竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

小沢氏立候補表明に唖然

2010年08月26日 | 政治
どうも最近の政治はわからない。
小沢一郎氏が民主党代表選に立候補を表明した。正直、唖然!である。
私は良識ある小沢氏が立候補することはないだろうと見ていた。
あれだけ「政治と金」の問題をかかえ、万が一代表選に勝ち、総理大臣になるとすれば、国会の議論が再び「政治と金」の議論一辺倒になるのは眼に見えているからだ。
今日本経済は未曾有の円高、株価の急落というエアポケットに落ち込み、少し上向きかけた景気動向が一気に吹っ飛びかねない状況にある。
確かにエアポケットの原因は無為無策の菅直人政権だと言えるかもしれない。
しかし、この状況は国内からのものではない。アメリカとヨーロッパの景気動向が反映した、いわばコントロール不能の乱気流のようなものだ。
小沢だから、どうこうできるというものでは全くない。
それよりも、この経済情勢になにをすべきか、良く落ち着いて集中すべき環境を作るべきときではないのか。
そういう意味では立候補表明した小沢氏も、その指示を表明した鳩山氏も、日本経済の心配など一顧だにしていないのではないだろうか?

この間のマスコミ報道もそうだ。
この時期なにをすべきかという論調は少なく、小沢が立つのか立たないのか的な記事に終始し、そんなことをやってることが日本経済にどんな影響を及ぼすのかはまったく関知せずという印象であった。
菅総理が「脱小沢」だ。小沢はそれに対してどうするのだ・・的な、きわめて低レベルな次元の論議である。
派閥政治をやめるべきだと、ときにえらそうに主張しながら派閥政治を煽る。
少なくとも「政治を語る」という次元では、日本のマスコミは驚くほど低レベルだ。

民主党のマニュフェストに対する「議論」もその低レベルを反映している。
まずマニュフェストが間違っていたのか、正しかったのかを検証すべきであるのに、そのことは放置して、さあ菅政権はマニュフェストを守れるのか、みたいなことばかりに終始している。
マニュフェストは間違いだらけだったはずで、そのひずみがすでにいろいろなところに出ている。
こども手当は矛盾だらけで、不要な人にお金が配られ、必要な人には行かない。
引き起こされたことは、全国ネットの塾に子供が流れ、個人経営の細々としかし着実に経営できたきた塾の経営危機。
農業者への個別保証でいったい農業全体が良くなるのか、という疑問。
高速道路無料化は、大渋滞をつくり出して疲労とCO2排出を増大させ、鉄道、フェリーなどの公共交通機関の経営難をつくり出した。

正直言ってまともなものはあまりない。
早くやめろ!という論陣を張るべきで、少ない予算でやれるのかやれないのか的な「面白がった議論」をしているときではない。

逆に「脱官僚」という考え方は正しいし、事業仕分も間違ってはいない。
しかし、本当に「脱官僚」できているのか、という綿密な政策評価を行っているマスコミは少ない。
事業仕分も、いうまでもなく不十分だ。支持基盤である組織の既得権(例えば電機連合にとっての原発)関連の独立行政法人などには、何の有効な仕分も行なってはいない。

マスコミは「ヤーイできるのか」的な子供じみた記事ばかり書いていてどうするのか。
もっと本筋、本質をただし、深めるべきではないか。
民主党の多くの議員(だけではなく他の野党議員の多くも)は、そんなにアホではない。
きちんと掘り下げた調査、指摘、提案があれば、それなりに勉強し良い方向に進めていくものである。
しかし、子供じみた「冷やかし」記事ばかりでは、政治家も思考回路が消えていく。
日本の政治がこんなにお粗末な状態になった責任は、日本の言論界に大半の責任があると言っても良いくらいだ。

それにつけても、小沢氏の代表選立候補。これから数日間は、また政治空白が続いてしまうのだろう。このきわめて重要な時期に。
ほんとに情けない国である。













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