小学4年生の男の子がいました。
「何だよ・・・雨って言っていたのに曇りか・・・」
今日は運動会。
運動神経が鈍いのであまり活躍が出来ない彼には運動会は大嫌いでした。
だから雨になる事を祈り、逆さてるてる坊主を作ったぐらいでしたが天気は曇りで運動会は決行されました。
それだけならまだ良かったのですが父親に去年の運動会の時に叱られていたのです。
「勝てないと分かっていたからってダラダラ走りやがって・・・上手くできないからと言ってやらなければならないことに手を抜く人間は最低だ。結果が全てじゃねぇんだよ!」
その事を覚えているか分かりませんがお父さんは今日は仕事の為、運動会を見に来られません。
『ふん。お父さんにはぼくの気持ちなんか分かりっこないんだ』
徒競走の時間になって自分の番に来るまで待ちます。
周りはみんな早い子ばかり。今年もビリは殆ど確定と言った所でした。
『お父さん。今日は来てないし、去年の事なんか覚えていっこない』
順番がようやく回ってきてスタート地点に着きました。
「・・・」
ヒュウ
『ああぁぁ!ヤケクソだ!走ればいいんだろ!走れば!』
パン!!
ピストルが撃たれみんな一斉にスタート。
どんどん開いていく差
でも、そんなことは気にせず一生懸命走りました。
ゴール。
結果はビリ。
誰か転んで順位が上がるなんて偶然は起こりませんでした。
「はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!」
「ビリって分かっているのにあんな頑張って走ったって無駄なのに・・・」
「バカなんだろ?」
こちらを見てヒソヒソ話をしている子が遠くにいたみたいですが疲れていたのでそれどころではありませんでした。
お昼になって、運動会に来ていた母親の所に行きました。
その時、毎年同じような事をお母さんが言います。
「得意不得意は誰にでもあるからね。でも、今年は頑張っていたじゃない」
『一生懸命やってもビリになっちゃ、疲れる分、バカらしいじゃないか・・・』
お母さんが作ってくれたお弁当を食べます。
「あ・・・美味しい」
何だか今まで運動会の時に食べたお弁当の中で一番美味しい気がしました。
「おにぎりもう1個食べるよ」
「おかわりするの?へぇ~」
お母さんは微笑ましく男の子を見つめるのでした。
「何だよ・・・雨って言っていたのに曇りか・・・」
今日は運動会。
運動神経が鈍いのであまり活躍が出来ない彼には運動会は大嫌いでした。
だから雨になる事を祈り、逆さてるてる坊主を作ったぐらいでしたが天気は曇りで運動会は決行されました。
それだけならまだ良かったのですが父親に去年の運動会の時に叱られていたのです。
「勝てないと分かっていたからってダラダラ走りやがって・・・上手くできないからと言ってやらなければならないことに手を抜く人間は最低だ。結果が全てじゃねぇんだよ!」
その事を覚えているか分かりませんがお父さんは今日は仕事の為、運動会を見に来られません。
『ふん。お父さんにはぼくの気持ちなんか分かりっこないんだ』
徒競走の時間になって自分の番に来るまで待ちます。
周りはみんな早い子ばかり。今年もビリは殆ど確定と言った所でした。
『お父さん。今日は来てないし、去年の事なんか覚えていっこない』
順番がようやく回ってきてスタート地点に着きました。
「・・・」
ヒュウ
『ああぁぁ!ヤケクソだ!走ればいいんだろ!走れば!』
パン!!
ピストルが撃たれみんな一斉にスタート。
どんどん開いていく差
でも、そんなことは気にせず一生懸命走りました。
ゴール。
結果はビリ。
誰か転んで順位が上がるなんて偶然は起こりませんでした。
「はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!」
「ビリって分かっているのにあんな頑張って走ったって無駄なのに・・・」
「バカなんだろ?」
こちらを見てヒソヒソ話をしている子が遠くにいたみたいですが疲れていたのでそれどころではありませんでした。
お昼になって、運動会に来ていた母親の所に行きました。
その時、毎年同じような事をお母さんが言います。
「得意不得意は誰にでもあるからね。でも、今年は頑張っていたじゃない」
『一生懸命やってもビリになっちゃ、疲れる分、バカらしいじゃないか・・・』
お母さんが作ってくれたお弁当を食べます。
「あ・・・美味しい」
何だか今まで運動会の時に食べたお弁当の中で一番美味しい気がしました。
「おにぎりもう1個食べるよ」
「おかわりするの?へぇ~」
お母さんは微笑ましく男の子を見つめるのでした。
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