国土交通省は、2024/8/30付でかねてから全国公募していた「完全キャッシュレスバスの実証運行」を実施する29路線を公表しました。早いところでは2024/11/1から開始となります。
https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo12_hh_000382.html
実証運行対象路線と開始期日はこちら <北海道・東北・近畿には対象路線なし>
対象となる路線は以下の4種類のいずれかの特徴を持っています。
①利用者が限定的な路線(空港・大学・企業輸送路線など)
②外国人や観光客の利用が多い観光路線
③様々な利用者がいる生活路線で、キャッシュレス決済比率が高い路線
④自動運転など他の実証運行を同時に行う路線
こちらでは、そのうちリストのトップに掲載されている北陸鉄道の「城下まち金沢周遊バス」<②に該当>について解説します。
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「城下まち金沢周遊バス」はその名の通り金沢市中心部の観光スポットを周遊するバス(循環ルートで途中乗り降り自由)で、1994年以来運行されています。
http://www.hokutetsu.co.jp/tourism-bus/castle-town
長らく交通系ICカードが全く使えない(北陸鉄道グループ独自の「ICa」および全国相互利用対象交通系ICカードのいずれも)状態が続いていましたが、公的補助を得て2022/10/17からようやく後者のみに対応するようになり<2022/10/7付ブログ記事「「城下まち金沢周遊バス」の交通系ICカード導入の背景」参照>、首都圏など遠来の観光客には便利になりました。このほかスマホのデジタル乗車券「のりまっし金沢」に対応しており、2024/3/16からはクレジットカードのタッチ決済でも乗車できるようになっています。
2023/1/10付ブログ記事「 「城下まち金沢周遊バス」の全国交通系ICカード対応後の様子」で書いたように、ほとんどの利用客は全国相互利用対象交通系ICカード(モバイルを含む)や一日フリー乗車券(紙券orのりまっし金沢)」を使用しており、車内で現金払いの客はごく少数派でした。ただ、一般路線バスが経由しない区間も一部走るため地元民も少なからず利用しており、こちらをどうフォローするかが気になりますね・・・高齢者の常連さん対象にICOCAを配布するとか