「戦略的投票」の確かな効果を教えてくれた沖縄

本日はいよいよ衆議院総選挙の投票日。
20時からマスコミ各局で開票即票がはじまっている。
とても不思議なことは、開票率0％から当選確実が出ることだ。
世論調査と出口調査で、実際の開票状況など関係なく当選が決まるとは、選挙という仕組みそのものを無意味化しているのではないか・・と感じる。
以下に早く、「選挙結果」を伝えるかというマスコミ各局の競争の結果なのかもしれないが、夜中まで開票作業を進めているたくさんの人たちの努力は、どう考えられているのだろう。
実際に、各社で当確の出し方が違うし、間違いでの訂正も今回は多い気がする。
現場の候補者や応援者たちにとって、これはとんでもない話しだ。

ただし全体的選挙結果は、マスコミ各社が事前予測していた通りの結果が出ている。
自民党300議席に迫る勢いだ。
投票率の話しがまだ出ないが、前回の57％から53％程度へ、4％～5％くらい下がりそうな感じだ。
有権者は1億500万人で、5％は500万人。
前回選挙で1000万人の棄権が増え、今回また500万人。
棄権者がどんどん増えて、それによって自民党を応援すると言う結果になっている。
自民党は固定的な支持層をもっており、20％～25％である。
投票する人が減れば減るほど、固定層の総投票数に対する比率は高くなる。
政治に不満があるからと、誰がやっても同じだからと、投票なんかしない・・と言う人たちが自民党を助けているということに、そろそろ気がついてほしいのだが。

さて、今回、私たち緑茶会が提案した「戦略的投票」はどのくらい実践されただろうか。
いろんな人たちが、twitterやフェイスブックなど、SNSで広げてくださった結果か、北海道や愛知ではそれなりの結果が出ているようだ。
そういう中で、明確に「戦略的投票」の結果といえるのは沖縄。
沖縄1区で共産党の赤嶺さんが勝利、沖縄2区では社民党の照屋さん、沖縄3区では生活の玉城さん、そして沖縄4区では仲里さんが勝利で、小選挙区ではすべてで自民党が敗れた。
これは「オール沖縄」、翁長知事を誕生させた力が、各党の候補者を調整し、選挙区で一本化した結果だ。
沖縄1区では、この一本化を無視して維新の下地が立候補し、とても厳しい状態にあったが、有権者はきちんと「オール沖縄」の選択を支持した。
沖縄1区では、本来は自民党や民主党の人も、辺野古基地建設反対でまとまって、共産党の候補者であっても投票し、沖縄4区では共産党の支持者が元自民党の仲里さんに投票を集中した。
これこそが、私たちが提案した「戦略的投票」のまさにひな形ではないだろうか。

「戦略的投票」の重要なポイントは、政党側、候補者側の調整だ。
今回は、有権者側にだけ呼びかけたが、本当は政党側、候補者側が、これを意識して調整し、「オール野党」として呼びかけるということが理想。
残念ながら、今回の選挙では、不意打ち解散のおかげで、否応なく候補者調整をせざるを得なかっただけで、片方で候補者調整しながら、片方で他党をなじるという状態。
そのことが、有権者に「本当は勝てる」ということを伝えきれなかった原因とも言えるだろう。

有権者にそういうメッセージが伝わり、投票率が5％下がるのではなく、5％上がっていたら・・、選挙結果はかなり変わっていたはず。
詳細な分析は、選挙結果の全体が見えてきたあとにするが、とりあえず現時点でのコメントをお届けしておく。
けして自民党が勝ったわけでなく、多くの「棄権票」が育て上げる「自民党の一強」ということ。
「棄権票」の有権者がそのことに気づけば、政治は確実に変わるし、そのことをどう伝えて行くか、あらためて大きな課題として確認した。