ライダースジャケット風のユニホームで仕事に取り組む従業員。後ろは動物をあしらった重機=大阪府泉大津市(村本聡撮影)【わが社のオキテ】
人手不足「建設業」のイメージ変えてみせる…垢抜けた作業服、重機には動物のイラスト、『進和建設工業』が試みるイメチェン戦略
産経WEST:2014.8.24 12:00
東日本大震災からの復興や住宅需要が建設業の人手不足に拍車をかけている。改善への課題は就業者をいかに増やしていくかだ。賃貸マンションの設計・施工などを手がける進和建設工業(堺市)はユニホームをカッコよく一新し、動物のイラストを全面に描いた重機を導入。さらに小学生ら対象の職業体験イベントも企画した。「危険」「キツイ」「いかつい」といったイメージを消して若者を呼び込もうと“あの手この手”に知恵を絞る。
カッコイイ作業服、カワイイ重機
「業界で一番かっこいいユニホームを作ったと自負しています」。そう語る社員らが身にまとうのは、ライダースジャケット風のおしゃれな作業服だ。2月に一般的な作業服から刷新し、その姿は濃い青の上着にベージュのスリムなズボン。とび職らが着る実用一点張りの服装と異なり、さわやかな印象が漂う。
7月には動物のイラストを大胆に描いた建設機械を導入した。「ユンボ」と呼ばれる油圧シャベルにはキリン、クレーン車にはシマウマ。重機の形をそのまま動物の姿として生かし、何ともユニークだ。
重機に動物を描いた理由は子供に親しんでもらうためだが、企業キャラクターにコウテイペンギンを採用していることもある。南極の酷寒の地で体内に蓄えた食物や分泌物を子に与え、身を削るようにして育てるコウテイペンギンに感銘を受け、同社のモットー「大家族主義」にふさわしいと約5年前に導入したという。
「人の暮らしをつくる建設業はすばらしい仕事だが、怖い、いかついなどのイメージがある。印象を何とか変えたい」と西田芳明社長。見た目を変えることが従業員の意識や現場の近隣にいる住民への印象を変えることにつながると考えた。近隣住民のなかには将来、担い手になるかもしれない子供もいる。ユニホームや重機の刷新は、子供の目に「かっこいい仕事」と映る現場づくりの一環だ。
建設現場は高齢化
同社が矢継ぎ早に取り組みを進めるのは、業界の人手不足に危機感を覚えているからだ。衰退を避けるには、若者が就きたいと思える職場づくりが欠かせない。「業界の魅力を上げるには、人の意識を変えることが大切」と、西田社長は建設業界におけるイメージ戦略の必要性を訴える。
国勢調査によると、平成7年のピーク時に663万人いた建設業の就業者は、22年には32・6%減の447万人へと激減。型枠大工やとび職、鉄筋作業従事者といった技能労働者は約6割に当たる266万人を占めるが、現在でも55歳以上が多く高齢化が進む。若年層の入職が減り続ける中、これらの高年層が今後引退すると、人材不足はさらに深刻化する。
進和建設工業では大学の新卒採用を約10年前に始めて以来、毎年3、4人を採用している。まったく応募がないといった深刻な状況にはないが、取引先の施工業者のなかには若手が不足している企業も多いという。同社社員が「職人のほとんどが50、60代以上ということもある」とこぼすほど、現場の高齢化は急速に進んでいるようだ。
子供に現場を教える
建設現場での取り組みは重機や服装の“変身”にとどまらない。8月23日には大阪府泉大津市の現場で近隣住民を招いたイベントを開いた。
「夏休みの自由研究を兼ねた職業体験を通し、親子で建設業に触れ親しんでほしい」(担当者)というこのイベントは「家づくり」。くぎ打ちやしっくい塗りなど7工程で、子供たちが建設の仕事を体験した。催しには同社の社員だけでなく、取引先の職人も参加した。
暮らしはもちろん、経済活動を支える建設業にピンチが訪れている。同社のイメージや意識の改革は始まったばかりだが、その成功を願ってやまない。
(田村慶子)
◇会社データ
本社=大阪府堺市北区百舌鳥梅町1-30-1
設立=昭和43年12月9日
資本金=5000万円
事業内容=賃貸マンションなどの設計・施工、不動産のコンサルタント・管理
売上高=25億円(平成25年度)
従業員数=34人(26年8月現在)
============
以上引用終わり。
従業員が34人だというから決して大きな会社ではないが、ここも人集めには四苦八苦しているようだ。それにしてもジャケットに気を使い重機もキリンちゃんのデザインだというのだから「そんなのまるでお子様ランチじゃないか♪」と言いたくなる向きも中にはおられるだろうが、今の若い人たちにはかつてのカウンターカルチャー風の書籍だの図書図鑑などよりも、さぶカルチャーだった漫画・アニメ文化の方が爛熟し進化・深化~分化発展を遂げている分お似合いで、この会社の選んだ方策もあながち笑止千万と見捨てたものではないだろう。
私が来ているこの喫茶店だって、私のようにPCを叩く人などより漫画に読み耽る人の方が断然多い。彼らにあっては「webなどスマホで充分♪」ということなのだろうか?
人手不足「建設業」のイメージ変えてみせる…垢抜けた作業服、重機には動物のイラスト、『進和建設工業』が試みるイメチェン戦略
産経WEST:2014.8.24 12:00
東日本大震災からの復興や住宅需要が建設業の人手不足に拍車をかけている。改善への課題は就業者をいかに増やしていくかだ。賃貸マンションの設計・施工などを手がける進和建設工業(堺市)はユニホームをカッコよく一新し、動物のイラストを全面に描いた重機を導入。さらに小学生ら対象の職業体験イベントも企画した。「危険」「キツイ」「いかつい」といったイメージを消して若者を呼び込もうと“あの手この手”に知恵を絞る。
カッコイイ作業服、カワイイ重機
「業界で一番かっこいいユニホームを作ったと自負しています」。そう語る社員らが身にまとうのは、ライダースジャケット風のおしゃれな作業服だ。2月に一般的な作業服から刷新し、その姿は濃い青の上着にベージュのスリムなズボン。とび職らが着る実用一点張りの服装と異なり、さわやかな印象が漂う。
7月には動物のイラストを大胆に描いた建設機械を導入した。「ユンボ」と呼ばれる油圧シャベルにはキリン、クレーン車にはシマウマ。重機の形をそのまま動物の姿として生かし、何ともユニークだ。
重機に動物を描いた理由は子供に親しんでもらうためだが、企業キャラクターにコウテイペンギンを採用していることもある。南極の酷寒の地で体内に蓄えた食物や分泌物を子に与え、身を削るようにして育てるコウテイペンギンに感銘を受け、同社のモットー「大家族主義」にふさわしいと約5年前に導入したという。
「人の暮らしをつくる建設業はすばらしい仕事だが、怖い、いかついなどのイメージがある。印象を何とか変えたい」と西田芳明社長。見た目を変えることが従業員の意識や現場の近隣にいる住民への印象を変えることにつながると考えた。近隣住民のなかには将来、担い手になるかもしれない子供もいる。ユニホームや重機の刷新は、子供の目に「かっこいい仕事」と映る現場づくりの一環だ。
建設現場は高齢化
同社が矢継ぎ早に取り組みを進めるのは、業界の人手不足に危機感を覚えているからだ。衰退を避けるには、若者が就きたいと思える職場づくりが欠かせない。「業界の魅力を上げるには、人の意識を変えることが大切」と、西田社長は建設業界におけるイメージ戦略の必要性を訴える。
国勢調査によると、平成7年のピーク時に663万人いた建設業の就業者は、22年には32・6%減の447万人へと激減。型枠大工やとび職、鉄筋作業従事者といった技能労働者は約6割に当たる266万人を占めるが、現在でも55歳以上が多く高齢化が進む。若年層の入職が減り続ける中、これらの高年層が今後引退すると、人材不足はさらに深刻化する。
進和建設工業では大学の新卒採用を約10年前に始めて以来、毎年3、4人を採用している。まったく応募がないといった深刻な状況にはないが、取引先の施工業者のなかには若手が不足している企業も多いという。同社社員が「職人のほとんどが50、60代以上ということもある」とこぼすほど、現場の高齢化は急速に進んでいるようだ。
子供に現場を教える
建設現場での取り組みは重機や服装の“変身”にとどまらない。8月23日には大阪府泉大津市の現場で近隣住民を招いたイベントを開いた。
「夏休みの自由研究を兼ねた職業体験を通し、親子で建設業に触れ親しんでほしい」(担当者)というこのイベントは「家づくり」。くぎ打ちやしっくい塗りなど7工程で、子供たちが建設の仕事を体験した。催しには同社の社員だけでなく、取引先の職人も参加した。
暮らしはもちろん、経済活動を支える建設業にピンチが訪れている。同社のイメージや意識の改革は始まったばかりだが、その成功を願ってやまない。
(田村慶子)
◇会社データ
本社=大阪府堺市北区百舌鳥梅町1-30-1
設立=昭和43年12月9日
資本金=5000万円
事業内容=賃貸マンションなどの設計・施工、不動産のコンサルタント・管理
売上高=25億円(平成25年度)
従業員数=34人(26年8月現在)
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以上引用終わり。
従業員が34人だというから決して大きな会社ではないが、ここも人集めには四苦八苦しているようだ。それにしてもジャケットに気を使い重機もキリンちゃんのデザインだというのだから「そんなのまるでお子様ランチじゃないか♪」と言いたくなる向きも中にはおられるだろうが、今の若い人たちにはかつてのカウンターカルチャー風の書籍だの図書図鑑などよりも、さぶカルチャーだった漫画・アニメ文化の方が爛熟し進化・深化~分化発展を遂げている分お似合いで、この会社の選んだ方策もあながち笑止千万と見捨てたものではないだろう。
私が来ているこの喫茶店だって、私のようにPCを叩く人などより漫画に読み耽る人の方が断然多い。彼らにあっては「webなどスマホで充分♪」ということなのだろうか?