園芸関係の雑誌だったでしょうか、「一度見たら、忘れられない花」と書いてありました。
まさに、その通り。花には、すべてそれぞれの美しさがありますが、ミヤマオダマキの造形美は別格です。
ミヤマオダマキ。漢字で書くと「深山苧環」。苧環(お・だまき)は、糸繰り車(糸車)のこと。たしかに似ています。(下の写真参照)
構造的には、雄しべと雌しべを囲む、中央の先の白い筒状の5枚が「花弁(花びら)」。周囲に広がる紫色の5枚が「咢(ガク)」。そして、咢の後ろの釣り針状の5本の突起は「距(キョ)」というのだそうですが、この「距」こそが、ミヤマオダマキの「一目見たら忘れられない」ユニークな造形美なのです。
わが家では、庭の地植えの花から採取した種をプランターに蒔(ま)いて育てたミヤマオダマキが、今月、2年越しに花を付けました。いい具合に、花の3段階が同時展開している茎がありましたので、写真に収めました。①これから開くつぼみ ②満開状態の花 ③花が散った後にできた子房 の3つがセットになって一本の茎に付いています。
花は、初めは恥ずかしそうに下向きに開き、少しずつ顔を上に向けて大きく開いていきます。
西洋では、オダマキの花言葉の一つに「愚か」というのがあるそうですが、こんな可憐な花に「愚か」という意味を持たせた人こそ、愚かというべきですね。
(写真上)© ミヤマオダマキ(地植え) 花弁(中央の白い筒状)とガク(周囲の5枚)
(写真上)© ミヤマオダマキ 距とガク
(写真上)© ミヤマオダマキ 距とガク
(写真上)© ミヤマオダマキ 同上
(写真上)© ミヤマオダマキ(地植え) 上から距、ガク、花弁
(写真上)© ミヤマオダマキ(地植え) 同上
(写真上)© ミヤマオダマキ 一本の茎に 左から満開の花、子房、つぼみ。
(写真上)© ミヤマオダマキ 同上。子房の中に、これからたくさんの黒い種ができます。
(写真上 ©)ミヤマオダマキ(地植え) まだうつむき状態ですが、だんだんと上を向いてきます。
(写真上)© 最後に、あらためて正面から。
(写真上) 参考までに、糸繰り車の「苧環(おだまき)」。この写真は、WEBサイト「語源由来辞典」からお借りしました。「オダマキ」の意味・語源・由来を解説 - 語源由来辞典 (gogen-yurai.jp)
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