円から見るとドルが一方的に高くなって来ていて、ユーロはどんどん落ち込んでいる。この《ドルの一人勝ち》的状況は何処まで続くのだろうか。逆にユーロはドルに対してなら善戦している。ユーロは今1ドル1.06ユーロ位で、円から見ると127円である。ドルに対してはなかなか円高には転じないから《外貨預金》ならユーロでやった方が賢いのではないかと言ってくれる人もいるが、私は今はもうどちらもする気にはなれない。
私が為替相場に興味を持ち始めた頃、ユーロは1年間に135円から145円の間を往き来しているだけだったが、この変わりようである。興味を持ち始めたと言っても、FXをやって見ようかなどといった大それた考えを持っているわけではない。聞けばFXで勝てるのはほんの1割程の幸運な人に限られるとのことで、私がそんな幸運な人間の仲間に入れるとは思いたくても思えない。で、世界に今何が起こっているのかなど、私ごときには判断のしようがないのだけれども、言いたいことなら幾つかある。
随分昔の話だが、私のパチンコ仲間の一人に嫁と折り合いの悪いおばさんがいて、彼女は暇さえあれば「あんな嫁に財産を残してやるくらいなら全部パチンコで負けてやる!」と公言して憚らない人だった。連れ合いに先立たれてしまった人だ。勿論息子は可愛いが嫁は大嫌いだというのである。家にいるのは嫌なのでパチンコをするらしい。
彼女は「今月はまだ10万円しか負けてない」とよく笑っていた。店員さんたちも、上客たる彼女には一目置いていた。1円パチンコの台で1万円も負けると大騒ぎする私とは大違いの人だった。あの頃流行っていたパチンコ台の機種の一つに、背景があの9・11テロで爆砕されたニューヨークのツインビルの機種があった。それを隣のおばさんにそれとなく伝えたら、おばさんは「だからかからへんのやわ、縁起が悪い」と台を移ってしまった。
お金はあるところにはあるもので、私は実は《振り込め詐欺》などは巷で言われている程は心配していない。全財産を失ってしまう人はお気の毒であるが、そうでない人も世の中にはまた大勢いらっしゃるのである。