良かったのか、悪かったのか

神奈川、そして東京と、お客様を訪問し、浅草から地下鉄の銀座線に乗りました。
そう今、ニュースで、

「列車の下から発煙して、全線ストップしています」

と報道された銀座線です。 汗


銀座線の浅草駅は終着駅で、ここで折り返して、渋谷方面へ戻ります。

入って来た列車に乗り込んで、典型的日本人らしく一番端っこの席に座りました。



こんな感じです。


ここから終点の渋谷まで行くので、３０分以上掛かります。
まずはひと息ついて、おもむろにiPhoneを取り出して、メールをチェックしたり、
小雨模様だったので、使った傘を収納したりしていたら、何やら手元がゴソゴソします。

目をやると。。。 傘です。
これは、事後に私の傘を使って撮ったイメージ写真ですが、



私の右脇の手すりに引っ掛かっていました。

「あ〜あ、誰か忘れたんだ。。。」

結構高級そうな、女性ものの折りたたみ傘でした。

てなことを思ってたら、運転手さんがホームを歩いていくのが目に留まりました。
で、

「スミマセン。 これ忘れ物です。ここにありました」

と傘を差し出しました。

すると運転手さん、感じ良く、

「そうですか！ ありがとうございます」

とお礼を言って、後方へと去って行きました。


ヤレヤレ と思った反面、

「万一、傘を忘れた人が取りに戻って来たら、かえって悪いかな〜」

とも思ったんです。


折り返し列車なので、出発までしばらく時間があって、そのまま電車はホームで
待機していました。

するとそこへ。。。

私の目の前のドアー付近のホームにひとりの女性が現れました。
でも乗っってこないんです。 開いたままのドアーの外で、何だか、ソワソワ、
キョロキョロしてるように見えるんです。

「この人、ひょっとして傘を忘れた人かな？
傘探してるんじゃないだろうか？」

嫌な予感が当たっちゃったんじゃないかという引け目があるので、余計そう
見えるのかもしれません。

あれ、手に持ったバッグの中も、探し物するように見てるようにも見えるよ！

こうなったら、悩んでいても仕方ないので、席を立って、その女性に近付いて、

「もしかしたら傘ですか？」

「ハイ」

「そうですか！ 今、運転手さんに渡したところです。
傘を持って、後方へ歩いて行きました」

「そうですか！」

と言って、慌てて後方へ歩いて行きました。


その姿を見送りながら、

「やっぱり持ち主は上品そうじょせいだったな〜。
でも、届けなかった方が良かったかな〜」

とついつい思っちゃいました。


何分か経ったところで、発車のチャイムがなる頃、空いたドアの向こうから、先ほどの
女性が顔を出し、深々とお辞儀して、

「ありがとうございました」

とわざわざ伝えに来てくれました。


「良かったような、悪かったような」と悩んでいたけど、やっぱり「良かった」んだ！

私の方こそ、

わざわざありがとうございました。

でした。