歴史とドラマをめぐる冒険

大河ドラマ・歴史小説・歴史の本などを中心に、色々書きます。
ただの歴史ファンです。

私の「ほんとにあった怖い話」・論理破綻したインチキ怪談(の面白さ)

2020-10-31 | トンデモ
私は、子供の頃から怪談が好きで、「怪談慣れ」しています。以下の話(の冒頭部分)は、私にとっては怖くもなんともなく、実際、怪談を語るわけではないのですが、人によっては怖いかも知れません。また「そんな経験しながら、平気ってどういうこと、お前が怖いわ!」となるかも知れません。つまりはご用心を。


いきなりですが、私は金縛りにあったことも、なんなら幽霊を見たこともあります。でもすべて脳が起こした「幻影」です。金縛りは科学で説明できます。幽霊は幻です。怖くもなんともありません。

もっとも金縛りも幽霊も18歳の時だけです。浪人だったのですね。勉強ばかりで精神が不安定でした。「金縛り慣れ」していて、抜け出すことも可能でした。ある日、また金縛りになって、「もういいよ、金縛り」とか心でツッコミ入れていたのですが、抜けようと目を開けると(実際は開いていないのです)、そこに幽霊がいて、私を見ていました。「こんにちは」と言いそうになったのですが、やめました。「まずい、幻影だ」と思いました。それで金縛りの方を選んで、金縛りから抜けるのをやめました。私の体は押し入れに引き込まれていき、気が付いてたらどこかの図書館でした。という夢。本当に気が付くと、もちろん自室でした。「やべ、幽霊まで出てきた。大学入らないと」と思いました。大学に入ったら金縛りは全く起きなくなりました。

でも「ほんとにあった怖い話」は、まず泥酔状態で運転をした21歳の記憶です。泥酔すると右折優先か直進優先かもわからなくなります。人生でただ一回です。今思い出しても「リアルほんとにあった怖い話」です。人を殺していたかも知れません。泥酔ですから、完全に殺人です。若気の至りじゃ済みません。本当に怖い。

次のは「肝試し」の友人です。肝試しは怖くないけど、友人の感覚が怖いのです。お墓でした。ところが一人が消えたのです。大学の時の肝試しなんて、女子と組んでそれを楽しむって甘いもんですが、この肝試しはマジでした。一人で行って一人で帰ってくるのです。焦って「消えた友人」を探しましたがルートにいません。まさか墓の奥深くに行けるわけもありません。本当に怖い場所なんです。危険人物の存在とか現実的な危険もありました。ところが、墓の奥の奥からその友人が歩いてきます。「物音がして、影が走った。怖いから確認していた」と言いました。ぞっとしました。「圧倒的にお前のその感覚が怖いわ!」とみんな「どん引き」しました。

最後は小学4年で読んだ「子供だましの怪談」です。インチキおやじの怖さです。論理破綻甚だしい。学校のトイレの幽霊を探しに行った子。夜中2時。ドアが閉まっている。男の子がトントンと叩くと「トントン」と入っているという音がする。男の子は思います。「おかしいな、こんな夜中に誰だろう」。そんなわけあるかい!逃げるだろ。とツッコミ入れながら読んでました。
で最後の一文「たけし君は翌朝、気を失っているところを発見されたが、何も覚えていなかった」、、、マジか。おい、じゃあ誰が今までのストーリーを語っているのだ。こんなインチキが子供にばれないと思っているインチキおやじが怖いわ!中岡俊哉!と明確にそう「言語化」して思いました。中岡さんが作者です。実際母に「おかしい」と訴えたのですが「怖い話でしょ。おかしくないわよ」と言われました。「おもしろいという意味じゃない」のですが母は「おかしい=おもしろい」ととったのです。母は相変わらずの天然でした。私と違って「論理的整合性」なんて面倒なことを考えない善良な人間。愛すべき人です。

「ほんとにあった怖い話」、録画しましたがまだ見てはいません。伊藤健太郎君が出演していて、で、ガタガタしたようです。伊藤君は私と違って事故を起こしてしまった。私は泥酔しながら21の時、事故を起こさず、その後反省して一切やらなかった。紙一重という気がします。(この部分は志賀直哉の「城の崎にて」のパクリですが、実感でもあります)

まあ実はそれより、稲垣吾郎さんがまだMCのようで、大変うれしい。頑張ってほしいと思います。

「光秀のスマホ」「麒麟がくる」外伝・「どうせなら全員生かしてしまおうホトトギス」の巻

2020-10-31 | 麒麟がくる
ある程度歴史の事実に合わせて、光秀と信長を両方とも「長生きさせる」方法はあるかを考えてみました。無論「トンデモ設定」が必要です。可哀想ですが、ある程度の人々には史実通りに死んでいただかないといけません。このぐらいトンデモにしないと無理なようです。柴田勝家・織田三七信孝には悪者になってもらいます。ただしタイムスリップは使いません。それが使えるなら、現代にタイムスリップさせて、助けてしまえば簡単です。

帰蝶・信長・十兵衛・煕子・信忠が「現代で繰り広げるドタバタコメデイ」は、もう誰かが小説にしているかも知れませんし、それはそれで面白そうです。「俺って人気者なんだな。でも人気が出るとディスるやつも多いから、考えもんだね、帰蝶」「最近はどうも私の方が人気があるぞ。アンチ帰蝶はほぼ0だぞ。私の勝ちー」とか信長と帰蝶に言わせてみたいものです。しかし今回はタイムスリップは封印します。私は「女信長」の情報を知りませんが、もしかすると似ているかも知れません。

天正10年、1582年5月、本能寺の変の年、十兵衛は信長に呼び出され、本能寺に向かいます。そこには帰蝶と織田家嫡男、織田信忠がいました。

信長「十兵衛、これを見ろ。この手紙を」
十兵衛「なんと、3男織田信孝殿、ご謀反!」
丹羽長秀「それだけではない、津田信澄殿も加担しておる。十兵衛殿の縁者であろう。」
信長「信澄ごときはいい。わしにとっても甥ぞ。問題は次の手紙だ」
十兵衛「信孝殿擁立には、柴田殿、滝川殿も加担!まさか」
信長「滝川も信孝も柴田に踊らされているらしい。首謀者は権六だ。しかしここまで裏切られれば、もう笑うしかなかろう」
十兵衛「手紙は、羽柴秀吉殿からですな」
信長「あやつは、中国にいながら、これだけの情報を送ってきよった。神か天狗じゃな。もう呼び寄せたがな。」
十兵衛「しかし本当でしょうか」
丹羽長秀「わしが証人じゃ。柴田勝家からはわしにも誘いがあった。3日前までわしは信孝様といた。四国遠征軍じゃ。」
帰蝶「十兵衛、そちは近畿管領であろう。この情報つかめなかったのか」
十兵衛「申し訳ありません」
信長「申し訳ないでは済むまい。帰蝶と話しあってな。この際、明智家は取り潰しとすることにした」
十兵衛「仕方、、、ありません。御意のままに」
帰蝶「それとな、十兵衛、この際、織田家も取り潰すことにした」
十兵衛「はあ」
帰蝶「十兵衛、織田家は私と十兵衛と信長様で作った。けれど大きくなり過ぎた。無理をし過ぎた。人を殺し過ぎた。そして人々の信を失ってしまった。織田家が天下人である限り、麒麟はこない。」
信長「だから織田は一代で店じまいじゃ。信忠もわかってくれている。わしにもまとめられぬ織田を、信忠に任せるのは酷であろう」
十兵衛「いやいや、変でしょ」
信長「変ではないわ!わしがいなくなれば、滝川についている関東の国衆は離れていく。滝川も生きては戻れまい。信孝の四国遠征軍も所詮は寄せ集めじゃ。この信長が死んだと聞けば、雲散霧消するであろう。残るは柴田のみだ」
十兵衛「死ぬなどと。切腹などもってのほか」
信長「おいおい、誰が本当に死ぬと言った。死んだことにすればいいだけだ。」
帰蝶「十兵衛、十兵衛には天下人織田信長を作った責任がある。その責を負ってもらう。汚名を着てもらいます。許してほしい。」
十兵衛「わたしが、、、、信長様を殺せばいいのですな(やだなー)」
信長「さすが、話が早いな」
十兵衛「しかし次の天下人は誰に、、、、あっ、、、羽柴殿ですな」
帰蝶「秀吉の知謀は底しれぬところがある。人々に支持される天下人。あの男しかできぬであろう」
十兵衛「しかし秀吉殿にはお子がおりませぬ。秀吉殿の天下、続きましょうか」
帰蝶「だからもう一人、生きてもらわないといけない人間がいます」
十兵衛「それは、、もう誰でもわかるけど、、、家康殿で、、、ございますな」
信長「家康は慎重すぎるところがある。秀吉ほど機敏でもないし、芝居もできぬ。が、ねばり強く信念を持っておる。藤吉郎が暴走しないためにも、家康を対抗馬として残しておくことにする」
十兵衛「で、信長様は」
帰蝶「京にいますよ。信忠は堺に行きます。信忠は商人になって、世界を相手に貿易をしたいと申しています。堺の今井宗久も、協力してくれることになっています。納屋の家に入るのでしょ。名前はもう決めたの、信忠」
信忠「はい、母上。助左衛門に決めました。納屋助左衛門。ルソンと貿易をするつもりですから、ルソン助左衛門を名乗ります」
十兵衛「で、柴田殿は。信孝様は」
信長「それは藤吉郎が考えよう。だが信孝は生かしてはおかぬ。秀吉が殺せないというなら、2男の信雄に殺させるまでだ」
ここで藤吉郎登場。
藤吉郎「殿、殿、勘弁してくだされ、十兵衛殿、十兵衛殿からも言ってくだされ。そんなトンデモないことしなくても、ただ柴田・滝川殿、信孝様を討てばいいだけの話ではありませんか」
帰蝶「トウキチ、織田家が天下人である限り、人々は織田を恐れ、謀反の種は尽きない。そちは世間では人を殺さぬ男と思われておる。下ってきたものは殺さず活かす」
藤吉郎「と言って、こんなトンデモない芝居をうたなくても。それに三七信孝殿は殺しはしませんぞ。信忠様、ルソンに落ち延びさせてくだされ」
信忠「心配するな。あやつは乗せられただけだ。きつく叱っておく。任せておけ」
十兵衛「藤吉郎殿、わしはそなたがさほど好きではないが、それでもこの世でこんなずる賢い、いや真に賢い男はいないと思っておった。しかも発想が人とは違う。たとえば検地、楽市楽座、そちが領内で行った政治をみて、わしは舌を巻いた。近頃は人を殺すことにも迷いを覚えるようになった。それが本来のそちなのだ。そちならできる。荘園をなくせ。世を救え。新しい世の扉は、羽柴秀吉が開くのだ!麒麟を呼ぶのだ!」
藤吉郎「そういわれると悪い気はしませんな。でも上様が堺の商人とは。」
信長「馬鹿か。誰が商人になどなるか。それは信忠じゃ。わしは朝廷に入る。近衛か二条に入り込んで、大納言にでもなり、お前を監視する。あとは蹴鞠でもして帰蝶と遊んでくらすわ」
藤吉郎「わしが征夷大将軍になるのでございますか」
帰蝶「将軍より上の位が良かろう。わたしたちが朝廷に入って工作します。関白にしてあげようぞ」
藤吉郎「関白、、、ははー、承ってございまする」
信長「十兵衛すまぬ。汚名を着てもらう。その代わり、そちには徳川に入って、トウキチを監視してもらうぞ」
十兵衛「はあ」
帰蝶「すぐにでも出家するのです。法名は天海です。顔は駒が、南蛮の魔術で、十兵衛とはわからぬほどには、変えてくれます。煕子殿や十兵衛のお子らは私たちが保護します。そちの重臣たちも、、一度は死んだことにしますが、藤吉郎が取りてるから大丈夫です」
藤吉郎「しかし信長様ならで、誰が天下をかくも鮮やかにまとめ上げることができたでしょう。この先、わしがいくら偉うなろうとも、織田信長の名こそ長くこの国の歴史に刻まれましょうぞ」
信長「トウキチ、もう一人の名を忘れておる。明智の名よ。しばらくは明智の名は汚名として語られるであろう。しかしある時、人はふと気がつくのじゃ。この信長という鬼を止めたのは誰であるかと。明智十兵衛という男が、一体何者で、何を望んでいたのだろうかと。わしの名が消えぬなら、明智十兵衛の名もこの国の歴史から消えることはない。」
十兵衛「信長様!」

ときは移って、1616年。京都。信長の邸宅。

信長「大阪の陣も終わり、世は太平になった。帰蝶、わしはいったいいくつになったのだ」
帰蝶「ボケたふりを。殿は82歳、私は81歳、十兵衛は87歳、煕子殿は83歳です」
十兵衛「この天海、まだまだ死ぬ気がいたしませぬ、駒殿の不思議な薬のおかげですな」
駒「そして私も81歳になりました。菊丸さんは90歳。東庵先生はとうに100を超えています。妖怪ですね。」
信長「秀吉が死んだ時は、どうなることかと思ったがの、大御所、よくぞやってくだされた、百万の死者の上に築いた平和じゃ、守っていかねばな」
家康「これも全て、十兵衛殿のおかげです。麒麟を呼べ麒麟を呼べと十兵衛殿にはうるさく言われましたわ」
十兵衛「信長様、お市様は?」
信長「また遊びに出かけおった。とうに70を超えて、元気なもんじゃ」
帰蝶「十兵衛殿、ガラシャ殿は」
十兵衛「関ヶ原のおり、大御所に助けていただいて、今は長崎で、祈りの毎日だと手紙を寄越しました」
家康「ガラシャ殿のお子たちも、孫たちも、時々長崎に出向くそうですぞ。しかし十兵衛殿、麒麟がくる道は遠かったのう。義昭様が生きておられたら。」
駒「でも義昭様。最後は藤吉郎さんと大坂に住んで、人々の尊敬も集め、見事な大往生でした」
十兵衛「大御所、まだ麒麟は首を見せただけですぞ。麒麟が本当にくる世は、まだまだ先ですぞ」
家康「わしはことし74になるがの。体が持ちませぬわ。もうここらで本当に隠居いたします。あとは十兵衛殿、秀忠を頼みます」
信長「それが良い。もう楽をいたせ」
家康「右府様、酔った勢いで文句を言わせてもらいますぞ。どれだけ辛い選択をしてきたか。太閤殿とわたしに足を向けて眠っては駄目ですぞ」
信長「で、あるか。しかし秀頼と淀殿はルソンで元気らしいぞ。信忠が、いや天下の豪商、ルソン助左衛門がついておるからな」
十兵衛「義輝様、義昭様、道三様、義龍、今川殿、浅井朝倉殿、秀吉殿、柴田殿、摂津晴門殿、本願寺門徒、叡山の僧たち、武田勝頼、死んでいった者たちの為にも、もうひと頑張りですな」
帰蝶「いったい十兵衛は何歳まで生きるつもりじゃ」
十兵衛「百歳超えてもまだまだ生きますぞ」
一同「アハハハハ」

めでたし。めでたし