Aug,2,2022 Evening Take & Mt Mayon
8月2日のまにら新聞から econoTREND
客足がコロナ前に回復モール賃料の割引終了
国内最大のモール運営会社SМスーパーモールズは、全国のモールにおける店舗スペース賃貸料の割引サービスを終了し、本来の料金での徴収を開始した。コロナ防疫規制が緩和されモールの客足は急速に回復しており、特に5~6月の売上はコロナ禍前の2019年の同時期を上回ったことから、コロナ禍で小売業者に提供していた賃貸料の割引や支払い免除などの救済措置を撤廃したという。親会社のSМプライムはコロナ禍で2020年度の賃貸料や手数料など233億ペソの債権を放棄しており、20年の総収入は236億ペソと19年の578億ペソから約60%減少した。(31日・インクワイアラー)
拡大商銀貸付残高2年ぶり高水準に
中央銀行によると、6月末時点における国内拡大商業銀行による貸付残高合計が10兆1900億ペソと前年同月比12%増加し、前月5月末の同10.7%増からさらに拡大した。2020年4月に記録していた同12.7%増以来となる約2年ぶりの伸び率だった。物価高騰を受けて中央銀行は5月19日に3年半ぶりに政策金利を0.25ポイント、6月23日にもさらに0.25ポイント引き上げるなど金融引き締めに舵を切ったが、市中銀行はコロナ禍からの経済回復に伴う景気拡大基調に合わせ貸付自体はまだ拡大させている。(1日・スター)
BDО純益が12%増上半期は239億ペソ
国内拡大商銀最大手のBDОユニバンクは今年上半期(1~6月)の純益が239億ペソとなり、前年同期比12%増と2ケタの伸び率を維持した。手数料や保険料などの非金利収入が343億ペソと大幅に拡大したことが貢献した。6月末時点の不良債権比率は2.39%と3月の2.72%、前年6月の3.12%から縮小している。同行は最近、プリペイド方式のモバイル決済サービス「BDOペイ」の提供を開始し、BDОの口座を持たない顧客にもデジタル決済サービスを提供している。(1日・インクワイアラー)
建材価格が6.2%上昇伸び率13年ぶり高水準
比統計庁によると5月の首都圏における建築資材小売価格指標は前年同月比6.2%増で、2009年1月以来となる高い増加率だった。前月は同6.1%増で、前年5月は同1.2%増だった。ブリキが8.3%増と前月の同8.1%増から伸び率が拡大したほか、配管材が同7.9%増と4月と同率で高い水準だった。また、塗装材が前月の同3.7%増から同4.1%増に、コンクリート材も前月の同3.3%増から同3.9%増へといずれも大幅に上昇した。(1日・スター)
2022年8月2日のまにら新聞から econoTREND
8月2日のまにら新聞から
そして政権は崩壊した 大野拓司氏講演(下)
父親の故マルコス元大統領は下院議員時代から大統領を目指すと公言するなど野心的な政治家
故マルコス大統領は下院議員時代から大統領を目指すと公言するなど野心的な政治家で、1965年の大統領選に当選するとコメ増産と道路建設などインフラ促進政策に注力した。
1969年11月の大統領選でも勝利し、フィリピン共和国史上初の大統領2期目に入ると、任期中の72年9月に「左派(=共産主義勢力)、右派(=伝統的財閥)による国家転覆危機からの救済」を掲げ、戒厳令を発令。同時に戒厳令下に5回の国民直接投票(レファレンダム)を実施するなどし、権力の集中に対する正統性への配慮は「他国の開発独裁元首に見られなかった」と大野氏は話す。また、「病んだ社会」の処方箋として打ち上げた「新社会」のビジョン構築で掲げた治安向上、農地改革、財閥解体、経済成長などの目標は、戒厳令布告翌年の経済成長率が8・9%を記録するなど「(戒厳令)前半の76、77年頃くらいまでは成果が出ていたし、それを巧みに宣伝していた」という。一方で数千人の反体制派が拘束され殺害されるなど人権侵害も目に付いたが、「弾圧の対象にならない人が多数派だったため、その人たちの(マルコス政権に対する)評価は弾圧に遭った人とは違うのではないか」と分析している。
▽イロカノが軍公用語
大野氏は、戒厳令体制を支えるための国軍の肥大化を指摘。「軍隊組織は3倍に膨らみ、結果正規軍だけで15万人になった」。国軍幹部が故マルコス元大統領と同じイロコス地域出身者で占められ「軍の無線はタガログ語ではなくイロカノ語(イロコス地域の母語)でないと通じないとまで言われた」。幹部クラスは定年後に政府系企業や政商企業グループの重役に天下りするなど「甘い汁を吸う」ことになった。
一方で、最前線では共産主義勢力やイスラム武装勢力との戦闘が激化。そうした中82年に若手将校が、「国軍改革運動」(RAM)を結成。当時のホナサン少佐をリーダーの1人とし、後にマルコス政権に反旗を翻し、アキノ政権でも再三クーデター事件を引き起こすなど、「国軍の政治化」も進んだ。
▽健康オタクが難病に
歴史的に形成された「特権階級」の解体を主唱したマルコスだったが、クローニー(取り巻き政商)が新興財閥を形成し、主要産業(砂糖、ココナツ、鉱業、電力、メディア)を独占する体制ができ上がる。身内びいきで急速に台頭した新興財閥は「経営者としては未熟だった」。そのため80年代に多くの新興財閥が経営に失敗し、それを大統領が「親分として」国家財政で支えるという構造ができあがった。その政・財関係の中でマルコス大統領夫妻も自ら不正蓄財を進める。イメルダ夫人は後に「財産の出元をごまかすために『山下財宝を手に入れた』などと語っている」。
酒もタバコも嗜まない「健康オタク」たったマルコス大統領は、70年代の後半に膠原病を発病。「83年頃に息子から腎臓を移植された」と後に報じられた。この情報はある医師が暴露したが「(その医師は)その後行方不明になった」と大野氏。
病状が深刻化しながらも後継者が定まらない不安定な状況の中、米国に亡命していた政敵であるニノイ・アキノ元上院議員が1983年8月21日にフィリピンに戻った直後、マニラ空港で暗殺される事件が発生。それが引き金となり、86年2月のエドサ革命(2月政変)で政権は崩壊。レーガン米大統領(当時)は、ホワイトハウスでマルコス大統領を支持する最後の1人となっていたが、最後の最後になって引導を渡す。
▽米国向けの選挙戦
2月政変では、悪玉マルコスと善玉アキノという図式が作られてしまった。だが、実態はエリート対エリートの対決。むしろアキノ家の方が真正エリートだった。86年2月に行われた繰り上げ大統領選では、マルコス大統領はレーガンやトランプを支援したポール・マナフォート氏を雇い、対抗馬のコリー・アキノ=後の第11代大統領=も米国のPR会社のコンサルティングを受けた。「米国向けの選挙戦」という一面もあったという。
▽ボンボン=金正恩?
今年5月の大統領選で勝利し、農務相を兼務した息子のボンボン・マルコス現大統領は「父親を非常に強く意識している」と大野氏。ボンボン氏就任宣誓式の様子について「開襟型のバロンタガログ(比の正装シャツ)と灰色のズボンは、故マルコス大統領が始めた新しいスタイルだった。宣誓時の聖書も父のものを使っていた」と指摘した。
その上で「形ばかり父に似せるボンボン氏は、形だけ金日成に似せる金正恩と同じと言えなくもない」と形容。故マルコス大統領は第1期と戒厳令前期、特にビジョンと人事に関しては「傑出した大統領だった。そういう人物でないと20年間の政権は実現できない」とした上で、「父親のいい部分を(現大統領)が引き継げるかが(政権運営の)ポイントになるだろう」とした。(竹下友章、終わり)
2022年8月2日のまにら新聞から そして政権は崩壊した 大野拓司氏講演(下)
8月2日のまにら新聞から
ICC再加盟の意思なし マルコス大統領が言明
前政権が脱退した国際刑事裁判所についてマルコス大統領、再加盟する意志はないと言明
マルコス大統領は1日、首都圏パシッグ市のワクチン接種会場で行われた記者会見で、ドゥテルテ前政権下で脱退した国際刑事裁判所(ICC)への対応について、「再加盟する意志はない」と言明した。1日の英字紙インクワイアラーが報じた。
前政権下で実施された違法薬物取締強化作戦(麻薬戦争)で麻薬密売容疑者らの超法規的殺害が多発した問題で、ICCの検察官がドゥテルテ前政権の関与に関する再捜査の開始を目指しており、ICCは比政府に対し9月8日までに何らかの見解を示すよう求めていた。マルコス大統領はICCへの再加盟の意図がないことを明確にすることで、新政権としては捜査協力を拒否するというメッセ―ジを内外に出したとみられる。
大統領は7月29日、ICCの捜査再開に向けた動きを受けて、大統領府でレムリヤ司法、ゲバラ訟務両長官、エンリレ大統領首席法律顧問、ロケ私設法律顧問(元大統領報道官)ら現政権の法務担当者らと協議を行っていた。
大統領は1日の記者会見で、「ICCが捜査を再開するというので、われわれも会合を持った。われわれの協議では、フィリピン国内でこの問題について捜査を現在も行っているにもかかわらず、なぜ(ICCは)こんな動きを示しているのかと話し合った」とした上で、「ICCに対して応答すべきか否か、また応答するのであればどのように答えるのか、さらにそもそもICCに加盟していないのだから無視することも可能ではないかなどと話し合った」と説明し、政府としての具体的な対応策を協議したことを明かしている。また、「政府のアプローチが適切なものとなるようにし、また政府の行動が曲解されるのを避けるために、内閣に対し具体的な手続きを策定するよう求めた」と対応について詳細に吟味する必要を指摘している。(澤田公伸)
きょうのニュース
そして政権は崩壊した 大野拓司氏講演(下)
父親の故マルコス元大統領は下院議員時代から大統領を目指すと公言するなど野心的な政治家
エドサ革命後の安定化に寄与 9日まで国家服喪期間に
ラモス元大統領の逝去を受け、マルコス大統領は「最も深い哀悼の念」を表明。国家服喪期間を宣言
売電価格見直し要請 ルソン主要発電会社が150億ペソ損失
サンミゲル発電部門が150億ペソの損失、補填するため政府に売電価格の引き上げ承認求める
新規感染者4159人 2月10日以降最多に
新型コロナ新規感染者数が2月10日以降最高となる4159人を記録した
2人目はシンガポールで 比人サル痘感染者
シンガポール在住のフィリピン人男性がサル痘に感染。2人目の比人感染例に
新国軍参謀長、警察長官を任命
バカロ中将が国軍参謀長に、国家警察北部ルソン警察局のアズリン警視監が国家警察長官に
NBI局長にデレモス氏
マルコス大統領は国家捜査局のメダルド・デレモス局長代行を新局長に任命。次長も経験
外務省報道官にダザ氏
マナロ外相は前駐チリ比大使のマリアテレシタ・ダザ氏を外務省報道官に任命
熱低2~3個が接近か
気象庁が「8月は熱帯低気圧が比に2~3個接近や上陸する可能性がある」と注意呼びかけ
大衆紙の話題
銃器所持禁止違反者の許可証剥奪も
国家警察によると、首都圏を含む中部ルソン地域などで7月22~27日に実施された銃器所持禁止期間中の逮捕者について、起訴の進行状況を注視しているという。期間中に逮捕された容疑者に対しては、正規の銃器所持許可証取得者であっても、資格の一時停止や、許可証剥奪などの厳しい罰を科す方針。特に現行犯逮捕の場合には、直ちに起訴されるとしている。逮捕者の中には、首都圏ケソン市のアテネオ大で起きたバシラン州ラミタン市の前市長銃撃事件のラミル・エルモ容疑者も含まれている。(1日・テンポ)
2022年8月2日のまにら新聞から
2022年7月23日 カルティマール・マーケットの 闇を暴く!! Part 4