先日、あるコラムを目にした。
表題、「不快な “奥さん” 」。
ある日、その寄稿した女性がスーパーに買い物に行ったところ、鮮魚コーナーで「奥さん、新鮮な鰤が入りました、どうぞ、奥さん」と言われたらしい。
「無性に腹が立った。自分は早くに両親を亡くし、体が弱く、一人で生きて来ざるを得なかった。なにが “奥さん” だ。女性という立場にレッテルを貼ったこの考えに怒りを感じた
“お客さん”で十分だ」
社会生活では人間関係を築けば取引もスムーズに行くが、自分の立場と相手の立場、地位、背景を理解しない敬称は、相手に対する蔑称になり得る。
女性は姓を捨て、家族を捨てる社会慣習に晒される。そのリスクは男性に殆ど無い。その立場の中で女性がどう生きているかを理解しての敬称であるように。
「子どもに説教しておきながら、
自分はまだまだ “ちゃら男” だな」
子どもに「おっさん」と呼ばれた自分以上に、この女性は絶望に打ちのめされたことだろう。