現代版徒然草素描

勝手気ままに感じたままを綴ってみましょう。

こうなったら意地でも寝てやるものか(人間になりたかった犬の物語)

2016-03-29 19:05:46 | ブログ
お昼が済んだころ、この家の夫婦はひそひそ話をしている。「生協さんの配達を受け取って、マメが寝たら散歩に行こう」と、

「私も家族の一員じゃないのか」とはいうものの、最近は五体不満足状態です。

犬も十九歳を過ぎると憐れたものだけど、柴犬は勘が鋭い。勘は癇(しゃく)でもあるらしいけど、・・・。

「こうなったら意地でも寝てやるものか」と思っていましたが、柔らかい餌を食べさせられた。抱っこされてスプーンで口に運ばれちゃう。なから、一パックいただいた。犬じゃきに、それに水も飲まされた。

勢い眠気が襲ってくる。何かキンコンという音はした。生協さんらしい。ここまでは記憶にあるけど、後がいけない。

「ねぇ。いびきかき始めたようだよ」と、…。この夫婦はアイコンタクトでも意味が通じちゃうところがあるらしい。

結局、置いていかけた。つれていかれたところで足手まとい極まりないが、・・・。

「今日は幾分長め目に歩くらしい(何か眺めることでもあるのでしょうか)。こうなったら、早めに目を覚まして、帰ってくるころ吠えまくってみるか」これをまくしたてるとか言うらしいが、・・・。

「私を騙そうと思ったものやら、そうはイカの何とかやらと思い知らせてみましょうか、ねぇ」

帰ってくるなり、「何か、吠えているんじゃない」二十年近く一緒に住んでいるとたいがいはお見通しである。

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