11年前の9月11日、東京はかなり激しい雨が降っていました。
朝、修学旅行へ出かける娘を駅まで送り
家で激しい風雨の音を聞きながら1日中新しい家のためのカーテンを縫っていました。
その夜はその家の売却の件で不動産屋さんがやって来ることになっており
やや難航していたその話が一体どう行きつくのか?とか
広島へ着いただろう娘たちはどんな風にあの街を見ているのだろうか?とか
心があちこち定まらない1日を過ごしていました。
そして夜、かなり長い時間、不動産屋さんと話し合った結果
やっと納得いく道が見つかりホッとして不動産屋さんを見送って
TVをつけたら、あの映像。
何が起こっているのか全く見当もつかず
夫と2人で呆然と画面を見つめていたのを思い出します。
同じ頃、娘たちは旅館のTVであの映像を目にし
昼間、原爆ドームや資料館を見て平和の尊さをあらためて噛み締めたのに
それがペシャンコにつぶされるような思いだったでしょう。
帰宅してその時の様子を娘から聞いてそんな印象を受けたことを覚えています。
翌年の8月、家族でNYへ行き
その悲しみが色濃く残っている街を歩き…
長くなりましたがこれが私の911。
遠い他国で起こったことですが
昨日またその日を迎え、私としては3度目のSeptember Concertで歌わせていただきました。
国対国、民族対民族といった大きな関係だと実感しにくいですが
先ずは身近な人をお互いに尊重し合う心が第一歩!と痛感させられた日でした。
人間だから、自分のエゴや我が儘や都合に負けて他人を傷つけてしまったり
感情が先に立って思わぬ結果を招いてしまったり
そんなことはいくらでもあって…
でも、それに気づいたら誠意を持って謝ること
自分の姿勢を正すこと
その勇気をちゃんと持っていなくては!
と何度となく自分に言い聞かせる機会が訪れた1日でした。

グランドゼロの写真はどうしても撮ることができず
これは2006年に再び訪れた時に撮った
曽野正之さんという日本人の建築家による
スタテン島にある911の犠牲者追悼のためのモニュメント。
2つの巨大なポストカードの内側にはスタテン島の267人の犠牲になった方々の
横顔と経歴が刻まれています。
羽を広げたようなポストカードはその間から
かつてWTCがあったグランドゼロがのぞめるよう配置されています。
先ずは自分の心の持ち方を安定させなければ…の思いをあらためて…