
水俣病で110人追加提訴 与党PTの政治解決を批判
2007年8月28日 19時02分『中日新聞』
水俣病問題の政治解決を拒み、司法での解決を求める水俣病未認定患者らが国と熊本県、チッソに損害賠償を求めている集団訴訟で、同県など6府県の110人が28日、熊本地裁に追加提訴した。1人当たり850万円、計9億3500万円を請求。第9陣の提訴となり、原告総数は計1379人になった。
園田昭人弁護団長は、与党プロジェクトチーム(PT)が検討中の救済案について「(行政責任を認めた関西水俣病訴訟の)最高裁判決を踏まえておらず、根本的な解決にならない」と批判、あくまで司法判断による被害者全員の救済を目指していく姿勢を示した。
新内閣で鴨下一郎環境相が就任したことにも触れ「ぜひ被害者の声を直接聞き、早めに現地を見てほしい」と述べた。(共同)
============
「お客様は難民ではない」ネットカフェの業界団体が声明
2007年8月29日(水)00:30 * INTERNET Watch
お客様を「ネットカフェ難民」と呼ばないで──。最近の報道などでよく用いられるようになったこの言葉について、日本複合カフェ協会(JCCA)が使用を止めてほしいと訴えている。
JCCA はインターネットカフェやマンガ喫茶の業界団体で、加盟企業は8月末で235社、各社が運営する店舗は全国に1,361店ある。JCCAによると、「ネットカフェ難民」についてのセンセーショナルな報道の影響により、風評被害で実際に利用者が減っている店舗もあるという。加盟企業から協会としての公式声明を求める声もあって、7月17日には「いわゆる『ネットカフェ難民』について」という文書をJCCAのサイトに掲載。そもそも「難民」とは「戦禍・政難を避けて放浪する亡命者」だとする「広辞苑」の定義を紹介しながら、「一般社会と隔たりのあるケースにおいて『○○難民』と安易に定義づける傾向を私たちは危惧している」などとコメントしている。
なお、JCCAによれば、深夜にネットカフェを利用する人の中には定職に就くことが難しい人もいることは認めており、地域によってはその数が多いこともあるという。ただし、これを大きな社会問題だとする見方には疑問を投げ掛けるとともに、「お客様は難民ではない」(JCCA)と強調している。
厚生労働省が8月28日に公表した「住居喪失不安定就労者の実態に関する調査」では、ネットカフェなどに寝泊まりしながら不安定就労に就いている人の実態を報告している。この調査にあたっては、JCCAにも協力の打診があったが、「ネットカフェ難民ありき」の調査だとしてJCCAでは協力を断わったという。
============
ネットカフェ難民、全国に5400人…4分の1は50代
定住先がなく、ネットカフェや漫画喫茶で寝泊まりするいわゆる「ネットカフェ難民」は、全国で推計約5400人に上ることが28日、厚生労働省による初の実態調査でわかった。
うち半数は、派遣労働やパートなど不安定な職に就いていた。住所がないと安定した職にも就けない現実を反映している。
厚労省では、「就職と家の確保ができる支援を同時に進めることが必要」としており、来年度予算概算要求に支援策の事業費を盛り込んだ。
ネットカフェなどは、1時間200円前後で利用できるところが多く、一晩過ごしても1500円程度。このため、ネットカフェ難民が若者を中心に徐々に広がっているといわれる。路上生活者よりも実態がつかみにくく、「見えないホームレス問題」とも指摘されている。
調査は今年6~7月に実施。全国3246店舗を対象に平日1日あたりの平均利用者数を聞き取り調査し、東京23区と大阪市では利用者への面接も行った。
その結果、ネットカフェなどを深夜から朝までの時間帯に5時間以上利用する「オールナイト利用者」は、1日あたり約6万900人。仕事で帰宅が遅くなるなど一時的に利用した人が大半だったが、帰る家がないため日常的に使っている「住居喪失者」は推計で約5400人となった。東京が2000人、大阪が900人、名古屋が200人などとなっている。
年齢別では、20歳代が26・5%と最多、50歳代が23・1%で続いた。50歳代は、路上生活をする失業者や日雇い労働者が利用するケースが多いためとみられる。また、男女別では男性が82・6%、女性が17・4%だった。
また、労働形態を調べたところ、派遣労働などの非正規労働者は半数の約2700人で、このうち契約期間が1か月未満だったのは約1700人。平均月収は、東京で10万7000円、大阪では8万3000円だった。仕事をしていない人は約2200人、正社員は約300人などだった。
(2007年8月28日12時48分 読売新聞)
============
*全国で5,400人という数字はあくまで推定だが、これが多いか少ないかは一概には言えない。「ネット難民」と言えば何か新しい社会文化現象ででもあるかのようなイメージへ誘導されるかも知れないが、要はホームレスであり、昔だったら『乞食(お乞食さん)』と呼ばれた人々であろうから、当然そこから「正規雇用」へ辿り着くには相当の困難が想定される。
だが「お客様は難民ではない」という業界団体の抗議は正当そのものと思う。少なくとも『広辞苑』が定義するような従来の『難民』とこの使われ方の間には明らかに大きな隔たりがある。例によってお気楽かつ無責任で軽薄なマスコミのネーミングがここにも露出している。
正規雇用が望めない→アパートが借りられない→職にありつけない・・といった「悪循環に陥る」のだと、これはNHKが8/28日に解説していた。w
大阪にはホームレスが多い。人口比にしたら文句なしに日本一だろう。
「大阪の水は甘い」ということなのか、日本全国から食いっぱぐれた人たちが集中しているかのような印象が私にはある。街を歩けばアルミ缶やダンボールを集めている人たちと行き交うことも日常茶飯事で決して珍しいことではない。文無しでもどうにか食べ物だけはある。
私がときどき行く「トビタシネマ」「飛田東映」という格安の名画座にもアルミ缶の収集で生計を立てている人たちがよく来ている。彼らは自分たちのことをしばしば「労働者」と呼ぶ。確かに彼らは「遊んで」食っているわけではない。
他方彼らとは違って「働く」ことそのものに絶望しているとしか思われない人たちもいる。大概は文字通りの「着の身着のまま」の人たちだ。着る物は慈善団体の人たちが与えてくれるものを、次に何か貰うまでそのまま着ている『着た切りスズメ』である。そういう人たちの中には慈善団体の行ういわゆる「炊き出し」にもあまり熱心に参加しない人もいるから、正直どうやって日々の食料を得ているのかよくわからないところがある。
コンビニの廃棄物を糧とするならまだしも、普通の公共住宅のゴミ箱を漁っている姿もときどき見掛けるからである。
最近私は取材していないが「釜ヶ崎」という有名な貧民街(?)が大阪にあることは今更説明する必要もないだろう。この「釜ヶ崎」という歴史的呼称は今は公的機関によって使用されることはなく「愛隣地区」と呼ばれたりするが、支援団体の人たちはそれこそが差別であるとして、むしろ好んで「釜ヶ崎」という地名を使用する。
「釜ヶ崎」のムービーをYouTubeで以前「日本最大のスラムだ」といって何本か紹介したことがあるということは以前も述べた。
それには「これはスラムじゃない、ゲットーだ」というコメントがついて、他の人も加わってちょっとだけ論争になったこともあるということも。スラムと言えば黒人街、ゲットーと言えばユダヤ人の強制収容所を連想させるから、確かに「釜ヶ崎」をこれらの言葉で表現するのは無理がある。そう思って私は今は単にPoorという言葉を使っているのだということも書いた。私の方はその辺で止まっている。あちゃ。
また涼しくなったらいろいろ取材してみたいという気はある。この夏は一時暑い中無鉄砲に出歩いて熱発・悪寒に襲われたことがあるので・・。

cf.路傍たたずみ見つめている。←それで、ここが最近会っていないけど、以前も紹介した橘さんという路上詩人のサイトです。彼はときどき余裕があるとネット喫茶へ行ってこのブログを書いているようです。彼がこの『ネット難民』という範疇に属する人間なのかどうかは、私の決めることではない。ぁそ。
2007年8月28日 19時02分『中日新聞』
水俣病問題の政治解決を拒み、司法での解決を求める水俣病未認定患者らが国と熊本県、チッソに損害賠償を求めている集団訴訟で、同県など6府県の110人が28日、熊本地裁に追加提訴した。1人当たり850万円、計9億3500万円を請求。第9陣の提訴となり、原告総数は計1379人になった。
園田昭人弁護団長は、与党プロジェクトチーム(PT)が検討中の救済案について「(行政責任を認めた関西水俣病訴訟の)最高裁判決を踏まえておらず、根本的な解決にならない」と批判、あくまで司法判断による被害者全員の救済を目指していく姿勢を示した。
新内閣で鴨下一郎環境相が就任したことにも触れ「ぜひ被害者の声を直接聞き、早めに現地を見てほしい」と述べた。(共同)
============
「お客様は難民ではない」ネットカフェの業界団体が声明
2007年8月29日(水)00:30 * INTERNET Watch
お客様を「ネットカフェ難民」と呼ばないで──。最近の報道などでよく用いられるようになったこの言葉について、日本複合カフェ協会(JCCA)が使用を止めてほしいと訴えている。
JCCA はインターネットカフェやマンガ喫茶の業界団体で、加盟企業は8月末で235社、各社が運営する店舗は全国に1,361店ある。JCCAによると、「ネットカフェ難民」についてのセンセーショナルな報道の影響により、風評被害で実際に利用者が減っている店舗もあるという。加盟企業から協会としての公式声明を求める声もあって、7月17日には「いわゆる『ネットカフェ難民』について」という文書をJCCAのサイトに掲載。そもそも「難民」とは「戦禍・政難を避けて放浪する亡命者」だとする「広辞苑」の定義を紹介しながら、「一般社会と隔たりのあるケースにおいて『○○難民』と安易に定義づける傾向を私たちは危惧している」などとコメントしている。
なお、JCCAによれば、深夜にネットカフェを利用する人の中には定職に就くことが難しい人もいることは認めており、地域によってはその数が多いこともあるという。ただし、これを大きな社会問題だとする見方には疑問を投げ掛けるとともに、「お客様は難民ではない」(JCCA)と強調している。
厚生労働省が8月28日に公表した「住居喪失不安定就労者の実態に関する調査」では、ネットカフェなどに寝泊まりしながら不安定就労に就いている人の実態を報告している。この調査にあたっては、JCCAにも協力の打診があったが、「ネットカフェ難民ありき」の調査だとしてJCCAでは協力を断わったという。
============
ネットカフェ難民、全国に5400人…4分の1は50代
定住先がなく、ネットカフェや漫画喫茶で寝泊まりするいわゆる「ネットカフェ難民」は、全国で推計約5400人に上ることが28日、厚生労働省による初の実態調査でわかった。
うち半数は、派遣労働やパートなど不安定な職に就いていた。住所がないと安定した職にも就けない現実を反映している。
厚労省では、「就職と家の確保ができる支援を同時に進めることが必要」としており、来年度予算概算要求に支援策の事業費を盛り込んだ。
ネットカフェなどは、1時間200円前後で利用できるところが多く、一晩過ごしても1500円程度。このため、ネットカフェ難民が若者を中心に徐々に広がっているといわれる。路上生活者よりも実態がつかみにくく、「見えないホームレス問題」とも指摘されている。
調査は今年6~7月に実施。全国3246店舗を対象に平日1日あたりの平均利用者数を聞き取り調査し、東京23区と大阪市では利用者への面接も行った。
その結果、ネットカフェなどを深夜から朝までの時間帯に5時間以上利用する「オールナイト利用者」は、1日あたり約6万900人。仕事で帰宅が遅くなるなど一時的に利用した人が大半だったが、帰る家がないため日常的に使っている「住居喪失者」は推計で約5400人となった。東京が2000人、大阪が900人、名古屋が200人などとなっている。
年齢別では、20歳代が26・5%と最多、50歳代が23・1%で続いた。50歳代は、路上生活をする失業者や日雇い労働者が利用するケースが多いためとみられる。また、男女別では男性が82・6%、女性が17・4%だった。
また、労働形態を調べたところ、派遣労働などの非正規労働者は半数の約2700人で、このうち契約期間が1か月未満だったのは約1700人。平均月収は、東京で10万7000円、大阪では8万3000円だった。仕事をしていない人は約2200人、正社員は約300人などだった。
(2007年8月28日12時48分 読売新聞)
============
*全国で5,400人という数字はあくまで推定だが、これが多いか少ないかは一概には言えない。「ネット難民」と言えば何か新しい社会文化現象ででもあるかのようなイメージへ誘導されるかも知れないが、要はホームレスであり、昔だったら『乞食(お乞食さん)』と呼ばれた人々であろうから、当然そこから「正規雇用」へ辿り着くには相当の困難が想定される。
だが「お客様は難民ではない」という業界団体の抗議は正当そのものと思う。少なくとも『広辞苑』が定義するような従来の『難民』とこの使われ方の間には明らかに大きな隔たりがある。例によってお気楽かつ無責任で軽薄なマスコミのネーミングがここにも露出している。
正規雇用が望めない→アパートが借りられない→職にありつけない・・といった「悪循環に陥る」のだと、これはNHKが8/28日に解説していた。w
大阪にはホームレスが多い。人口比にしたら文句なしに日本一だろう。
「大阪の水は甘い」ということなのか、日本全国から食いっぱぐれた人たちが集中しているかのような印象が私にはある。街を歩けばアルミ缶やダンボールを集めている人たちと行き交うことも日常茶飯事で決して珍しいことではない。文無しでもどうにか食べ物だけはある。
私がときどき行く「トビタシネマ」「飛田東映」という格安の名画座にもアルミ缶の収集で生計を立てている人たちがよく来ている。彼らは自分たちのことをしばしば「労働者」と呼ぶ。確かに彼らは「遊んで」食っているわけではない。
他方彼らとは違って「働く」ことそのものに絶望しているとしか思われない人たちもいる。大概は文字通りの「着の身着のまま」の人たちだ。着る物は慈善団体の人たちが与えてくれるものを、次に何か貰うまでそのまま着ている『着た切りスズメ』である。そういう人たちの中には慈善団体の行ういわゆる「炊き出し」にもあまり熱心に参加しない人もいるから、正直どうやって日々の食料を得ているのかよくわからないところがある。
コンビニの廃棄物を糧とするならまだしも、普通の公共住宅のゴミ箱を漁っている姿もときどき見掛けるからである。
最近私は取材していないが「釜ヶ崎」という有名な貧民街(?)が大阪にあることは今更説明する必要もないだろう。この「釜ヶ崎」という歴史的呼称は今は公的機関によって使用されることはなく「愛隣地区」と呼ばれたりするが、支援団体の人たちはそれこそが差別であるとして、むしろ好んで「釜ヶ崎」という地名を使用する。
「釜ヶ崎」のムービーをYouTubeで以前「日本最大のスラムだ」といって何本か紹介したことがあるということは以前も述べた。
それには「これはスラムじゃない、ゲットーだ」というコメントがついて、他の人も加わってちょっとだけ論争になったこともあるということも。スラムと言えば黒人街、ゲットーと言えばユダヤ人の強制収容所を連想させるから、確かに「釜ヶ崎」をこれらの言葉で表現するのは無理がある。そう思って私は今は単にPoorという言葉を使っているのだということも書いた。私の方はその辺で止まっている。あちゃ。
また涼しくなったらいろいろ取材してみたいという気はある。この夏は一時暑い中無鉄砲に出歩いて熱発・悪寒に襲われたことがあるので・・。


cf.路傍たたずみ見つめている。←それで、ここが最近会っていないけど、以前も紹介した橘さんという路上詩人のサイトです。彼はときどき余裕があるとネット喫茶へ行ってこのブログを書いているようです。彼がこの『ネット難民』という範疇に属する人間なのかどうかは、私の決めることではない。ぁそ。