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近鉄のタッチ決済、吉野口駅でのJR乗り換えの場合は?

関連ブログ記事・・・2024/11/3付「近鉄のタッチ決済、三重県内の他社との接続駅での扱いについて

上記ブログ記事で敢えて?触れなかった「近鉄とJR西日本相互間の乗り換えを改札を出ずに可能な駅」である吉野口駅におけるタッチ決済の対応状況を見てきました。同駅は桜の時期を中心にインバウンド客にも人気のある吉野山の玄関口ですが、近鉄公式サイトでは吉野口駅について特段の注釈はなく、近鉄をタッチ決済で利用する際のJR側の対応が気になります。

吉野口駅の構内図はJR西日本の公式サイトに掲載されています。ICカード処理機は合計4か所に設置されていますが、駅改札口とそれ以外で役割が異なります。

 駅改札口=近鉄線の利用者のためのもの

 2・3番ホーム上、4・5番ホーム上、地下連絡通路内=近鉄線とJR線の乗り換え客のためのもの

したがって、JR線をICカードで乗り降りする際は、「駅改札口」「ホーム上または地下連絡通路内」の2回処理機にタッチする必要があります。これは、駅改札口のICカード処理機では近鉄線の乗降記録しか付与できず、システム上「同駅でJRと近鉄を乗り換えた」扱いにせねばならないためです。なお、吉野口駅の周辺には小集落と元駅弁屋の食堂があるくらいで、利用者の圧倒的多数は乗り換え客です。

ホーム上に設置されたICカード処理機(のりかえ改札機)。ちなみに、向こうに見える待合室内にはかつて駅弁などを販売する売店がありました。

地下連絡通路内に設置されたICカード処理機(のりかえ改札機)。

駅改札口に設置されたICカード処理機。乗車用と降車用の中間に、新たにタッチ決済の処理機が追設されました・・・駅全体でここだけに設置

駅舎内には近鉄線用・JR線用それぞれの自動券売機が設置されています。有人窓口もありますが、近鉄の特急券はここでは発売しておらず、ホーム上に設置された特急券自動発売機のみでの対応となります。

ということで、吉野口駅でのタッチ決済の利用は「同駅での近鉄での乗降」に限定され、近鉄でタッチ決済で乗ってきてJRに乗り換える場合には「いったん駅の改札を出て、改めてJR線にICカードで乗車すべく処理機に2回タッチするorJR線の乗車券を購入する」必要があります。既にJR線に有効な乗車券を持っていれば(外国在住の観光客向けのジャパンレールパスJR西日本線に乗り放題のパスなども含む)は後者の対応は必要ないわけですが、現地にはこのような対応が必要な旨の掲示類は英語でも日本語でも見当たりません。

ということで、現実的にインバウンド客に想定される行程である「吉野山を堪能してから高野山に向かい宿坊に泊まる。JR線乗り放題のパスは所持しており、私鉄区間はタッチ決済を利用する」の場合、吉野口駅の改札口でタッチ決済の降車処理をせずにそのままJR線に乗車してしまうと、橋本駅で南海高野線に乗り換える際に南海側の改札においてタッチ決済がエラーになってしまう(近鉄線の降車記録がないため)ことになるはずです。これから案内や注意喚起を充実させていくものと信じたいですが・・・

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