竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

おひさま事業がクロ現代に登場

2008年01月18日 | Weblog

長野県飯田市で私も参加して進めている「おひさま進歩エネルギー」の事業と市民のお金で事業を行う市民出資のしくみが、昨晩のNHKクローズアップ現代で紹介された。30分間の番組の中で、前半は名古屋の市民バンク「もも」を取材した市民バンクの話、後半はおひさま進歩エネルギーを取材した市民出資の話だった。

市民バンクも市民出資も市民が市民のお金を集めて市民の事業に投資するというコンセプトである。市民バンクは全国に広がりつつあるし、市民出資も風力発電ではじまり、太陽光発電やバイオマスエネルギーへと、その対象が広がりつつある。実は今朝、おひさま進歩エネルギーやおひさまファンドのホームページにアクセスしても、ぜんぜんつながらない。もしかしたら・・、とてつもない人数がアクセスしているのかもしれない。

市民マネーを環境事業や福祉など、意義のあること、身近なことに使いたいという願望は、とても多くの人の中にあるはずだ。銀行やや証券会社、年金など、私たちはいろんなところにお金を預けているが、それが何に使われているのかはまったく関知できない。環境破壊のダムや、危険な原発や、地球温暖化を促進する石炭・石油開発や、果てはイラク戦争・・実はとんでもないものに多額のお金が投じられている。しかし、それにノーと言えない。

それにノーといおうと言いはじめたのは、たとえば市民バンクの仕掛け人の田中優さんの「どうして郵貯がいけないの」だ。日本人の1000兆円をはるかに超える市民マネーが上記のとんでもないものに使われていることへの警鐘だった。

市民出資を最初に構想したのは、北海道市民風車の鈴木亨さんと環境エネルギー政策研究所の飯田哲也さんだ。市民が行う環境事業に、最初は銀行など金融機関は見向きもしなかった。風力発電1基が1億円超、鈴木さんたちは北海道の生活クラブでグリーン電力基金を立ち上げ、一人毎月500円を積み立てて5000万円の資金を作り、あとの5000万円を銀行から借りて市民の風車を立てようとした。ところが銀行は貸してくれない。そこで飯田さんたちと思案して考え出したのが「市民出資」という方法である。

商法に定められた匿名組合出資という方法で、目的を明確にしてお金を集める。その目的以外にはお金は使えない。だから、風車なら風車、太陽光なら太陽光(もちろん両方でも良いが)、目標として揚げられているもの以外に自分のお金が使われるという心配がないのである。ダムにも原発にも、石油・石炭にも、もちろん戦争にも、自分のお金が使われないぞと安心できる。

これがあたった。市民風車に必要な残りの5000万円はあっという間に集まり、銀行入らずの風車が建った。鈴木さんたちはこの方法で、次々と5本の風車を建てる。その頃には、銀行の方がお金を貸したいと言ってくるようになった。

飯田さんは同じ方法を太陽光発電と省エネ事業に応用した。その第一弾が、昨日のクローズアップ現代で紹介されたおひさま進歩エネルギー事業である。私は4年前から、このために飯田市に通い詰めながら、おひさま事業の事業実践の方を担当している。市民のお金を集めても、事業はうまく行かなければ返せなくなる。責任重大なのである。

昨日のクローズアップ現代では、市民出資のこのような経緯も背景も紹介されず、「おひさま進歩エネルギーをつくった原さんは考えた」でまとめられていた。要約しすぎ!とは思ったが、多くの人に市民出資のことが伝わったのだから良しとしよう。

風力発電や太陽光発電への市民出資事業は、お金の使い道がはっきりわかるという利点だけではない。つくれば電気を生み、確実に収益が稼げるという利点もある。大もうけはできないが、細く長く収益は続く。風車の利益率は良い。世界中に風力発電事業を展開したトーメンは、日本の四国電力や北陸電力を上回る電力会社になり、親会社の経営が危なくなっても、この部門は優良事業として独立しいまも続いている。

太陽光発電は利益率が悪い。設備コストがまだまだ高いからだ。それでもおひさま事業では、補助金を入れてではあるが、15年で出資者への利益配分と元本返済を含めてコスト改修ができるギリギリの仕組みを作り出している。

いま脚光を浴びつつあるグリーン電力が、もっと大量に市場流通するようになり、太陽光発電の普及と技術革新でもっと設備コストが下がれば、この利益率はもっともっと高くなる。地球温暖化防止のため、また深刻な原油高の進行のリスクを回避するために、市民マネーがもっと太陽光発電などの自然エネルギーに流入してくれれば、そのスピードはさらに早まる。

ということでおひさまファンドとおひさま進歩エネルギーのURLを載せておくが・・、まだつながらない。

http://www.ohisama-fund.jp/

http://www.ohisama-energy.co.jp

 

 

 



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