左から接木用小刀、芽切鋏、剪定鋏。
2023年の暮れ、家の大掃除も一段落した後に仕事で使う刃物を綺麗にして研いだ。
仕事納めの前日に包丁を研いでいた漁協時代と変わったような、変わっていないような。
そして、ワイン農家としての1年目だった2023年を振り返ってみる。
1月に個人事業主として開業届を提出。
ブドウの植え付けに向けて、約40aの広さの畑で支柱や誘引線の準備をする。
オフシーズンとなる時期なので、ワイン生産者との勉強会や交流をさせてもらった。
2月、修行先で初めての剪定を経験。挿木による苗の作り方も学ぶ。
3月は畑の木を伐採したり、ユンボで根を取ったり。
農業土木に精を出す。
4月になってようやく苗が芽吹き、畑仕事が動きだした。
GWくらいまで霜の心配がある吉備中央町の気候に合わせ、植え付けは5月11日から。
醸造は修行2年目がスタート。
5月はとにかく雨が多く、畑では病気に苦しめられた年だった。
6月からは接木を勉強して数をこなす。
他のワイン生産者さんのところへ苗の育て方を教わりに行って、そのやり方も試してみたり試行錯誤。
8月に入り、修行先では収穫の時期を迎える。
台風の被害は少なかったが、病気の影響でとにかく収量が厳しい年だった。
2月からずっと畑で手を動かしてきたことが実を結ぶわけではないという現実。
こりゃあ、なかなかだわ。
自分の畑では、346本の苗を植えたものの、理想の成長を見せたのは50本程度。
3つの畑それぞれの違いもあるけれど、水はけの改善や土壌改良にはだいぶ課題が有りそう。
しかしいろいろなご縁で昨年に比べて種類も量もかなり多くのワイン造りに携わることができた。
ブドウを絞って、それが発酵してワインができるという実にシンプルな営みの奥深さよ。
すべてを自分の手で手掛けるその日がますます楽しみになってきた。
その中で、8月に愛車の軽トラ「キャリイ」が他界。9月から新しい「キャリイ」さんと走り出しました。
今年はチェーンソーや刈払機など仕事用の機械への投資も結構しました。
国の新規就農者に対する補助事業に採択され、その資金を活用させてもらったので、
良いワインを造って納税するぞ!の意識もあらたに。
9月から11月までを駆け抜け、気がつけば12月。
畑ではブドウの葉も落ち、最後の草刈などして次のシーズンの準備へ。
2024年はご縁で畑をお借りできたのでさらに農地を拡大し、耕作面積は約1haに。
100m×100mの広さです。
だいたいサッカーコートの1.4個分くらい。
ここから5,000本くらいのワインを造ろうとしています。
まだまだこの物語は始まったばかり。
とりあえず、元気にやってます。
今年もよろしくお願いします。