ココロノキンセンイ

劇団あおきりみかん 中元志津が綴る怒涛の日々、けっこう育児日記

『三年身籠る』

2006-03-05 03:12:18 | みたもの・きいたもの・よんだもの
昨日、伏見ミリオン座で『三年身籠る』という映画を観た。
オセロの中島知子初主演、女優の唯野未歩子初監督というもの。
内容はタイトル通り、3年(正確には27ヶ月)もの間身籠る女性と彼女を取り巻く人々のお話。
設定の奇抜さや雰囲気に弾かれてずっと観たいと思っていた。
封切り初日だったのにも関わらず、観客は10名以下という寂しいものだった。
やっぱり比較的マイナーな映画なんだろうか。

ゆる~い感じの映画で結構好きだった。
設定勝ちということもあるのだろうか、ジェンダーとか大人になりきれない大人とか、子育てのこととかいろいろ深く考えさせられる。
どんどん膨らんでありえないくらいに大きくなったお腹が、ホラーには見えてこない。
雰囲気を持った映画だと思った。

中島知子は、かなりエキセントリックな役を自然な感じで演じていて、とても良かった。
冒頭の頃は、動きが妊婦らしくなく、違和感を感じていたのだが、後から思うと「母になる実感が沸かない」という心理状態を表すものだったのだろうか。
話が進むにつれてどんどん母親らしく見えてくるから不思議。
出産後の眠っている表情は、ひと仕事終えたあとの母の顔に見えた。
実際見たことないからほんとのところはよくわからないのだが。まあイメージで。

ただ、ゆるい映画だったせいなのか、最初のうち、あまり入り込めなかった。
なんだか気持ちが乗らなかったようだ。
私は映画を作ることには全く知識がないが、流れてくる絵にはなんらかの意味があり、選ばれて映し出されているのだろう。
でも前半は、映るものがいかにも意味ありげに、テーマ性を持っているように見えた。
例えば象徴的に使われている食べ物やテレビのニュースなどがある意味あざとく見えてしまった気がする。

それと、西島秀俊演じる夫の変わり方がちょっと不思議。
冒頭は行ってきますも言わないで、浮気公認で夜遊びしてたような人が、急激に変わりすぎ…というか無邪気すぎないか?
女性の監督(脚本も唯野さん)だから、願望も入っているのだろうか。
男性の共感を得られるのか、興味があるところだ。

写真は映画の前に食べた「かなざわまいもん寿司梅鉢亭」のお寿司です。
回らない寿司を久々に食べました。美味しかった。
最近贅沢しすぎだな。贅肉つくはずだ…。