芳野星司 はじめはgoo!

童謡・唱歌や文学・歴史等の知られざる物語や逸話を写真付でエッセイ風に表現。

エドワード・W・サイードの憤怒と正論

2015年12月13日 | 言葉
      

 中傷され,裏切られた民主主義。賞賛されながら、実際には面目を損なわれ、踏みにじられた民主主義。一握りの男たちが、この共和国の運営を掌握するようになったからだ。…この政府が…合衆国の国民をほんとうには代表していないからだ。アメリカ人は、メディアが基本的に一握りの男たちに支配され、政府に対する懸念や不安を少しでも引き起こしそうなものはひとつ残らず削除しているため、正しい情報を与えられていない。


    
 サイードの「オリエンタリズム」論は、西洋が東洋に対する思考の様式であり、さらにM・フーコーのディスクールを援用して、西洋の東洋に対する支配の様式のディスクールとした。
 彼はフランツ・ファノンよりずっと知的な穏健派であったが、彼の生涯は、イスラエルの不公正・不正義を擁護するアメリカと、見て見ぬふりをする西側社会、彼らがアフガン、イラク等に対して行った高高度の爆撃、戦争というテロへの憤怒に貫かれ、中東の悲劇に深く胸を痛めていた。
 湾岸戦争時、彼は言った。かつてナチスやフランス等のその同調者はユダヤ人を「テロリスト」と呼び、いまイスラエルやアメリカの人々はアラブ人、モスリムを「テロリスト」と呼んでいると。アメリカには700万人を超すモスリムが暮らし、うちアラブ人は200万人を超す。

              
                

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