髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

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「怒」 レビュー (ファミコン)

2015-07-10 21:00:42 | ファミコンレビュー
トップビューガンアクションゲーム
SNK開発の同名アーケードからの移植(1986年2月)
開発はマイクロニクス
発売元はケイ・アミューズメントリース
1986年11月26日発売


あらすじとしては…
国連に一通の極秘情報が届いた。
内容は秘密結社と名乗る組織がとある国に基地を造り
世界征服をたくらんでいるという事だった。
だが、確たる証拠がない為に国連の委員長は少数精鋭の特殊部隊を派遣に解決する事を決定した。
隊長の『ラルフ』大佐以下4名の特殊工作隊。
それに新顔の『クラーク』少尉が送り込まれたが飛行機が作戦開始前に墜落してしまった。
助かったのは『ラルフ』1名だと思われたが
そこへ無傷の『クラーク』が現れた。
彼は味方か?それとも敵か?
そんな事を考える間もなく敵が襲来する。(アーケード版の内容)

ちなみにパッケージイラストは「たがみよしひさ」氏だそうだ。
というか、パッケージイラストを見る限り
『ラルフ』と『クラーク』は双子の兄弟にしか見えんなぁ…
とてもじゃないが、上司と部下って感じではない。

特徴としては
残弾制限があり、弾が尽きる事もある(って、尽きる前に大抵死ぬが…)
アーケード版とは異なりヘリコプターに搭乗する事が出来る。
マップが原作のおよそ3倍になった。
ABBAを押す事でコンテニューが出来る。


得点は10点

良い点
・2人同時プレイ

悪い点
・歩行が遅すぎる
・弾の当たり判定が小さい
・マップが長すぎる
・詰み要素あり
・死ぬと弱体化
・敵側優遇措置



良い点の解説
・2人同時プレイ
 これだけか?
 と言っても、二人でプレイしていたら
 普通に目がすわって会話など無くなるだろうが…


悪い点の解説
・歩行遅すぎる
 そのまま。足の鈍足さは酷い。
 敵の弾より遅いのはいいとして雑魚敵の歩行よりも遅い。

・弾の当たり判定が小さい
 当たり判定がやや小さめで敵に直撃しないと死なない。
 それにより、敵に入り込まれること多し

・マップが長すぎる
 1つの面がアーケード版の3倍の長さとの事だが…
 似た地形、同じ敵延々と出ているに過ぎないので
 ただ単に、ゲームの引き延ばしを狙ったものでしかない。
 熱意が下がりプレイするモチベーションを保つのがやっと…

・詰み要素あり
 復活ポイント付近に歩行不能のパイプが配置されている3面。
 下手に死ぬと復活地点から身動きが取れなくなり完全に詰む。
 コンテニュー無効エリアも3面に存在する。

・死ぬと弱体化
 それは当然と言えば当然なんだけどさ。
 これほどの死にゲーだとパワーアップした状態をキープする事自体が困難…

・敵側優遇措置
 いくつも項目があるのでさらに分けよう

 ①雑魚の足がこっちより速い
 ②敵の手榴弾の爆風判定が大きい敵がいる
 ③敵の狙撃タイプの敵は射程無限+壁無効
 ④敵の足が遅くならない
 ⑤敵は水中に潜れる。

 ①雑魚の足がこっちより速い
  歩行が遅すぎるに書かれたものと一緒だが
  敵の当たり判定はやや小さめでキッチリ直撃しないと死なない。
  その為、敵がこちらの弾をすり抜けていることもあり
  その際、逃げ切ることはできず死ぬ。
  しかも敵には手榴弾持ちの敵がいて倒すと同時に自爆。
  こちらの足は遅く振り切れない

 ②敵の手榴弾の爆風判定が大きい敵がいる
  敵の手榴弾の爆風判定が大きい敵が多く出て
  こちらの足の遅さにより敵が投げたと同時に

  「あ…俺、死んだな」

  というのが分かってしまう。
  その前に倒さなければならないのは分かるが…
  敵への当たり判定が小さめ…

 ③敵の狙撃タイプの敵は射程無限+壁無効
  こちらの弾は射程があったり、壁に当たると消えるのに
  敵が撃つのは消えない。
  しかも飽きることなくずーっと撃ってきやがる。
  攻撃方向も同じだから弾を見計らって内側に入り込んで
  撃つなり手榴弾を投げ込む必要がある。
  しかも手榴弾は爆風大き目で②である。

 ④敵の足が遅くならない
  水中や段差などこちらが足が遅くなるというのに
  敵側は足が遅くならず突っ込んでくる。
  その中で敵の中には自爆する奴もいて接近されるともう死ぬしかない。

 ⑤敵は水中に潜れる。
  ただでさえ水中で足が速いのにその上、敵は潜れるのだ。
  ずるいわ~。
  潜っているとき無敵のようでこちらの攻撃を受け付けない。
  接近されて体当たりされて死ぬ。
  倒しても自爆する奴もいてそいつのせいで死ぬ。


全ての元凶は足の遅さ。
敵の弾幕が酷いので戦車やヘリに乗ってもすぐに死ぬ。
スピードアップアイテムもある事にはあるがすぐ死にやすく、
死ぬと当然初期化される。
そして残機を失う。
この時「ABBA」を押す事によりコンテニュー出来るが
すぐに死ぬので数え切れぬほど

「ABBA」

を押す事になる。

プレイ最初の頃は

「何だよコレ!
 『怒』ってタイトル通り、プレイヤーの怒りを誘発するゲームだなコレは!」

なんて思っていたが、ものの数分もすると怒りなどとっとと卒業して

『飽き』

になる。

「1面、なげーよ。
 敵も何もかも変わり映えしないし」

それが暫くするともうこのゲームに関して考える事すらなくなり
ただ『無心』になってただ上に歩くという作業と化す。

「もう残機ないか…
 ABBA…」

攻撃判定の小ささにより敵を倒すという爽快感を得られないので
襲ってくる敵を撃つ行為ですら鬱陶しくなる。
ただ、足が遅すぎるため、ある程度、敵を排除しないと撃ち殺されてしまう。
最終的には死んでからの無敵時間を利用して
少し死んで進み、死んで進み、コンテニューという事しかなかった。
が、そんな物も打ち砕く場所があって3面にはコンテニュー無効エリアが存在するのである。
もうその先なども知りたくなくなり、面セレで4面を選んだ。

しっかし、その面セレの長さ、意味不明さも際立つ。
有名なコナミコマンドは

「上上下下左右左右BA」

なんて語呂が良く覚えやすいものであるが…
本作のステージセレクトは

タイトル画面で
「↑」「↓」「A」「A」「B」「←」「→」「A」「B」「↑」
「A」「↓」「→」「→」「←」「B」「↑」「←」「A」「→」
「B」「←」「→」「A」「←」「↑」「A」「↓」「A」「→」
「←」「B」「スタート」

スタートを含めないと32個もコマンドも押さなければならん。
しかも規則性も読み取れないただの意味不明なボタンやキーの羅列である。

こうやって適当な文字が並んでいると、
「DDR(ダンスダンスレボリューション)」を思い出してしまうな…(笑)
いや、「DDR」もちゃんと規則性があるか…

コレを覚えているやついるのか?
きっと作り手さえ覚えてなどいまい。
何ていうかSNSなんかでしょーもない動画を挙げて炎上している奴と同じ匂いがするわ。

「うぇーい!面白いぜこれ!」
「みんなも笑うだろ!いぇーい!」

と、本人達だけ面白がって悪乗り動画をネット上に挙げたら

みんなドン引き→炎上。

みたいな流れ。
本作は昭和時代のゲームだし他に迷惑がかかるって訳じゃないから炎上する事はないけど
作り手自身を察する事は出来るわな。

「あっ…」

っていう。


0点にしようかちと迷ったが
何とか回避しているのは

「無限コンテニューコマンドがある事」「面セレコマンド」がある事。

以上である。
これにより一応、クリアは決して困難ではない。

だが、このゲームで楽しめる要素はない。一切ない。
上手い人はパターンなど読んでクリア出来るのだろうが…

アーケード版では開発者は1コインクリアは無理と言っているそうだが
多数のプレイヤーが達成しているそうだ。
まぁ、当時のアーケードのオタクって
キチガ○じみている人(誉め言葉)とか結構いたようだからな~
並の人間でしかない髭人には到底、無理ッッ!!

戦場で捕虜になった際の拷問はこのソフトをオススメする。
いかに屈強かつ忠義心の高い兵士でも
これを2~3日ノンストップでプレイさせられたら
洗いざらい秘密を吐いてくれるんじゃないでしょうかね?(テキトー)



PS)「怒」って言われると「ランボー」を思い出すなぁ…こちらも怒りが失せるような出来であったが…


ここからがネタバレ























ラスボスを倒すと「カワサキ将軍」なるものの
メッセージが出てきてゲーム終了で戦う事は出来ないそうだ。
そのカワサキ将軍とは当時SNK社長だった「川崎英吉」氏に由来するのだそうだ。
こんなゲームに登場させられるのは実に屈辱的だと思うけどね。


さて…
締めるとしようかこのゲームをずっと続けていたら…
「怒」など最初の時だけの感情で
すぐに忘れ去り心洗われる。
考えが無となり新しい世界が広がって来る。
スタッフもきっとこう言いたかったのだろう。

「『怒』なんて感情は捨てなさい。
 人を撃ち殺すゲームを健全であるわけがない。
 心穏やかに…
 心安らかに…
 心清らかに…
 さすれば人生はより良くなりましょう」

そんな禅の精神を…
つまりこのゲームは「怒」を捨て去った

「悟」

というゲームであるのでしょう。(合掌)

確かにこんなものはクソゲーだとすぐに悟ったほうが数倍賢いと言える。



合掌…





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