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高知県の「あしずり港」(かつて関西航路のフェリーが発着)について

関連ブログ記事・・・2023/5/15付「幻の「高知~土佐清水市以布利」高速船航路について

高知県土佐清水市には、かつて関西とを結ぶフェリー航路が発着していました。高速船が発着した「以布利港」とは全く別の場所にある「あしずり港」で、名称とは裏腹に足摺岬からは20km程度離れています(GoogleMap参照)。しかしフェリー航路は2004年限りで消滅し、2023年時点では観光の拠点「みなとオアシスあしずり」として活用されています。

https://www.pa.skr.mlit.go.jp/kouchi/D/ashizuri.html

https://www.pa.skr.mlit.go.jp/useful/oasys/ashizuri.html

今も残るあしずり港の大型フェリー用可動橋のストリートビューはこちら

大型クルーズ客船もたまに寄港します(過去5年間はいずれも日本船籍のみ)。

2018年度・・・2回 2019年度・・・2回 2020年度・・・1回 2021年度・・・0回 2022年度・・・2回

 

このあしずり港の歴史についても、土佐清水市の「市史編さん便り」で紹介されていました。(令和3年度の第7号)

https://www.city.tosashimizu.kochi.jp/fs/4/1/9/3/2/6/_/hist_news_r3_07.pdf

豊富な漁業資源と全国区の観光地を持ちながら、1970年代半ばの時点では陸上交通がまだまだ不便なためこれらを地域振興に生かし切れていませんでした。これを打開するために大型フェリーが発着できる港を整備することとなり、1974年度に計画が立案され、1980年代初めに完成しました。

そして、1982年12月末に待望のフェリー航路が誕生しました。既存の室戸汽船の甲浦<高知県の東端>~神戸航路を、高知県の西端近くまで延伸する形です。しばらくは順調でしたが、明石海峡大橋の開通前年の1997年に室戸汽船が撤退を決め(甲浦港周辺は徳島県に隣接しており影響が大きいと考えたため)、第三セクターの高知シーラインが引き継ぎました。ただ、1999年7月に甲浦港で発生した座礁事故をきっかけに経営不振に陥り、結局2001年12月8日限り休止となりました。

その直後から大阪高知特急フェリーが高知~大阪航路をあしずり港まで延伸しましたが、こちらもやはり利用不振から2004年4月限り休止となり、明石海峡大橋開通に続き2000年に高知自動車道と徳島自動車道が接続したことなどの影響で利用減が続いていた大阪高知特急フェリー自体も運航会社の破産で2005年6月限り終了となってしまい、現在に至ります。

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