緩和ケアは、病気に伴う「体」と「心」の痛みやつらさを和らげるもの。しかし、「心の痛みやつらさ」について、よく分からない人も多い
がん患者の心の医療は非常に重要。気持ちや心がつらいと体にも悪影響が出る。食欲がない、眠れないなど、患者の全般的な生活の質(QOL)が下がる。死にたいという思いにつながる。がんに対する治療意欲を奪う。それは、入院期間の長期化とも関連してくる。
多くの人が抱く緩和ケアのイメージは、「がん治療の後、余命6カ月と宣告されてからのターミナルケア」だろう。しかし本来の緩和ケアは、「がんと宣告された時から始まるもの」。
がんと診断を受けるまでは、死を自分と距離があるものと考えている。しかし、いざ、がんとなると、生きるための人生が、死に向かうものに変化し、衝撃を受け、一度は否認し、絶望感や怒りがくる。これはどのがん患者でも同じ。つらい心を支えるのが心の緩和ケアで、その割合は最期の時に近づくにつれ大きくなっていきます。患者が亡くなった後、残された遺族の心を支えるのも、重要な緩和ケア。
心の緩和ケアをよりよいものにするコツ
【1】心のサインを知る
気持ちのつらさは、検査では測れない。日頃から心がつらい時のサインに注意し、知っておく。
【2】だれにでもよいので伝える
不安や心配で心がつらくなるのは、重い病気にかかった人すべてが経験すること。
【3】)睡眠の症状をまず伝える
心のつらさの最も敏感なサイン。すべてのつらさは睡眠障害を伴います。眠れない、何回も起きるなどは、心のつらさの程度を表す。気合で眠るので睡眠薬は不要という患者がいるが、気合では眠れない。
【4】「心配な不安」と「安心できる不安」を知る
“心配な不安”は、理由が思いつかない、表現できない、対処できない、他人に分かってもらえない、1カ月以上続く、生活に支障を来す。一方、“安心できる不安”は、理由が分かる、表現できる、対処できる、他人に分かってもらえる、長く続かない、生活に支障を来さない。どちらの不安であるかを知ることが大事。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/157461/1
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