秀山の俳句写真日記

日々の生活、旅先での出逢い・思いを俳句、写真、文にした徒然日記です

新緑に 聳ゆ本堂 崖造り

2022年06月27日 18時05分36秒 | 旅行
新緑に 聳ゆ本堂 崖造り
 
 
 大悲閣千光寺の本堂は、この写真のように嵐山の急峻な崖の斜面にへばりつくように建てられています。「懸造り(かけづくり)」、「懸崖造り(けんがいづくり)」、もしくは「崖造り(がけづくり)」という日本の木造建築の伝統工法とのことです。京都の清水寺本堂、鳥取県三朝(みささ)町の三仏寺投入堂(さんぶつじなげいれどう)と同じで、訪れた時は「ようこんなところに建てたな~」と感嘆しました。
「観世音菩薩は経典によれば南海の普陀洛(ふだらく)山中に住むという。したがって、観音堂は普陀洛山にあやかって、名山の中腹に建てられるために、床下を高めて懸造になる例が多い」とのこと。信仰の力ってすごいですね~・・・
 清水寺の写真は2008年12月、三仏寺投入堂の写真は2019年5月に訪れた時のものです。
 
懸造 見事清水 宵紅葉
        清水寺本堂
 
 
信仰の 力新緑 投入堂
道峻嶮 堂新緑の 絶壁に
        三仏寺投入堂
 

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新緑に 荒寺の鐘 染み入りぬ

2022年06月27日 17時04分22秒 | 旅行
寺荒れてるも よき仏鐘 風薫る
新緑に 荒寺の鐘 染み入りぬ
 
 
 
 大悲閣千光寺の建物自体は荒寺のようで、かつ仏像なども狭い本堂に雑居させられていますが、一つ一つをじっくりと見ますととてもよい仏さまです。本堂手前の急な坂にあります鐘も年代を感じさせる風格があります。
 崖の上にあります本堂から、新緑に埋ずまる嵐山のはるか向こうに見える米粒のような京の家並みと、その更にはるか遠くにある比叡山を眺めている時、ゴーンという鐘の音が響いてきました。下を見ますと、先ほど一緒に本堂で景色を眺めていたうら若き女性が鐘をついた後で、鐘をじっと見上げていました。鐘も鐘の音も新緑に染み入るかのようです・・・。
 千光寺の歴史は古く、元は清涼寺の西方中院にある後嵯峨天皇(13世紀)の祈願所でした。江戸時代に角倉了以(すみのくらりょうい)が、大堰川(おおいがわ )を開削する工事で亡くなった人々をとむらうために現在地に移転したものです。本尊は恵心僧都作と伝えられる千手観音・・・
 写真の坐像は角倉了以さんです。

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