ひぐらしの思い出

17年続くライフログ。
2020年2月から2022年12月まで毎日日記を書いていました。

ひとり漫勉行って来たよ!(「浦沢直樹展」)

2016-01-28 03:04:03 | 本・漫画・アニメ
浦沢先生の画業33年の集大成!として行われてるこの展示の特別イベント「ひとり漫勉」に行ってきました。


「漫勉」とは、
言わずと知れたNHK Eテレの人気番組
普段は絶対に見る事が出来ない漫画家さんの制作現場をみっちりと見せてくれる、浦沢先生だからこそ出来たんであろう、とても素晴らしい番組。
特に真っ白な原稿用紙から漫画が出来ていくところをね、漫画家さんの手元真上からカメラで撮って見せてくれるのが最高で。
ペンの音とかも生々しく、何度も書き直したりしてくのとか。
もう夢中で見てました。
そしてこの展示の「ひとり漫勉」というイベント。なんと浦沢先生の漫画描いてるところが生で見られる!?というのでソワソワどきどきわくわくして応募、見事当選。
ヒャッホー!と向かいました世田谷文学館。

そういや以前世田谷文学館来た時の「日本SF展」でも浦沢先生の展示物あったんだよね。

入り口からしてこうだもの!わ~お。

お花も来てましたね。

イベント前に展示を見ておきたかったんだけどわりと時間ぎりぎりに行ってしまいそのまま受付、軽食をつまんで時間調整。
喫茶どんぐりへ。(こーゆうところも食べログにのってるんだね)

  
レンチンだろうなあ、っていう軽食だけど悪くないですよ。

どんぐり前のゴジラさん。

ちなみにどんぐりでお茶してるときずっとアコギと歌のリハーサルみたいのが聴こえてて「これ…浦沢先生かなあ。でも今日ライブやるなんて聞いてないよなあ…」と思ってたんですがね。

さていよいよ本編です。

会場に入るとステージにはスクリーン、机とマイク、そしてアコギ。(やっぱり歌うんかい!とw)
(イベント後に撮りました先生使用の机には原稿用紙と定規、水、インクを拭いたティッシュ)←これ撮ってるの変態みたい

150人ほどのお客さんと関係者、テレビカメラが数台。
机には真上から撮れるようにカメラがセットされていて「ああやっぱりあの漫勉が生でみられるんだ!」と興奮。
予定時間よりすこし遅れて浦沢先生登場。
しょっぱなから歌う!
番組のOPでかかる口笛入りのテーマソングを。お客さんに口笛を託す先生。ものすごく上手に吹きましたわたし。

ギターをおいて先生、おもむろに何かを描き出します。
「こんなもので育ってきたんですよ」
アトムー!
(ここからのイラストはイベント終了後に貼り出されたものを撮影してます)
先生、アトムの足について解説。
右側に描いてあるタイプの時と左側に描いてるタイプの時がある、とのこと。へえ~。
左側に描いてある方は「女の子みたいだろう」と。しかし右のも「裸にブーツって」みたいな。
むしろ裸かよ、みたいなことまで。

その後も
明日のジョー、
無用ノ介、
009、とまあ…
すすすす~って描いてくれるんです。すごい。
しかもこれ、後ろのスクリーンに描いてる手元映してくれてるんですよ。
先生の解説聞きながら今なう描いている絵を見られるなんて…ぜ、ぜいたく…うう

そしてここからさらに本編中の本編。
「漫画を一本作る」というわけです。
編集者とのやり取りも含めてここで制作を見せたい、ということで編集者ならぬ天の声に「ひとりごっつ」でおなじみの師匠、倉本美津留さんご登場。(どうやらイベントタイトルの「ひとり漫勉」は「ひとりごっつ」からとった模様)舞台上の先生と天の声、二人で万博公園に行った事もあるという実に仲良しらしいお二人の掛け合いで制作開始です。

作る漫画は時間の制限もあるので1ページもの。
師匠に「どんなのがいい?」と先生。やりとりで「ギャグがいい」と。
お二人とも全くのノープランだったようで(楽屋でも一切打ち合わせはしなかったとおっしゃってました)こっちもなんかどきどき。
会話の中から「横着」というキーワードが。
そこから師匠、「テレビのチャンネル変えたいけどリモコンが動かないとき。横着なやつは念力使ってテレビを手元まで持って来て、チャンネル変えてまた元の位置にテレビを戻す」って話を。念力でチャンネル変えればいいのに!ってやつね。「横着者やなあ~横着太郎や!」とか言って。
あ~なるほどね!みたいな感じで先生ふわ~っと描いていきます。
白い紙にささーっと線を引いて、リモコン「ピッ」と2回描くと動かない感じ出るんだよーとか、ここでテレビの画面安藤優子さんね、ここで主人公、ここで念力使うからアップで…みたいのをもうサラサラ~っと。
いわゆる「ネーム」というやつですね。はははは、早い。
オチは先生の好きな「ちょっとだけ超能力」ってことで念力で少しだけテレビが動く、というものにしてさあもう原稿用紙へ。

「枠を引くと一気に漫画っぽくなるんだよ」とのお言葉。ほおほおと見ていると先生「定規がない…」
どうすんだろ?って思ったら「これでいいんです」ともう一枚原稿用紙を出してその端っこを使って枠を引きだしました。
ああ…あるものでばんばん仕事していく感じ、かっこいいです。
スタッフさんから無事定規をうけとり(最初持って来たやつ短くて使えてなかったけども)みるみる漫画の枠線完成。
ここで浦沢先生の枠線の決まり事を教えてくれました。縦横の枠の隙間の幅、縦は3ミリ、横は5ミリって決めてるんだって。しかもそれ大友克洋先生の漫画を実際定規で測って決めたって言ってましたよ。わーおそるべし~。

枠を引いたらどんどん描いてく。リモコン、テレビ画面、部屋の感じ…
そして「横着太郎」と名付けられた超能力者。
どんな顔がいい?と師匠と先生のやりとり。
最初は「横着者だから太ってるよね」ということからぶく~っとした顔を描き出すも、凛々しい顔へチェンジ。おっかしい!

下書きをざざっと描いて、ペン入れ。
ペンについても色々見せてくれました。
スタッフさんから素敵なライター(ゴルゴ13のイラスト入り)を借りてペン先を炙ってみたり。(こうすると余計な油が飛ぶんですってよ!)
各ペン先の描き味の違いも。
(見えにくいかもですが下の方に描いたDr.テンマ、師匠が「あ~!この角度でよう振り向いとるわ~」みたいな突っ込みを入れたのが超ツボって爆笑しました)

トーンも持って来てるから、と実演。こうすると西陽の感じ出る…とかでトーンをけずって貼ると…ほんとだー!
あとね、トーンの番号って1センチ四方(だったかなあ?すいませんかなり色々うろ覚えです)の点の数を表しているんですって。
それで先生、昔とある漫画に使われてるトーンの1センチ四方の点の数数えた事あるっておっしゃってました。うわあ~変態!(褒めてます)
こういう所といい本当に漫画好きなんだなあ~って。素敵ですよ。

そんなこんなで出来上がった「横着太郎」がコチラ!




すごーい!
「時間がないので」とのことで消しゴムがかかってないんですけど、ちゃんとした漫画ー!(当たり前だけど)
どうですこの横着太郎の顔。
念力使ってる感すごい。
これ浦沢直樹先生の最新作だよ。わ~!
本当にここで、目の前で一本漫画出来ちゃったよ…とわたし感激。拍手喝采。お客さんみんなも感動してましたよ。絶対。

この後もイベントはまだ終わらず。
BILLY BATイラストをささっと。うれしーです。

イベントの最後は師匠、倉本美津留さんを壇上に迎えてお二人で弾き語りを。
最初はギターのチューニングがずれてたり、若干緊張されてるのかな?という感じのステージでしたが堪能いたしました。
お二方には本当に「お疲れ様でした」と「ありがとうございました」を百回くらいは言いたいです。ありがとうございました。

浦沢先生。
今年で画業33年ということですが先生は小学生の頃からしっかりした漫画を描いてらっしゃいますから、漫画描いてる暦としてはもう40年以上とかなんじゃないかと思うんです。
それはやっぱり伊達じゃないよなあと思いました。
とにかくプロ。
プロフェッショナル過ぎる。
先生はね、今描いている作品が24ページなんだけど、ババッとネームを描くとピッタリ24ページなんですってよ。
あとね、アシスタントさんに資料の写真を持って来て~って言うときに「こんな構図の写真がどこどこに入ってるから」って描いてみせて、あとでその写真と比較するとピッタリ重なるんですってよ。
なんという技術…
経験と知識と才能…
そして多分ものすごい努力…
でも「ひょー!かっこいいぜ~!」って思うのが、その努力をね、先生きっと辛いと思ってないだろうな~っていう感じがするんです。
だって漫画のトーンの点の数かぞえたり、枠線の隙間が何ミリか測ったりさ、そういうことを好きでやっちゃう人なんだよ。
好きこそ物の上手なれ、っていうのの最上級者だなあと思うんです。
小さい頃から漫画が大好きで、自分も描いて描いて、描きまくって。
もっと面白いもの描くためにどうしたらいいかって考えて勉強して試してずっと描き続けて。
そうやって生きて来た人なんだなあ~って。
そんなに夢中になれるものがある人間ってそういないじゃないですか。
かっこいいですよ。
この先生だから「漫勉」みたいな番組を考えられたんだろうな。
先生がイベントの最初にこんなこと言ってました。
「夜ごと真っ白い原稿用紙の上でゼロから作品が作り上げられてく、これがどんなに面白いものかみんなに見せてあげたい」って。(だいたいね)
これはそうでしょう、漫画本気で愛してる人じゃないと出てこない発想でしょう。
(わたしも本気で曲作りの過程を見せるイベントやりたくなったよ)

約1時間半ほどのイベントだったと思うけど、浦沢先生の漫画への愛をひしひしと感じる濃密な時間でした。
はあ。とにかく面白かった。
漫勉の新シリーズも楽しみにしています!

終演後ふらふらしてた倉本美津留さんとお写真を。ミーハーウエーイ!

サイン会までやってくれた浦沢先生。

少しだけしゃべれて(「YAWARA!」見て柔道部に入りました~ってお伝えいたしました)、ニコッと笑って握手をしてもらえました。きゃー!
もうサイン一生大事にする。

ちなみに、サイン会待ちしてるときにNHKの漫勉のインタビューを受けたよ~。ひよせテレビうつるかもよ~。
でもものすごくとんちんかんな事しゃべっちゃったから出ないかもだけどー。せっかくだから出たいよね!

今年の目標「ミーハー万歳」よろしく。

2/25(木)「ひよせとイチゲワンマンショー!~祝☆ひよせ聖誕祭(仮)」開催決定!

2016-01-13 12:00:16 | お知らせ・音楽
2016年、明けましておめでとうございます!
本年もひよせをどうぞよろしくお願いいたします。。。

さてさてさっそくですがうれしいお知らせですよ~!告知どーん!



ひよせ、久しぶりにワンマンLIVEやります!!
お世話になっている「ひまわり広場で手をつなごう」さんの2周年特別企画としてワンマンLIVEをやらせていただくことになりました~。
そしてこの日は偶然にもひよせのお誕生日!
2016年はひよせの音楽活動10周年アニバーサリーの年でもありまして、そのお誕生日のワンマンなんて特別な会になること間違いなし!なんとあの伝説のチア隊の参加も決まりましたよ。
皆様、万難を排してぜひご来場くださいませ!

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2016年2月25日(木)
ひまわり広場で手をつなごう 2nd year anniversary event!!
ひよせとイチゲpresents
「ひよせとイチゲワンマンショー!~祝☆ひよせ聖誕祭(仮)」

open 19:00 /start 19:30
前売¥2,000/当日¥2,500 (1drink別)
出演:ひよせとイチゲ/チア隊(ひよせ、安藤昌教、岩沢卓)

※お席の都合上ご予約をおすすめします。 ご予約はひよせHPのMAILからどうぞ!