WWF50周年号より
5・国際条約を効果的なものにする
1970年代は、国際社会が環境におおきな関心を寄せた時代です。一番のきっかけは1972年、
ストックホルムで開かれた「国連人間環境会議」。
環境をテーマにした、世界初の各国首脳級の会合です。3年後には、湿地の保全をめざす「ラムサール条約」、
希少な野生生物の国際取引を規制する「ワシントン条約」、「世界遺産条約」など次々と発効(実際に効力を発揮し始めること)しました。
ラムサール条約は、WWFが長年、制定をめざしてきたものです。湿地を利用する渡り鳥は、国境を越えて行き来します。
そのため、国際的な保全ルールが必要だからです。
湿地の保護と「賢い利用」を目的に掲げたラムサール条約は、やがて世界のスタンダードとなる「持続可能な利用」の考え方を
実践する先駆的存在となりました。
ワシントン条約もまた、WWFの活動と関係の深いものです。交通網が発達し、世界が狭くなるにつれて、
野生生物の利用が飛躍的に拡大する中、過剰な利用が絶滅を引き起こすのを防ぐには、国際的な仕組みが必要です。
WWFとIUCNは1976年、ワシントン条約がしっかりと機能するよう、条約に違反した取引を監視・調査する組織「TRAFFIC(Trade Records
Analysis of Fauna and Frola in Commerce)」を発足させました。
1993年に発効した生物多様性条約や1994年に発効した機構変動枠組条約に対しても、WWFは、条約が作られる際にも、
また発効後にも、自然保護に真に力を発揮するものとなるよう提案や要望を続けています。
6・人と暮らしを共に自然を守る
WWFがこの50年間で、実際に学んできた最も大きなこと。それは、必ず地域の人々の理解と参加を得る、ということです。
自然を守ろうとすると、ある程度、開発などを規制せねばならない場面が出てきます。
保護すべき野生生物が畑を荒らすこともあります。自然と隣り合わせで暮らす人々の生命や生業を守り、
自然保護への理解を得ることができなければ、結局、保護活動は失敗してしまうのです。
WWFがギリシャのザキントス島でアカウミガメの保全活動を始めた当初は「海岸の開発ができなくなる」と地元から非難を浴びました。
しかし、ウミガメを、その生息に影響しない範囲で観光にも活かせるようにした結果、現在は地域の財産として保全されるようになりました。
また、中国やチュニジアでは、森林伐採などが制限される保護区周辺の住民の生活手段として、養蜂の導入を行っています。
人と動物のあつれき(ゾウ、トラ、オオカミ、クマなど作物を荒らし、逆に殺されたりする問題)という課題もあります。
WWFは、人里への侵入を防ぐ電気柵や緩衝地帯を設けたり、野生生物から家畜が襲われないようにするイヌやロバを導入するなどの
対処療法を進めると同時に、根本的な解決策として野生生物の生息地を増やすことにも取り組んでいます。
WWFマガジンより
日本の里山は野生生物と人里との緩衝地帯として役立っていたのでは・・思われています。
最近のクマやイノシシの人里への侵入は、この里山の荒廃にあるのではとか言われていますよね。
山の神、海の神など八百万の神々を信仰してきた日本人の文化は、きっと世界を救うと思う
言いすぎかな
でも私はすべての命に感謝をして食事の時に「いただきます」と言う文化を愛しています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます