2024/4/8付ブログ記事「 那覇~久米島の高速船計画のその後・・・2024/4就航を目指しましたが・・・」の続報です。
「続報」といってもこの高速船航路に関する新しい情報が出たわけではなく、内閣府沖縄総合事務局運輸部(沖縄県における運輸関係一切を管轄)が主催する「沖縄地方交通審議会船員部会」の議事録に掲載されている当該航路に関係する内容の紹介です。
https://www.ogb.go.jp/unyu/2344/003590
ちなみに、議事録中に出てくる「漢那委員」と「柴田委員」はそれぞれ全日本海員組合の九州関門地方支部長と沖縄支部長、「桃原委員」は久米商船の社長です。
https://www.ogb.go.jp/-/media/Files/OGB/Unyu/vessel/bukai/meibo_22_10_08.pdf
第176回(2023/8/17開催)・・・久米島オーシャンジェット社の記者発表(2023/8/14)直後の開催
桃原委員から「新聞記事の内容としては、当社と共同運航したいという旨が書かれていたのですが 、実際まだその新会社とは、具体的な協議は入っておりません」との発言があり、 漢那委員からこれを受けて「現在具体的な中身は決まってない状況であるのに、このような新聞報道はおかしいのかなと思ってしまいます」との発言がありました。久米商船の船員さんはもちろん全日本海員組合に所属しています。このあと久米商船との共同経営云々を含むやり取りが続いていますが、事務局(沖縄総合事務局運輸部)側のスタンスは「参入基準をクリアすれば、もう許可するということになります」となっています。
議論の中心は、「那覇~久米島間の高速船航路は年間5億の赤字が確実であるというコンサルの結論が出ているにもかかわらず、久米島オーシャンジェット社が関係者との調整なしに新規参入を表明しており、さらに同社の動きをいずれの関係者もつかめない状態なのを問題視する声」です。ちなみに、久米商船が以前運航していた高速船「ブルースカイ」は欠航率が高い上に補助金が過大であり、最終的に事務局から運航中止の指示を出したととれるような文言も含まれています。
漢那委員および柴田委員による意見が出ています。関係者間で離島航路の在り方を話し合う「離島航路協議会」が後回しになっていること、そして海運業界外の会社がいきなり高速船をもってきて運航しようとしていることを問題視しています。
事務局から久米島オーシャンジェット社に「申請書を受理して処理する期間、公正取引委員会との調整等に関する期間を考慮して、現状からは、4月の実施は厳しい」と伝えたそうです。そして、桃原委員からの「当社としても12月になってから先方からの接触は一切ございません」のコメントがあります。
そして、2024年に入ってから船員部会は4回開催されていますが、久米島オーシャンジェット社に関する話題は出ていません。
<6/24追記>
2024/5/16に開催された第185回沖縄地方交通審議会船員部会の議事録ですが、2024/6/24になってようやく沖縄総合事務局サイト上で公開されました。
https://www.ogb.go.jp/-/media/Files/OGB/Unyu/vessel/bukai/giriroku-185.pdf
久米島オーシャンジェット社に関する話題が久々に出ていますが、全日本海員組合に属する委員2名から厳しい意見が出ている一方(詳細は議事録をご覧ください)、桃原委員(=久米商船社長)は以下のように発言されています。
オーシャンジェット社と共同経営、共同運航に関する協定書について最終確認の段階に入りました。当然のことながら、やはり船が違いすぎますので、お互いの会社に属する船員について運航は完全に別にする形とし、責任も別だということで話を進めております。ただ認可が下りるかどうかは、また別の話です。
ただ、このブログ記事に追記している時点でも2024/5/31付の琉球新報(2024/6/14付ブログ記事参照)以外の報道はなく、要員採用活動以外の諸々の話がどこまで進んでいるかは部外者にはわからない状態が続いていることは確かです。上記議事録の末尾によれば第186回船員部会は2024/6/20開催予定となっており、その場で最新の進捗状況について桃原委員から報告があったのかもしれませんが。