愛国心という卵から、戦争が孵化する。(ギ・ド・モーパッサン)


極右的だった河辺虎四郎中将。GHQの反共主義者ウィロビーに取り入り、その狗となって
「河辺機関」を創設。国内の右翼を集め、戦後の反共工作に従事した。

服部卓四郎。ノモンハン事件をはじめ、数々の愚策を打ちながら、その責任をとることなく
栄転していった。終戦後は素知らぬ顔でGHQの職員になり、かつての同僚を売った。
「あ、その男はA級戦犯、そいつは捕虜担当だったからB級戦犯ですな」…やがて自衛隊の
前身「警察予備隊」の創設に関わり、後に防衛大学校で戦史編纂に当たった。

作戦の神様と呼ばれたというが、その作戦が功を奏したことは皆無に近い。むしろ日本軍
の最も愚劣な作戦には必ず登場する辻政信。また日本軍が行ったおぞましい戦争犯罪には
必ずその名が挙がる辻政信。まさに狂気の人、日本の悪鬼。しかし戦後は国会議員になり、
その戦争犯罪が暴かれそうになると、海外に逃げ行方不明になった。
こんな男の銅像を建てた馬鹿な町がある。

大本営に見捨てられ「玉砕」したアッツ島。生存率1%。
大本営はこれを美化した。
…ナショナリズムのもつあの「政治的」影響力の大きさに対し、それが哲学的に貧困で支離滅裂だということである。別の言い方をすれば、ナショナリズムは、他のイズム〔主義〕と違って、そのホッブスも、トクヴィルも、マルクスも、ウェーバーも、いかなる大思想家も生み出さなかった。この「空虚さ」…
…そして結局のところ、この同胞愛の故に、過去二世紀にわたり、数千、数百万の人々が、かくも限られた想像力の産物のために、殺し合い、あるいはみずからすすんで死んでいったのである。…なぜ近年の〔たかだか二世紀にしかならない〕萎びた想像力が、こんな途方もない犠牲を生み出すのか。
(ベネディクト・アンダーソン)

灰燼に帰した街。累々たる民間人の焼死体が転がっていた。

女性や子どもを含む民間人が身を投げた
バンザイクリフ
マッチ擦るつかの間の海に霧深し 身捨つるほどの祖国はありや
(寺山修司)

白旗を掲げて米軍兵士たちの前に現れた幼い少女。
おばあが言った。
「この旗を見えるように高くあげて行きなさい。
大丈夫、大丈夫だから…おまえは生きるんだよ」




極右的だった河辺虎四郎中将。GHQの反共主義者ウィロビーに取り入り、その狗となって
「河辺機関」を創設。国内の右翼を集め、戦後の反共工作に従事した。

服部卓四郎。ノモンハン事件をはじめ、数々の愚策を打ちながら、その責任をとることなく
栄転していった。終戦後は素知らぬ顔でGHQの職員になり、かつての同僚を売った。
「あ、その男はA級戦犯、そいつは捕虜担当だったからB級戦犯ですな」…やがて自衛隊の
前身「警察予備隊」の創設に関わり、後に防衛大学校で戦史編纂に当たった。

作戦の神様と呼ばれたというが、その作戦が功を奏したことは皆無に近い。むしろ日本軍
の最も愚劣な作戦には必ず登場する辻政信。また日本軍が行ったおぞましい戦争犯罪には
必ずその名が挙がる辻政信。まさに狂気の人、日本の悪鬼。しかし戦後は国会議員になり、
その戦争犯罪が暴かれそうになると、海外に逃げ行方不明になった。
こんな男の銅像を建てた馬鹿な町がある。

大本営に見捨てられ「玉砕」したアッツ島。生存率1%。
大本営はこれを美化した。
…ナショナリズムのもつあの「政治的」影響力の大きさに対し、それが哲学的に貧困で支離滅裂だということである。別の言い方をすれば、ナショナリズムは、他のイズム〔主義〕と違って、そのホッブスも、トクヴィルも、マルクスも、ウェーバーも、いかなる大思想家も生み出さなかった。この「空虚さ」…
…そして結局のところ、この同胞愛の故に、過去二世紀にわたり、数千、数百万の人々が、かくも限られた想像力の産物のために、殺し合い、あるいはみずからすすんで死んでいったのである。…なぜ近年の〔たかだか二世紀にしかならない〕萎びた想像力が、こんな途方もない犠牲を生み出すのか。
(ベネディクト・アンダーソン)

灰燼に帰した街。累々たる民間人の焼死体が転がっていた。


女性や子どもを含む民間人が身を投げた
バンザイクリフ
マッチ擦るつかの間の海に霧深し 身捨つるほどの祖国はありや
(寺山修司)

白旗を掲げて米軍兵士たちの前に現れた幼い少女。
おばあが言った。
「この旗を見えるように高くあげて行きなさい。
大丈夫、大丈夫だから…おまえは生きるんだよ」