先日11月に開催されたユビキダス発電研究会の定例研究報告会で、会員T氏よりブラシレスモーターの発電システムが紹介された。
使用したブラシレスモーターは、ドローン用で一般に入手できるもので本来はモーターとして機能するが、これを発電機として使用するとどの程度の出力及び効率が得られるのか実験を行った。
ブラシレスモーターは、軽量で、電気効率が良いと言われている。
これを発電機として使用した場合、従来のブラシ型モーター発電機と比較して高効率が期待できるとされる。では、どのくらい発電効率が良くなるのか実際に装置を製作し実験してみた。
※スピードコントロールにはPWMモーター自作制御回路を製作し実験した。
【実験装置】
駆動用モーターとのジョイント部分には一体型の市販品を利用し製作の精度をあげ偏芯が無いよう注意して設計した。
・入力電圧:DC12V
・駆動モーター:入力DC12V 自作PWMモーター制御回路にて連続可変
・発電側ブラシレスモーター型式:A2217/8T
・負荷:12V用6W市販LED電球
※ブラシレスモーターは3相交流入力なので、発電機として使った場合は出力は3相交流 となる。これを倍電圧整流回路で整流し負荷に接続
実験風景
【実験】
100Ωの負荷をかけると、約100mAの電流が流れるので
P=100×0.12=1Wほどの出力が出ていると考えられる。
- 回転数を上げてい くと3,000RPMぐらいで点灯し、4,000RPMを超えると明るく点灯した。
- 4,000RPM程度では、入力は1A程度で負荷に流れる電流は400mA位である。
- 更に、回転数を5,000RPM上げていくとより明るくなり、出力電流は500mAくらいになった。その際の入力電流は、1.9Aほどであった。
- これからすると、製作装置の発電効率は約22%位と思われる。
ブラシレスモーターがなぜ発電効率が良いのか(GoogleGemini)へ質問してみた。
【ブラシレスモーターの発電効率が高いと言われる理由】
《ブラシレスモーターの発電効率について》
ブラシレスモーターの発電効率は、モーターの設計、運転条件、負荷の種類など、さまざまな要因によって大きく左右されます。
- ブラシによる機械的な損失がない: ブラシと整流子による摩擦や火花によるエネルギー損失がないため、高い効率が得られます。
- 電子制御による最適な運転: 電子制御によって、モーターの回転速度やトルクを最適化できるため、効率を高めることができます。
- 高回転数での動作: ブラシレスモーターは、ブラシの摩耗の心配がないため、高回転数での動作が可能であり、高い出力密度を実現できます。
《発電効率を左右する主な要因》
- モーターの設計: 磁石の種類、コイルの巻き方、コアの材質など、モーターの設計によって効率は大きく異なります。
- 運転条件: 負荷の種類、回転速度、電圧など、運転条件によって効率は変化します。
- 損失: 銅損、鉄損、機械損、励磁損など、さまざまな損失が効率を低下させます。
《発電効率の向上策》
- 高性能な磁石の採用: ネオジム磁石など、高性能な磁石を採用することで、磁束密度を高め、効率を向上させることができます。
- コイルの最適化: コイルの巻き方や材質を最適化することで、銅損を低減し、効率を向上させることができます。
- コアの材質の選定: 高透磁率なコア材を採用することで、鉄損を低減し、効率を向上させることができます。
- 冷却対策: 効率を低下させる原因となる発熱を抑えるために、冷却対策を施すことが重要です。
- 損失低減のための制御: センサーレス制御やベクトル制御など、高度な制御技術を用いることで、損失を低減し、効率を向上させることができます。
《発電効率の具体的な数値》
ブラシレスモーターの発電効率は、モーターの種類や用途によって大きく異なりますが、一般的には90%以上の効率が得られると言われています。しかし、実際の効率は、上記の要因によって変動するため、一概に数値を示すことはできません。
《発電効率の測定方法》
発電効率を測定するには、モーターに入力される電力と、モーターから出力される機械的な仕事量を測定し、その比を求める必要があります。
更に『発電効率をさらに向上させるために、どのような対策が考えられるか』
質問してみた。
《ブラシレスモーターの発電効率をさらに向上させる対策》
ブラシレスモーターの発電効率を向上させるための対策は、大きく分けて設計段階と運転段階の2つに分けられます。
【設計段階での対策】
- 磁気回路の最適化:
- 高性能磁石の採用: ネオジム磁石など、保磁力が高く残留磁束密度が大きい磁石を採用することで、磁束密度を高め、効率を向上させます。
- 磁気回路の形状: 磁気回路の形状を最適化することで、磁気漏れを減らし、磁束密度を高めます。
- 電磁鋼板の選定:
- 低損失電磁鋼板: 鉄損が低い電磁鋼板を採用することで、鉄損を低減し、効率を向上させます。
- 電磁鋼板の厚さ: 電磁鋼板の厚さを最適化することで、渦電流損を低減させます。
- コイル設計の最適化:
- コイルの巻き方: 濃密巻きなど、コイルの巻き方を最適化することで、銅損を低減させます。
- 絶縁材料の選定:
- 低損失絶縁材料: 誘電損が低い絶縁材料を採用することで、絶縁損を低減させます。
- 冷却構造の設計:
- 効率的な冷却: 銅損や鉄損による発熱を効率的に冷却することで、温度上昇を抑え、磁石の減磁や絶縁破壊を防ぎます。
【運転段階での対策】
- 最適な運転条件:
- 負荷の変動への対応: 負荷の変動に合わせて、モーターの回転速度やトルクを制御することで、常に最適な効率で運転します。
- 温度管理: モーターの温度を適切に管理することで、磁石の性能低下を防ぎ、効率を維持します。
- 高精度な制御:
- ベクトル制御: ベクトル制御など、高精度な制御手法を採用することで、トルクリップルを低減し、効率を向上させます。
- 損失低減のための制御:
- センサレス制御: センサレス制御など、センサを用いない制御手法を採用することで、コストを削減し、信頼性を向上させます。
- 損失補償:
- 損失補償制御: モーターの損失を推定し、その分を補償することで、効率を向上させます。
【その他の対策】
- シミュレーションによる設計:
- 電磁界解析: 電磁界解析ソフトウェアを用いて、モーターの設計を最適化することで、試作回数を減らし、開発期間を短縮できます。
- 材料の高度化:
- 新素材の開発: 新しい磁性材料や絶縁材料の開発により、さらなる高効率化が期待できます。
これらの対策を組み合わせることで、ブラシレスモーターの発電効率をさらに向上させることが可能です。
後半の回答は、研究室レベルの回答ではあるが、至極まとを得た回答と言える。
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