聞き手:
結局、34歳の時、サラリーマン生活にピリオドを打ったわけですが、
なぜ、辞めたんですか?
椎名:
一言で言ってしまえば、ひとつの業界に飽きてしまったことかなあ。
流通業界というところ、僕は好きなんですが、ゴチャゴチャして面白いからね。
でも、やっぱり10年以上も付き合っているとアキますよ。
それから、自分で生み出したその『ストアーズレポート』という雑誌、
当時は画期的と言われましたが、それでも読者の反応はないに等しかった。
10年やって、読者からの手紙、10通来たか来ないかくらいですよ。
で、当時創刊間もない『本の雑誌』はどうかというと、
1万分も売れていなかったけれど、1号出すと100通ぐらい手紙が来るわけです。
この違いを見た時、新しい世界に船出したくなったんです。
聞き手:
生活はどうしました?
椎名:
何とかなったみたいですね。
女房にも会社を辞めるよって言ったら、
「そうね、日本は飢え死にしないもんね」と言われて、なにかすごく気分が楽になって…。
結局、収入的にも、辞めた翌年からサラリーマン時代の倍に増えました。
その時に感じたのですが、新しいことをやっていいのか判断に迷うとき、
やらないで後で悩んだり、後悔するよりも、
やってしまって、それがたとえ失敗だったとしても、
そのことで悩んだほうがよっぽどいい、ということでいたね。
失敗しての悩みのほうが密度が濃いというか、正しい悩みのような気がしますね。
立ち止まった方は消化不良でどうも体によくない(笑)。
これも余談だけど、
会社を辞めて、3ヶ月位して、メキシコに出掛け、アカプルコで泳いでいた。
2月でしたね。
その時、どおーんと晴れあがった青すぎる空を見上げて本当に心の底から、
オレは自由になったんだって気がして、海の中で一人で笑っちゃいました。
「やったぜ!」ってね。
うれしかったですね(笑)。
ダ・カーポ 1988年5月18号
「椎名誠大いに語る」より
昔買った雑誌がどういうわけか最近見つかって、
上記のところがものすごく心に響きました。
椎名さんの行動力・バイタリティを見習いたいです。
結局、34歳の時、サラリーマン生活にピリオドを打ったわけですが、
なぜ、辞めたんですか?
椎名:
一言で言ってしまえば、ひとつの業界に飽きてしまったことかなあ。
流通業界というところ、僕は好きなんですが、ゴチャゴチャして面白いからね。
でも、やっぱり10年以上も付き合っているとアキますよ。
それから、自分で生み出したその『ストアーズレポート』という雑誌、
当時は画期的と言われましたが、それでも読者の反応はないに等しかった。
10年やって、読者からの手紙、10通来たか来ないかくらいですよ。
で、当時創刊間もない『本の雑誌』はどうかというと、
1万分も売れていなかったけれど、1号出すと100通ぐらい手紙が来るわけです。
この違いを見た時、新しい世界に船出したくなったんです。
聞き手:
生活はどうしました?
椎名:
何とかなったみたいですね。
女房にも会社を辞めるよって言ったら、
「そうね、日本は飢え死にしないもんね」と言われて、なにかすごく気分が楽になって…。
結局、収入的にも、辞めた翌年からサラリーマン時代の倍に増えました。
その時に感じたのですが、新しいことをやっていいのか判断に迷うとき、
やらないで後で悩んだり、後悔するよりも、
やってしまって、それがたとえ失敗だったとしても、
そのことで悩んだほうがよっぽどいい、ということでいたね。
失敗しての悩みのほうが密度が濃いというか、正しい悩みのような気がしますね。
立ち止まった方は消化不良でどうも体によくない(笑)。
これも余談だけど、
会社を辞めて、3ヶ月位して、メキシコに出掛け、アカプルコで泳いでいた。
2月でしたね。
その時、どおーんと晴れあがった青すぎる空を見上げて本当に心の底から、
オレは自由になったんだって気がして、海の中で一人で笑っちゃいました。
「やったぜ!」ってね。
うれしかったですね(笑)。
ダ・カーポ 1988年5月18号
「椎名誠大いに語る」より
昔買った雑誌がどういうわけか最近見つかって、
上記のところがものすごく心に響きました。
椎名さんの行動力・バイタリティを見習いたいです。