WWF50周年号
7・認証制度を作り普及する
90年代に入ると、「資源の持続可能な利用」の実現がいっそう求められるようになり、
WWFも「認証制度」の制定と普及に取り組み始めます。環境に配慮した木材生産を認証する「FSC」、
持続可能な漁業で獲られた水産物を示す「MSC」。WWFはこれらの認証制度の設計に携わり、
設立を支援してきました。FSCの発足は1993年、MSCは1997年です。
2002年には、PSPO(持続可能なパームオイルの円卓会議)の設立にも参加しました。
パームオイル(ヤシ油)生産のために、天然林が次々とアブラヤシのプランテーションに変わっていくのを食い止めるためです。
2005年には「持続可能な大豆」の生産をめざすRTRS(責任ある大豆に関する円卓会議)の設立も支援しています。
2003年には、「ゴールドスタンダード」も立ち上げました。先進国が、途上国で温室効果ガス削減プロジェクトを行う場合、
それが持続可能な開発にも貢献しているかどうかチェックする基準です。
現在は、産業界に対し、こうした認証制度や基準を積極的に取り入れ、環境に配慮した「責任ある調達」を実現するように求めています。
8・国境を越えた協力体制を作る
自然保護が必要だという意識が広がりを見せ、環境保全のための国際ルールも作られている今だからこそ、
必要なことがあります。それは複数の国にまたがる生態系を守るために、関係諸国が協力する体制づくりです。
1999年、WWFは、内戦、密輸、違法伐採、希少金属の盗掘などの問題を抱えるアフリカ、コンゴ盆地の関係5カ国を集めた「ヤウンデ会議」を開催しました。
その結果、協力してコンゴ盆地の森林保全と持続可能な管理を実行するとした「ヤウンデ宣言」が採択され、
これまでに10%以上の森林が保護下に入り、4万5,000平方キロがFSC認証を取得する成果が生まれています。
2009年には、クロアチア政府とハンガリー政府、そしてWWFの3者により、両国の国境を流れるドゥラバ川とムーラ川に沿って、
63万ヘクタールの保護区を作るという約束が交わされました。
これをきっかけとして、現在、オーストリア、スロベニア、セルビアを加えた5カ国による保護区設立の話が実現に向けて進んでいます。
WWF創設者の一人、ピーター・スコットは、こんな言葉を残しています。「私たちは、守りたいという願うすべての生物を
救えるわけではないかもしれない。でも何もしないよりは遥かに多くの生物を救えるだろう」。
この半世紀、解決策を一つ見つけると、また次の課題が現れるという繰り返しの中で、WWFは、持てる人材と予算と経験を使って、
最善の策は何かを探し、実行してきました。あきらめずに、一つ一つ成果を積み上げていくこと。
創設者の意志を今もなお、世界中のWWFによって受け継がれ、実践されています。
WWFマガジンより
ほんとにすばらしい取り組みですね。
いろんな国、いろんな人種、いろんな言語、いろんな宗教。
考え方も人それぞれの中で、自然と生物のためにできることは何かと試行錯誤しながらの50年だったと思います。
これからも苦難の取り組みが多くあるのだと思います。WWFの活躍に期待しています。
動物大好きで、獣医になりたいなんて夢見たこともあったのに、挫折ばかりを繰り返す私には頭の下がる思いでいます。
野生生物と人間が共存共栄できる環境が実現することを望んでいます。
WWFのみなさん、頑張ってください。
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