参議院選挙が終わってまだ2週間。
しかし「圧勝」した自民党政権からは、早くもいろいろな問題が吹き出して来た。
麻生財務相の「ナチスを見習おう!」という、とんでもない歴史認識。
安倍総理の対応を見る限り、同様の歴史認識で、「これは僕らの日常会話がオモテに出ただけじゃないか」的な態度。
この財務大臣が財務相会合のような国際会議に平気で出られると思うのだろうか。
この内閣の最大の欠陥は外交感覚で、集団的自衛権の解釈改憲で中国、韓国とますます関係を悪化させ、なし崩し的に交渉参加したTPP協議でもなす術もなく不利な条件を押し付けられて終わるだろう。
海外との約束ごとなど口先三寸、ほとんど「どうでも良い」と思っていることが、原発の海外輸出問題でも露呈しつつある。
少し、その行き詰まった現実を見てみよう。
安全確認ができないことを承知で原発輸出を強行
原発輸出はアベノミクスの重要な柱の一つだ。安倍総理自身が、アラブ首長国連邦やサウジアラビア、東欧諸国にもトップセールスをしている。しかし、安倍総理自身が「うたい文句」にしてセールスをしている「世界最高水準」の「新規制基準」が存在しないことが明らかになった。
原発輸出は、輸出をする相手国から建設費を支払ってもらうのではない。まず相手国にお金を貸すのだ。かりに5000億円なら、一括して日本の国際協力銀行もしくは日本貿易保険がお金を貸し、それを原発建設メーカーに支払わせ、相手国からはちびちびと少しずつ回収する。つまりODAの形式だ。かつて、原発輸出にはODAは使わないと言っていたのだが、これは事実上のODA。
そのお金を貸した政府系金融機関は「融資や保険加入」を認める前に経済産業省・資源エネルギー庁(以下「エネ庁」)に確認する。これまでは、エネ庁の中にある原子力安全・保安院が、輸出先の国や地域が、「適切な規制体制を整備しているか」、「放射線防護などの国際的な取り決めを守っているか」などを回答していたという。
しかし、原子力安全・保安院が廃止され原子力規制委員会が発足するにあたり、エネ庁から原子力規制庁に「業務の引き継ぎ」を照会した際、「外国の原発については事実上無理」という理由で「引き継ぎ」を拒否されたという。
ほんとうは、この時点で原発輸出はちょっと待て、ということになるのが普通だ。ところが、安倍総理はそんなことにおかまいなしに売りまくっている。まさに「口先三寸」本当の安全確認などどうでも良い!ということだろう。
毎日新聞8月3日記事「原発輸出先の安全確認なし」
http://mainichi.jp/select/news/20130803k0000e010147000c.html
手続の欠陥は事実上秘密にされていた
この事実は、毎日新聞社の情報公開請求で明らかになった。政府部内では当然わかっていたであろうが、まったく公表されず、手続上できないことが平然と推進されていた。これまでは「詐欺師政権」だが、これが公になってもやめないとすれば、「無法者政権」となるであろう。
現政権にとっては、そんな細かいことはどうでも良い。大事なことは政権の意志だ。原発を輸出しようとする確たる意志があるか否かが大事だ・・みたいなことを言うのかもしれない。なぜ細かな規制が行われているのか考えても見ないからだろう。
保険会社にとって、相手国がどのような規制体制を敷き、事故を防止するどのような対策がとられているのかは、保険金額を決めるにあたっても、そもそも保険を引き受けるかどうかの判断をするにあたっても重要な情報である。
それを確かめることができない状態で、はたして保険が引き受けられるだろうか。保険が引き受けられないような融資を金融機関はやれるのだろうか。答えははっきりしている。
では答えがあれば良いのか。保険会社にとってはどこの誰が答えたのかも重要である。ろくに調べもせず「合格」の大安売りをするような機関では大きなリスクになる。おそらく政府はエネ庁の中に「別の規制機関」をでっち上げて、この確認作業をやらせるだろう。それが「世界最高水準の新規制基準」と言い張るに違いない。
輸出原発の過酷事故による損害賠償責任
5月3日のブログ「安部内閣は国際原子力詐欺集団」という記事でも、「原発輸出は巨大なリスクの引き受け」であると書いた。「原子力災害に対する政府保証」をしているという問題だ。これに対し、政府は「原子力安全条約」を引き合いに出し、「原発事故の責任は規制する国(立地国)が負う」という規定をたてに日本は免責されると説明しているらしい。どちらが正しいか知らないが、あちらとこちらで二枚舌外交もまた「口先三寸」だ。
インドでは、製造物責任法がきちんと原子力発電にも適用され、原子力災害が引き起こした損害については、ちゃんと日本のメーカーに請求されることになるだろう。支払いきれなければ、政府が肩代わりし、ここでもまた東電同様に国民の税金で穴埋めが行われることになるだろう。
昨日は橋や鉄橋などの公共建築物の自治体調査がきわめておざなりに行われていたことをテレビで報道していた。専門技術者でない人が見に行って、確認すべきところを確認しないで「問題なし」と報告する。補修に予算が投入されず、新しい道路や堤防や実は今早急にいらないものに予算がつけられる、それがアベノミクスの国土強靭政策だとも説明されていた。いつの間に、日本はこんな「技術低国」になってしまったのか。原発輸出をめぐる「口先三寸」も、おそらく氷山の一角に過ぎないだろう。
しかし「圧勝」した自民党政権からは、早くもいろいろな問題が吹き出して来た。
麻生財務相の「ナチスを見習おう!」という、とんでもない歴史認識。
安倍総理の対応を見る限り、同様の歴史認識で、「これは僕らの日常会話がオモテに出ただけじゃないか」的な態度。
この財務大臣が財務相会合のような国際会議に平気で出られると思うのだろうか。
この内閣の最大の欠陥は外交感覚で、集団的自衛権の解釈改憲で中国、韓国とますます関係を悪化させ、なし崩し的に交渉参加したTPP協議でもなす術もなく不利な条件を押し付けられて終わるだろう。
海外との約束ごとなど口先三寸、ほとんど「どうでも良い」と思っていることが、原発の海外輸出問題でも露呈しつつある。
少し、その行き詰まった現実を見てみよう。
安全確認ができないことを承知で原発輸出を強行
原発輸出はアベノミクスの重要な柱の一つだ。安倍総理自身が、アラブ首長国連邦やサウジアラビア、東欧諸国にもトップセールスをしている。しかし、安倍総理自身が「うたい文句」にしてセールスをしている「世界最高水準」の「新規制基準」が存在しないことが明らかになった。
原発輸出は、輸出をする相手国から建設費を支払ってもらうのではない。まず相手国にお金を貸すのだ。かりに5000億円なら、一括して日本の国際協力銀行もしくは日本貿易保険がお金を貸し、それを原発建設メーカーに支払わせ、相手国からはちびちびと少しずつ回収する。つまりODAの形式だ。かつて、原発輸出にはODAは使わないと言っていたのだが、これは事実上のODA。
そのお金を貸した政府系金融機関は「融資や保険加入」を認める前に経済産業省・資源エネルギー庁(以下「エネ庁」)に確認する。これまでは、エネ庁の中にある原子力安全・保安院が、輸出先の国や地域が、「適切な規制体制を整備しているか」、「放射線防護などの国際的な取り決めを守っているか」などを回答していたという。
しかし、原子力安全・保安院が廃止され原子力規制委員会が発足するにあたり、エネ庁から原子力規制庁に「業務の引き継ぎ」を照会した際、「外国の原発については事実上無理」という理由で「引き継ぎ」を拒否されたという。
ほんとうは、この時点で原発輸出はちょっと待て、ということになるのが普通だ。ところが、安倍総理はそんなことにおかまいなしに売りまくっている。まさに「口先三寸」本当の安全確認などどうでも良い!ということだろう。
毎日新聞8月3日記事「原発輸出先の安全確認なし」
http://mainichi.jp/select/news/20130803k0000e010147000c.html
手続の欠陥は事実上秘密にされていた
この事実は、毎日新聞社の情報公開請求で明らかになった。政府部内では当然わかっていたであろうが、まったく公表されず、手続上できないことが平然と推進されていた。これまでは「詐欺師政権」だが、これが公になってもやめないとすれば、「無法者政権」となるであろう。
現政権にとっては、そんな細かいことはどうでも良い。大事なことは政権の意志だ。原発を輸出しようとする確たる意志があるか否かが大事だ・・みたいなことを言うのかもしれない。なぜ細かな規制が行われているのか考えても見ないからだろう。
保険会社にとって、相手国がどのような規制体制を敷き、事故を防止するどのような対策がとられているのかは、保険金額を決めるにあたっても、そもそも保険を引き受けるかどうかの判断をするにあたっても重要な情報である。
それを確かめることができない状態で、はたして保険が引き受けられるだろうか。保険が引き受けられないような融資を金融機関はやれるのだろうか。答えははっきりしている。
では答えがあれば良いのか。保険会社にとってはどこの誰が答えたのかも重要である。ろくに調べもせず「合格」の大安売りをするような機関では大きなリスクになる。おそらく政府はエネ庁の中に「別の規制機関」をでっち上げて、この確認作業をやらせるだろう。それが「世界最高水準の新規制基準」と言い張るに違いない。
輸出原発の過酷事故による損害賠償責任
5月3日のブログ「安部内閣は国際原子力詐欺集団」という記事でも、「原発輸出は巨大なリスクの引き受け」であると書いた。「原子力災害に対する政府保証」をしているという問題だ。これに対し、政府は「原子力安全条約」を引き合いに出し、「原発事故の責任は規制する国(立地国)が負う」という規定をたてに日本は免責されると説明しているらしい。どちらが正しいか知らないが、あちらとこちらで二枚舌外交もまた「口先三寸」だ。
インドでは、製造物責任法がきちんと原子力発電にも適用され、原子力災害が引き起こした損害については、ちゃんと日本のメーカーに請求されることになるだろう。支払いきれなければ、政府が肩代わりし、ここでもまた東電同様に国民の税金で穴埋めが行われることになるだろう。
昨日は橋や鉄橋などの公共建築物の自治体調査がきわめておざなりに行われていたことをテレビで報道していた。専門技術者でない人が見に行って、確認すべきところを確認しないで「問題なし」と報告する。補修に予算が投入されず、新しい道路や堤防や実は今早急にいらないものに予算がつけられる、それがアベノミクスの国土強靭政策だとも説明されていた。いつの間に、日本はこんな「技術低国」になってしまったのか。原発輸出をめぐる「口先三寸」も、おそらく氷山の一角に過ぎないだろう。
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