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はじめての哲学

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抜粋 E・トッド『グローバリズム以降』アメリカの失墜と日本の運命 聞き手・朝日新聞 朝日新書 2016年

2018年06月11日 | 読書



 英国は欧州の危機から身をかわすためにEUの離脱に投票したのです。


 ドイツは欧州を管理することができない。あまりに自己中心的なのです。ドイツは帝国の建設には才能がない。


 シーア派とスンニ派の対立を新しい宗教戦争ととらえる見方がよく語られます。しかし、私は、これは宗教戦争ではないと思います。スンニ派とシーア派が対立しているのはその通りですが、それは、両派はともに信仰が消滅しつつあるという文脈の中でのことです。これは「脱イスラム化」が進み、人々がその代わりになるものを探している中で対立が起きているのです。


 結局、欧米を最終的に支配するようになったのは、経済的苦合理性ということです。それは経済的な楽観主義でもあります。人は今、利益率でものを考える世界にいるようになりました。


 経済は、何がよい生き方かを定義しません。


 日本は「極東」というより「極西」なのです。


 以上のように、四つの要素、つまり①共同体的な信仰の喪失②高齢化③社会を分断する教育レベルの向上④女性の地位の向上、これらを合わせると、私たちは全く新しい世界にいるということになるのです。人類学的な革命といえるでしょう。


 不平等を受け入れてしまう日本の文化


 日本には移民は少ないけれども、非正規労働者として他国であれば移民労働者が受けるような扱いをされている人たちがたくさんいます。いわば国民を移民労働者にしています。帰る祖国さえない移民です。


 ユーロは憎しみの製造機になっている。


 とくに欧米や日本など先進諸国で支配的ですが、それは自由貿易こそが問題の解決策だと考えるイデオロギーです。グローバル化が進んだ今の時代に権力を握っているのは、実際のところ政治家たちではなくて、自由貿易という経済思想なのです。


 中国は自分の畑をまず耕すべきだろう。(内需拡大政策への転換)


 識字率の向上は人口面にも革命的な変化をもたらす。





*二〇一八年六月十一日抜粋終了。
*この本がインタビュー方式によるためか、論理展開がなく、アジ調に終わっている。
*「切り取り」主義と局部照明のようなトッドの方法論は、一点豪華方式(出生率)でいただけない