2023年時点で、高知県内の港湾で他府県との間を結ぶ定期旅客航路が発着しているところはありませんが、2005年までは高知と首都圏を結ぶ大型フェリー航路が存在しました。
高知港はもともと浦戸湾(入口に有名観光地の桂浜があります)の奥に主要ふ頭が存在していましたが、湾の入口が狭く大型船舶の航行に支障があるため、
湾の外側にある三里地区に大型船舶対応のふ頭主体の「高知新港」を新たに整備することとなり、1988年に着工し、1998年3月に供用開始となりました。
https://www.umeshunkyo.or.jp/marinevoice21/umikikou/228/page3.html
(一般社団法人日本埋立浚渫協会の公式サイト上で公開されている会報の2002年8月号に掲載されている記事)
上記記事には「浦戸湾内にあるフェリーふ頭を将来新港に移転し」とありますが、実際には大阪高知特急フェリー(2023/5/15付ブログ記事参照)は2005年の経営破綻による終航まで浦戸湾内<上記GoogleMapで「高知港岸壁」とある場所>に発着しており、より大型のフェリーを使用していたブルーハイウェイラインの東京~那智勝浦~高知航路のみが高知新港に移転しました。
ただそれも束の間・・・
2000年末にブルーハイウェイラインは赤字のかさむ東京~那智勝浦~高知航路を廃止する方針を決め、当初は2001年2月末廃止を予定していたものの高知県や和歌山県などの反対で延期となりました。両県は航路存続に向け支援策を展開したものの効果はほぼなく、2001年9月末限り廃止となりました。
https://www.jmd.co.jp/article.php?no=30128
その代わりにマリンエキスプレス社が自社の京浜航路(川崎~宮崎/日向間)を那智勝浦港と高知新港に寄港させることとなり、
https://www.jmd.co.jp/article.php?no=32671
2002年4月に高知新港発着のフェリー航路が半年ぶりに復活しました。
ただそれも束の間・・・
業績の悪化したマリンエキスプレス社は京浜航路からの撤退を決め、高知新港に寄港していた川崎~日向航路は2005年6月11日が最終運航となりました。会社自体も翌2006年に完全消滅しています。
それから十数年、2023年時点の高知新港は外国船籍の大型クルーズ客船がかなりの頻度で入出港しています。
https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/175201/cruise7.html
2019年には、クルーズ客船向けのターミナル(ビルではなく平屋建て)の供用が開始されています。
http://wakatake-machi.com/building/2019kochishinko/kochishinko.html