフィルムの方が、M4/3よりイメージサークルが小さく、フランジバックも短い。だからCマウントアダプターは、ボディ側にめり込むように装着され、一部のレンズは周辺が大きくケラれるものもあるようだ。アリ・スタンダード・マウントは、そのへんに余裕があるので、こっちのマウントアダプターをebayで注文した。
M4/3 カメラは、アダプターが届いてから入手する予定。カメラとしては、オリンパスのE-P1の方が好みだけれど、動画の扱いを主に考えると、パナソニックのGH1の方が一日の長がありそうだ。悩ましいところである。

http://www.hayatacamera.co.jp/article/photo200901.html
http://cgi.ebay.com/ws/eBayISAPI.dll?ViewItem&item=320408019752&_trkparms=tab%3DWatching#ht_3730wt_1167

八尾地形図(6)

2009年08月22日 | 越中八尾 おわら風の盆
西町<にしまち>
 西町はふたつの顔からなっている。町家の並ぶ西町筋の表通りと、裏手の井田川を望む石垣の崖である。どちらも八尾を代表する風景となっている。
 表通りを歩くと、上野青果店、たこやき清水、福鶴酒造、(石垣へ下る道1)、西町公民館、おけく時計店、(東西通路1)、宮田旅館、末広屋、(石垣へ下りる道2)、大井歯科医院、(東西通路2)、プロパンガス屋とたどり、福井呉服店で鏡町の御旅屋へ至る。町家の建物がなくなり、今風の建物となっていても、地図で見るとよく分かるが、その構造は間口狭く、奥に長い、昔の敷地をそのまま読み込んで成り立っている。間口が狭いのは、どこでもそうだが、間口の幅によって税を取られたためで、商家はみんなこの形になった。
 最後まで残っていた西町の公民館は今年新しく建て変わった。前の建物が好きだったので、個人的には残念だが、一度だけ二階に上がり込んだことがあり、それでよしとすべきか。宮田旅館さんは、八尾にある唯一の旅館。風の盆の時期は、十年先まで予約が入っていると言われているが、普段の時期には大丈夫のようだ。一度だけ正月明けの頃に泊まったことがあって、翌朝は雪景色であった。「おけく時計店」の謎は未だ解けず。「おけく」って何だ??
 井田川の対岸から見ると、石垣の上には、四、五階建ての細長い町家が立っているので、城郭の上の櫓のように見える。聞名寺の大屋根から禅寺橋にかけての、石垣の上の西町をスイング・パノラマカメラで撮影したことがあった。八尾はパノラマのよく似合う町である。
 西町の町流しは、西町筋でおわらをやった後、福鶴酒造を右に折れて、石垣を下って行き、井田川にかかる禅寺橋へ向かう。急いでこれの前面に回り込むと、石垣の町家を背景に、一行の全体が捉えられる。
 西町の踊り手さんはかわいい町っ子が多く、それだけファンも多い町になっている。衣装は小豆色の地に、亀甲のすそ模様で、これも印象に残るものである。深夜に各町の若い踊り手だけが、西町の公民館前に集まり、おたがい演舞を見せ合っている場面を見たことがあった。日中の演舞とは別物の、若いエネルギーが爆発するような光景であった。

「風の盆」前夜祭始まる

2009年08月21日 | 越中八尾 おわら風の盆
8月20日
1年が経ち、とうとう始まってしまった。
今晩は晴れだし、今頃は、もう八尾でおわらが響いているはず。
今年の前夜祭は鏡町からのスタート。おたや階段が人で埋め尽くされている光景が思い浮かぶ。カメラ屋さんの○○ちゃんも踊っているだろうか。
おわらwatcherの中には、19日からすでに詰める人がいるので、明日香もきっと常連客で賑やかなことだろう。
はやる気持ちを抑えつつ、本番に行けるように準備が必要。ちょっと歯車が狂えば行けなくなることだってあるのだ。新型インフルに罹っちゃいられない。
ネットで検索すると、富山市内のホテルの予約がまた取れるようになっている。キャンセルが多いのだろうか。例年にないことだ。
おわらのCDを聴きながら。

平成21年の「おわら 風の盆」前夜祭の日程(PM8~10時、雨天中止)
http://www.city.toyama.toyama.jp/yatsuo/nourin/owara/guidan00.htm

8月20日(木) 鏡町   鏡町通り
8月21日(金) 天満町  天満町通り
8月22日(土) 東新町  若宮八幡社広場
8月23日(日) 東町   東町通り
8月24日(月) 下新町  下新町通り
8月25日(火) 西新町  西新町通り
8月26日(水) 今町   今町通り
8月27日(木) 上新町  上新町通り
8月28日(金) 福島   ふれあい広場・駅前通り
8月29日(土) 諏訪町  諏訪町通り
8月30日(日) 西町   西町通り