磯輪日記

世界の段ボールビトを幸せに!
自分と自分の愛する家族の幸せのために働ける
世界一社風のいい会社を目指しています。

お詫びを兼ねてご報告

2015年03月25日 21時30分12秒 | ISOWAの風土改革

昨夜の二代目・定時後ミーティングでは、電子技術のIさんが『機械の安全』
について話し合いたいとテーマを出してくれていたんですが、このテーマが
良かったのか、大勢の初参加者がありました。


三重大学の学内説明会でのことがあったからでしょう、リクルータの技術のSくんも
初めて参加しました 笑

ただ、ここで私が誤解していたことが発覚。

三重大の説明会の日のブログで、私は、

> ただ欲を言えば、ある学生からのとてもすばらしい質問に答えられなかった
> ことが残念でしたね。どういう質問だったかは、ぜひ彼に聞いて下さい。
> そしてSくんは、次回からはこの質問に自分なりの答えが言えるようにして
> 欲しいですね。

と書きました。

会場は各社が説明を行っており、学生向けにと持参したイヤーフォンが上手く
作動しなかったので、Sくんの説明や学生の質問がしっかりとは聞き取れない
状況でした。

そんな中、ある学生がSくんに質問したんです。

 「会社のビジョンは何ですか?」

こりゃ~、いい質問だ。Sくんは何と答えてくれるだろうと楽しみにしていたら、

 「わかりません」

これには 

それで上記のようなブログになったのです。


ところが昨日のミーティングで新事実が発覚しました。あの時の学生の質問は、

 「会社のビジョンは何ですか?」

ではなかったのです! 

学生の質問は、

 「20年後の会社のビジョンは何ですか?」

でした。

こりゃ~難しいよね。Sくんが答えられなかったことも納得です。
だって私だって、現時点でのビジョンは定めているものの、20年後のビジョン
と言われると、そこまでは考えられていない。

そうと知ったので、早速、Sくんにその場でお詫びしました。
そして、もう一度同じような質問があった場合に備えて、

 「私もまだ分からないから、一緒に考えよう!」

とSくんへのアドバイスしました。


さて本題の『機械の安全』については、テーマに掲げた理由を当のIさんから
語ってもらいました。

 「機械の安全というと、危険な個所をカバーなどで覆うことが
  ドンドン増えてきますが、オペレータの方にとっては使い勝手が
  悪くなる一方です。
 
  安全と利便性は相反するものじゃなくって、それを両立させる
  ような開発ができなかと思って」

このIさんの話はとても新鮮で、ショックを受けました。

  安全=不便であり、その不便さを認めないお客様は安全意識が低い。

こんな発想だった自分自身のレベルの低さを自覚させられるIさんの投げ掛けでした。


これを受けて、知財の中で安全担当しているIくんから、先日、技術者向けに実施した
安全のセミナーの肝を披露してもらい、

  本質的な安全とは何か?
  
  それを示している他産業での好事例は?

  ISOWAのマシンで危険に見えることの中で本質的な危険は何か?

  本質的な安全を追及するからこそイノベーションが生まれる

など議論して、

  機械開発のキーコンセプトとして『安全』があるべきで、
  それが本当の『安全第一』。 

  生産性などがまずありきで、安全は付いて回りじゃだめ。

  それなら『i機』第1号のミングルはそのものずばりだね。  

  堂々とまず安全を掲げられるような開発をやっていこう。


こんなとても清々しい話し合いができました。


ちょうどこれに先立つ 戦略言語化ミーティング で、スコラの高橋さんが、
少し前からスコラの柴田さんが話題にしている『資本主義と民主主義』に
ついて紹介してくれましたが、私は、それを私なりに、こう解釈しました。

  論語とそろばん というけど、実は、我々企業、企業経営者に
  とって、そろばんは前提である。
  そろばん勘定が合わなければ、社員の幸せ、お客様への価値提供も
  続かないから。

  しかし「論語とそろばん」という考えは、そもそも「論語かそろばんか?」
  と二者択一を迫ったり、優先順位を議論することとは本質的に異なる。

  企業経営において、そろばんは大前提である。問題はそのそろばんの
  中にどれだけ論語を持ち込むことができるか、それを本気で中核に
  据えることができるかという経営者の覚悟が問われているんだ。


だからこの夜議論した安全も同じことだと気付きました。

  安全か利便性か? 安全は不便。

こういう安易な All or nothing の発想に陥るのでなく、大前提に安全を据え、
そこにイノベーションを働かせ、いかに利便性を取り込んでいくか。

これがモノの作り手に問われているんだ。

これから実際に開発していくISOWAのi機で、世に示していきます。


ミーティング後、安全担当のIくんに、

 「法規的に安全を語り、開発者の安全意識を高めるに留まらず、
  もっと具体的な事例も調査したうえで、各機械の開発の
  スタート時に、設計者と一緒になってまず安全を話し合える
  ようになってこそ、本当の安全担当者じゃない。
  そこを目指してくれよ!」

とお願いしました。

Iくん、目指せ、ISOWAの CSO(Chief Safety Officer)


次回もひとりでも多くのISOWAビトが参加してくれることを楽しみにして
います。 




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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
全く同じです (小林吾一)
2015-03-26 02:52:30
名古屋大学フォーミュラチームFEMの小林です.

「安全のセミナーの肝」という部分がまったく私たちがやっているマシン開発そのものだなと感じながら日記を読んでいました.私たちはレーシングカー開発なので速さを追求していくわけなのですが,

本質的な速さとは何か?
それを示している他大学の好事例は?
FEMのマシンが遅く見えることの中で本質的な遅さの要因は何か?
本質的な速さを追求するからこそそこにイノベーションが生まれる.
速さ or 生産性・整備性? そういうマシンは遅い?
そこにイノベーションを起こしていかに相反する性能を両立するか…
これがマシンをつくるメンバーに求められていることだ.

「本質,~とは何か,イノベーション」
こういう内容を定時後ミーティングとして,真剣に考え,議論するという風土がある…
FEMもこういう議論がもっともっとできるチームになりたいと思いました.
返信する
滅相もございません (技術3年目S)
2015-03-26 07:43:23
一昨日はありがとうございました。

そして、社長に謝って頂くなんて
とんでもございません。


20年後となると、
ちょうど製函機のサイクルでもあり、
現在新規据付けで御縁のあるお客様の
更新時期にもなります。

業種柄、もっと真剣に考えておくべき
未来でもあるため、良い機会だったと
捉え、今後の課題としたいです。


そして本題の機械安全です。

安全に関しての想いとしては、
今後、自分の設計した機械でお客様を
危険な目に遭わせたくないというのが
イチバンの本心です。

まだまだ3年目で本格的な設計も
これからという段階ですが、
常に安全を念頭に置いて設計を
行っていきます。

今回の機会を頂き、
ありがとうございました。
返信する
期待しています (Kevin)
2015-03-26 08:13:47
労災があると、その人の人生を滅茶苦茶にしてしまう可能性があります。

Isowaのイノベーションに期待しています。
返信する
安全&利便性→新価! (電子技術のI)
2015-03-26 12:05:55
自分の担当している機械がまさに 安全=不便 というスタンスに安寧している事への呼びかけでしたが、ミーティングに参加された方々は、担当している機械や部署などバリエーション豊かで、それぞれの視点で語ってもらえてとても有意義でした!

コルゲータにまだまだ多い『安全でない箇所』の問題提起も、コルゲータにすっかり慣れてしまった視点では気付きにくいことでした。

また、安全に厳しいアメリカの工場の意外な事例や、本質的な設計安全をしたらイノベーションをするしかなかった他業界の事例の紹介は、『安全』とは何かを理解するのにとてもわかりやすかったです。

『本質的に安全にする』視点から考えることで、これから開発される機械、従来の機械の改造に安全と利便性と両立できる新しい発想をすることができるかもしれず、それが新価となるかもしれません。
ISOWAの新価を作りだせるよう安全も設計していくようにします。
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本当の安全担当を目指して (安全担当のI)
2015-03-26 18:23:23
ミーティングでは私も安全セミナーをもとに安全について少し話をさせていただきました。
しかし、まだまだ安全に関して勉强することばかりです。

社長のおっしゃるように、法規的な安全を伝え、開発者の安全意識を高めることも非常に大事ですが、各機械の機械安全について話し合えるようにならなければなりません。
機械のことについてもまだまだ勉強中の身ですが、安全のこと、各機械のことに、より深くまで話し合えるような本当の安全担当を目指して、引き続き頑張ります。

実際の現実を考えるとまだまだ難しいところが多いですが、堂々と安全を語って、お客様に安全第一の機械、i機、を提供できることを目標にしていきたいと思います。
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先日はありがとう (磯輪)
2015-03-26 20:27:26
 小林くん

先日の大学の企業展では声を掛けてくれて、ありがとう。

参加者の意識の高さが必要だよね。
若いISOWAビトの真剣さがすてきでした。
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よく参加してくれました (磯輪)
2015-03-26 20:36:38
 Sくん

三重大でのハプニングから今回の参加へと。
これもご縁だね。
今後のSくんの粘り強い開発を楽しみにしています。
ありがとう。
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励みます (磯輪)
2015-03-26 20:39:02
 kevinさん

おっしゃるとおりです。
労災フリーのマシンを目指したいです。
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ナイステーマでした (磯輪)
2015-03-26 20:41:06
 Iさん

いいテーマのおかげで、いつもより多くの参加があり、
そこでとてもいい話し合いができました。
日ごろみんなが真剣に考えている成果だと思う。
ぜひ安全と利便性の両立を実現して下さい。
応援します。
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決まったね (磯輪)
2015-03-26 20:43:14
 Iくん

ISOWAでのIくんの生きる途が決まったね。
ISOWAのCSOになってくれ!
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