鯔われにちかよる初夏の浅瀬かな
鯔(ぼら) 小名木川にて
不思議な感じでした。高く飛び跳ねる鯔や(脱線ですが、イタリア語のボラーレ、volareは 「飛ぶ」)、川を群れて泳ぎゆく鯔はこれまでよく見ていましたが、今日は、鯔が静かに近寄ってきました。花も木も鳥も、動物も、じっと見つめていると心が通うような気分になります。でも、魚とこのような感じに陥ったことはありませんでした。今回、偶然にも何か会話を交わしたような気がしました。
因みに鯔は俳句の世界では秋の季語ですが出世魚で、関東では「オボコ → イナッコ → スバシリ → イナ → ボラ → トド」と変わるそうです。鯔の卵巣は唐墨(からすみ)になります。身は食べたことはありませんが、冬が旬の美味な高級魚だそうです。ただ、水質の悪いところのものは臭みがあるとのこと。ここ小名木川で鯔を釣り上げている人を見かけたことはありません。水は結構澄んでいて綺麗なように見えるのですが・・・