小学生の3年生のころだったろうか。大山先生は背丈も180センチくらいの大男だったが
いがいに 神経繊細で 時々 グリム童話集なんかを読んでくださった。あるとき 東北の地震の話しがあった。そうだった。大津波が来たという話しだ。
大津波は 10メートルを超えるんだぞ。
「先生 先生 10メートルというたら どれくらいだ。」
『そうだね。この学校の2倍くらいのだね。人も建物もぜーんぶのみこんでさらっていくんだって。』
『そうだ。そんな時 に 津波 喜太郎という人がいたんだって。 朝から行方がわからないので
消防団の人たちがさがし回った。 おーい つなみ きたろう どこにいるんだ。
つなみ きたろうよー。
の人はぶったまげた。津波が来たと聞いてしまったから みんな山に逃げたって言う話だ。』
「先生それほんとか。」
『さあねーそこまでしか聞いとらん。』
今から70も前の話だが、東北の津波災害は私にとっては 想定外のことではなかった。
津波が着たら高台に逃げろ。よく暴風にみまわれる私たちは 台風のときやはり10メートル位の大波は経験しているが、台風のなみと津波の浪は違うのだろう。