晩秋の巾着田の見どころは、赤から緑一色に変わった「曼珠沙華公園」だけではありません。
マンジュシャゲが群生する曼珠沙華公園は、巾着田の土手の外周の高麗川の岸に沿って伸びています。一方、土手に囲まれた内側は、広々とした平地(もともとは、巾着田という名称の通り全部が水田でした)になっていて、今は、その一角にコスモス畑があります。
花畑のコスモスは、マンジュシャゲと違って自生ではなく観光用に植えられたものですが、それでも満開に咲き誇る光景は、壮観で、心洗われる清々(すがすが)しさがあります。
マンジュシャゲの花が「太陽」を連想させる情熱的な原色の「赤」であるのに対して、コスモスの花は、白、ピンク、紫など、いかにも穏やかです。葉も茎も細く、立ち姿もまことに「か細い」感じです。人間には分からないような微風にも、ゆらゆらそよいで、まさに「繊細」としか言いようがありません。
訪れる人もめっきり減った巾着田ですが、今日は若い夫婦が赤ん坊を草の上にお座りさせて、あやしながら、コスモスをバックに記念撮影をしていました。自然の中で、赤ちゃんも心地よいのでしょう。キャッ、キャッと声をあげて、ご機嫌です。「ハッピー・バースデイ」と書かれた小道具が見えて、どうやら1歳のお誕生日のようでした。
「おめでとう!」。 心が和(なご)む、いいシーンに出会えました。
(写真上)© 絞り風のピンクの花
(写真上)© 花畑の中の小径(こみち)を、自由に散歩することができます。
(写真上)© コスモスも自由を謳歌しているかのようです。
(写真上)© 広々とした開放感が味わえるのも、巾着田だからこそ。
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