五郎兵衛用水ウォーキングマップも歩いておかねば五郎兵衛米は語れまい
と、そのルートを眺めていると、真親神社なる道標があった。
市川五郎兵衛真親を奉る神社。
初詣も兼ねてしまうので、ご先祖様にお詫びして、参詣した。
簡単に垂紙が飾られているしめ縄に
財政事情を想わせる。
木造平屋立ての家屋に社殿があり
御神体が奉安されているようだが
どう見ても町の集会所だ。
お祈りが終わると前から声をかけられた。
「いやぁ、すいません。法被着て来るの忘れちゃって。村の当番なもんで」
「神主さんですか」
「いやいや、そんな偉いもんじゃないです」「よかったら中に入って。神殿は奥ですから」
気さくな神官さんは手招きで迎えいれたがやはりそこは聖域なので恐る恐る敷居を跨いだ。
神殿へお礼が終わると
「長野県には神様が二人だけしか
いないんです。佐久間象山と市川五郎兵衛真親です。真田神社とかあるけれど・・・二人だけです」
財政事情もわかったが、それ以上に地元愛はよくわかった。
それでも大河ドラマには採用されないだろう。
「お帰りの際は関所破りの桜も見ていってください」
市川五郎兵衛所縁の上州から手形なしで関所を通ったしだれ桜。
当時の村衆が故人を偲んで持って来た。樹齢250年。
小高い丘から五郎兵衛新田を見渡している。
「春は本当に綺麗ですよ。またお出でください」
ジャンパーを着た神官さんの顔は誇らしげだった。