竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

シロクマと「熱い」夏

2008年08月14日 | Weblog
シロクマは地球温暖化による環境インパクトの象徴です。北極の氷の上に住む彼らは、地球温暖化の進行で彼らが住む氷原を奪われつつあります。夏には半分以上の氷が融けてしまいます。氷原の上から、氷の下に潜り込みアザラシなどを捕って生活してきた彼らにとって氷原の喪失はまさに死活問題です。いま、確実に絶滅の危機にさらされている生き物です。そのシロクマをとり続けていた写真家がいます。リサ・ヴォートさん。竹中工務店のウェブギャラリーで見ることができました。

http://www.a-quad.jp/main.html

気候変動が確実に進行していることは、もはや間違いありません。自然のメカニズムを超えて激しく進行する気候変動の原因が『人間』にあることも間違いありません。人間は本来なかったはず(量)のたくさんのものを自然界に吐き出しています。有機水銀、カドミウム、ヒ素、硫黄酸化物、窒素酸化物、放射能(放射性物質)、アスベスト、ダイオキシン・PCBなどなどの塩素系化合物、人間が作り出したもの、不用意に大地の中から掘り出したものの数は限りがありません。

その極めつけが二酸化炭素です。どこにでもあるこの物質が、生物の新陳代謝のレベルをはるかに超えて、限界点に近づくほどの排出を人間の生産活動が作り出してしまったのです。

初期の有害物資は局地的に環境へのインパクトを与え、めぐりめぐってその周辺の人間の健康被害を生み出しました。多くの人の命も奪い、当時は『公害』と呼ばれました。水俣病、イタイイタイ病、カネミ油症、森永ヒ素ミルク・・どれも原因があり、原因企業がありました。

インパクトが大気汚染となり、走り回る自動車も原因となり、だんだんと健康被害と社会的利便性を天秤にかけることが平気に行われるようになりました。日本経済の基幹になるような企業が倒産するような『過度な規制』はしてはならないだろう、だからある程度の被害は『必要悪』として甘受すべき・・と。

必要悪の巨人が原子力でした。いまでは、多くの人が『違う選択肢』があるのだということを知っていますが、当時は経済大国の巨大なエネルギー需要をまかなえるのは原子力しかないと信じられていました。原子力だけではありません。経済発展のためには、犠牲はやむなしという思想です。資源が浪費され、石油も石炭も湯水のように使われ、人間の労働も浪費され、疲弊し、使い捨ての『日雇い派遣』なる労働も生まれました。

そして必要悪という考え方が膨れ上がって行くなかで、二酸化炭素の吐き出しも膨れ上がって行ったのだと思います。人間も環境もボロボロです。必要悪の論理の中では、メリットをみんなが享受しているのだから・・という暗黙の了解があります。だから、問題の原因をあえて追及せず、あいまいにして『みんなの責任』にします。

地球温暖化防止のために各家庭で努力しよう!それはマインドとしては評価できます。でも、効果はありません!
家庭が与えている地球温暖化へのインパクトはわずかだからです。削減できてもせいぜい全体の1%。

実は地球温暖化も誰が原因かははっきりしているのです。CO2を出している人、出している企業が削減するべきなのです。
日本のCO2の排出の半分以上はたった140程度の工場、事業所が出しています。そのまた半分くらいは発電所です。
つまり電気のつくり方です。

だから原子力を・・ではありません。地震国で原子力に頼るから、この原油高騰時代に電力各社(とくに東京電力ですが)は石油に頼ることになってしまいました。柏崎刈羽原発のようなことは次々起こると考えるべき、むしろ予測してエネルギーの安全確保に努めるべきなのです。いいや、原子力だと頑張っている電力各社の幹部は、まるでロシアンルーレットの引き金を引こうとしているのがわからないのです。

すでに解決策の答えは出ているのです。そして欧米各国は実践をしています。
自然エネルギー、グリーン電力です。

今日は短く、と思ったのですが、また長くなってしまいました。
今日も暑い日になりそうです。







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