現代版徒然草素描

勝手気ままに感じたままを綴ってみましょう。

作戦指令

2009-03-29 17:05:12 | オペレーション

【幻の戦艦大和2を撃沈せよ】ゲームソフトのアイデア

 ここに一隻の幻の戦艦が就航した。その容貌はなんとも不思議な格好をしているではないか。大和級の大きさにも係わらず主砲と言うものがない。見物人たちは口々に「あれで戦艦といえるのか。」「戦艦と言うからには何文かの主砲を装備してあるものなのに、今までの考え方では通用しない時代になったのだろうか。」「防空能力だけを極端に高めただけで一体どう戦うのだろう。」装備品や作戦関係に詳しい人はそんな事を言い出している。

「甲板から上はハリネズミを大きくしたような格好で船体に乗っかっているだけではないか。」「一体どんな作戦に参加しようとしているのだろう。」「俺たち素人の頭では理解できないではないか。」「新聞やニュースではなんといっていたのか知っているか。」「イャ、何も言っていないぞ、軍事上の機密と言うやつかもしれない。」「それにしても大きいなぁ。」「一体何万トンあるのだ。」「6万トンは超えていると言っていたが,そんな大きなもの必要なのか。」「あれだけの物を作るなら航空母艦2隻ぐらい出来てしまうが、作戦上重要なものなのか。」等々である。あちらでもこちらでもそんなやり取りが繰り返されている。

実際のところ、この戦艦は作られていない。学とゼミの仲間数人の頭の中就航したに過ぎない幻の戦艦ということになっているゲームソフトのアイデアである。この戦艦の特徴はその容姿から「ハリネズミの戦艦」と言われている。主砲というものがない代わりに5方向にそれぞれ120門ずつ10~12センチ砲が無数に並んでいるだけである。それでもかいくぐってくる飛行機には機関砲の陣地【真田丸】を各方向に何箇所か設ける。このアイデアは大坂の陣で鉄砲隊を組織した真田雪村の出城のアイデアを拝借しているのでそのように命名している。

何でもその大砲は敵の航空兵力に対して一切標準を合わせる必要がなく決められた所をたいした誤差のないように、決められた間隔で発射していれば良いのである。砲弾とその爆発した直径、ここでは威力の及ぶ範囲に到達距離に応じて立体的に配列された格好になるということである。一定の空間を立体的に砲弾のバリアーにしてしまうという発想である、

その結果、航空機は魚雷を発射するにせよ。爆弾を投下するにせよ。この範囲に入り込まなければ発射できない。飛行機の持つ速度によってどこかの砲弾やその威力の及ぶエリアに入り込まなければ攻撃できない構造になっている。飛行機自らどれかの玉に当たってしまうということである。

大型機はこの範囲ではないが、其れは空母には乗らない。相手の空母の能力は艦爆機【爆弾を上空から投下して攻撃する飛行機】雷撃機【魚雷で攻撃する飛行機】それぞれ30機ずつ、戦闘機20機搭載能力のある航空母艦で、それ以外の装備能力【例えば、砲弾、爆弾、魚雷等は無限にあるものとする。また、必要に応じて作戦指令の立て方によっては空母の戦闘機(この作戦に防衛、防空戦闘機はたいして意味がない。)の比率を落として爆撃機、雷撃機に変えることが出来る。】

実際、完全ではないが、この事を実行した陸軍の記録が残されているはずである。先の大戦の末期に

北海道
で試みられた。高射砲、大砲、戦車、大型機関砲などを組み合わせ進入してくる小型機(空母艦載機と思われる。)の撃墜率を上げることが出来た。(アメリカ側の記録では「一体なにが起こったのだろうか。」というパイロットの感想が記載されていたようだ。)という記述が残されていたと記憶している。

残念ながら、この資料は私の手元にはない。現在のミサイルを使うと言う作戦には時代遅れのものであるが、少なくとも先の大戦では通用した防空能力の非常に高い戦艦ではなかったかと考えている。

この発想の基本的なことは学が中学の時のクラスマッチでハードル競技の選手たちが上手にハードルをクリアーできるのに、驚かされたという実体験がある。走る速度とか、歩幅や歩数は決められているといえるが、休み時間自分が何回も挑戦するもどこかのハードルに捕まってしまった。

この経験が後日、オペレーションリサーチを研究する仲間たちと議論に遡上してくることになったのだ。学の若い頃の実体験が課題を解く鍵になったのである。「立体的に一定の空間を砲弾又はその威力でバリアーが設定できれば極端に防空能力が高まりはしないか。」と言う発想になったのである。ゼミの中ではそのデーターを作っただけで実際ゲームソフトまでは出来ていない。

その時のデーターでは飛行機の行動半径並びに爆弾、魚雷などは先の大戦時の日米の装備品のデーターで換算したものである。飛行機の行動半径は彼岸の飛行機の能力を足して半分にしたと記憶しているが確証はない。

また、幻の戦艦大和2のほうは上空からの爆弾24発ぐらい、魚雷は4~5発×3~4を被弾した場合に沈没すると言う設定にした。何故なら、片側が進水した場合に反対の船室に水を入れて傾きを回復すると言う技術は既に実際の大和他には応用されていたためである。

勿論、武蔵にもこの機能が搭載されていたが、米軍は武蔵を沈没させた時に学習が出来ていたものと考えられる。実際大和を攻撃した記録を開くとどうも片側からしか攻撃していないのではないかと思われる節がある。なせだか、その記述は見当たらない。

作戦上の機密扱いであったのかもしれない。喫水線は下がるし進行速度が劣るが戦力は極端に低下することは無い。その結果のデーター他は現在何処にあるのかは不明になっている。企業などの経営者にこのプログラムを使用していただいて経営などの意思決定に応用していただきたいと考えているがいまだ実現していない。どこかのゲームソフトの会社で使っていただきたいアイデアである。

   【参考文献、戦艦武蔵 吉村昭著 新潮文庫 大和と同型艦である。】

   【参考文献、男たちの大和 どちらかといえば映画の方である。】


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