前回ブログ「茨城県日立市の非互換なバスICカードがついに終幕へ」の続きです。
茨城交通は2023年12月をめどに、キャッシュレスな手段は「地元の日常的な利用客には割引制度のある独自バスICカード「いばっピ」、他地域からの利用客には(割引制度はないが汎用的な)Visaのタッチ決済やQRコード決済で対応」という二本立てになります。つまり、現在利用できないSuicaやPASMOなどの全国相互利用対象ICカードには今後も対応しません。
このことは、「東京と水戸を結ぶ高速バスで、全便でSuicaやPASMOが使えるようにならない」ことを意味します。
この路線は、古くからJRバス関東・関東鉄道(茨城県中南部をエリアとするバス事業者)・茨城交通の3社で共同運行しており、全国相互利用対象ICカードで乗車すると運賃が割引になります(例:東京駅~水戸駅間だと、現金で2120円のところ、ICカードだと2000円)。
http://time.jrbuskanto.co.jp/bk03070.html
https://www.kantetsu.co.jp/bus/highway_mito_tokyo.html
しかし、茨城交通が担当する便ではICカードは一切使えません(自社のいばっピもNG)。その代わりに、降車時に全国相互利用対象ICカードを運転士に見せると、ICカード割引相当額の現金を支払えばOKとなっています。そして、茨城交通の担当便に限り、「いばっピ」を見せても同様に現金決済でICカード割引が適用されます。
http://www.ibako.co.jp/highway/mito-tokyo/
ICカード割引はJRバス関東の近距離高速バス(東京~鹿島・つくば・房総半島など=予約不要)共通のサービスで、ほかの路線は共同運行相手も全国相互利用対象ICカードが使えるので無問題ですが、茨城交通だけが未導入だった故の「苦肉の策」でした。今般の茨城交通の発表で、改善は望めなくなりました。
JRバス関東はSuicaの総元締めであるJR東日本の子会社なので、(QRコード決済はともかく)Visaのタッチ決済の導入は現在の情勢では望み薄ですね。あるいは、やがて「茨城交通の担当便のみVisaのタッチ決済やQRコード決済が利用可能になる」のでしょうか?