砂の果ての楽園 5 2009年06月01日 | 作り話 宏美は目を開けた。頭が痺れたようにぼうっとしている。居間の絨毯の上で横たわっている事に気が付くまでしばらくかかった。のろのろと身体を起こす。申し訳程度に身体にかけられていた毛布がずり落ちた。エアコンが効いているとはいえ、むき出しの肩は寒い。毛布を肩までかけ直し、自分の身体を抱きしめた。 しんとした静寂と微かなエアコンの風の音。さっきまでの出来事が夢の中かと思われるような静けさだ。しかしその静け . . . 本文を読む